はぁ〜〜〜、やめたやめた。
そして守った、守った。お金借りた。仕込んだ。

2023年を振り返るとこの感想でまとまってしまう。毎年、なにかしらの作品を発表したり、お店を始めたり、コンセプトズバーーンな仕事が公開されたりなど、攻めの一手が売りだったのに……。こんな一年もある。あるに決まってる！

・ジモコロ編集長をやめた
・シンカイの営業をやめた
・無理することをやめた

ざっと「やめた」ことを挙げるとこんな感じになる。特にジモコロ編集長の肩書きを外すことは、自分を他者に伝えるときのわかりやすさを失ったに等しい。「Huuuuっていう編集の会社をやっていて〜」と口にするたび伝わらんよなぁと思って、自己紹介の気が萎えてしまう瞬間が多々あった。この8年間の自己紹介筋肉がジモコロ編集長に集約されていたのだろう。

だが、もう脱ぎ捨てた。自己の脱皮は特技でもある。ちょっと皮が分厚かっただけの話で、代わりに春蒔きの野菜づくり＆犬の世話を数ヶ月楽しみきった。朝早く起きて、土をいじる。犬のうんこを片付ける。散歩がてらに腿をしっかりあげてあぜ道を走る。

これまでジャムおじさんのいないアンパンマンを演じていたけれど、仮面を剥がしてみたら純然たるおれがそこにいた。その実感を得たことがとてつもない大事なものだと気づいた。OK余裕。やりたいことは無限にあるから、一個ずつ形にしていけばいい。

気持ちの切り替えが終わった後は、会社の守備力をあげるために時間を割いた。どう考えても不景気が極まってきている。人生のわからないを増やしてるだけじゃダメだ。社会と企業のわからないに歩み寄る必要があるんじゃないか？　これまでの方法論を見直して、BtoBの視点でHuuuuが求められる状況を作ることにした。まずはチームの再構築、メッセージの再構築、コミュニケーションの再構築。この順番で打ち手を変えていきたいと準備している。

年明け1月に会社HPのリニューアルを控えているので、そこでやりたいことが伝わるんじゃないかと思う。頼もしいパートナーたちの編集によって、自分たちが料理される喜びをこれでもかと感じたし、社内の目線だけでは捉えきれないものがやっぱりあるよな、と痛感した。そう、おれたちだけの物語の限界があるのよ！　他者と考えることで生まれる世界がめっちゃある！

そのあたりのプロセスは、京都の作家・土門蘭さんを再び召喚して、Huuuuメンバーの個別カウンセリングPodcastを収録したのでぜひ聞いてほしい。車の移動中にちょうどいい感じ。ここまで会社の個人をさらけだす必要があるの？？ってぐらいに踏み込んだ内容になってると思う。

全部で5時間！！

よほどの暇人じゃないと全部聞くことは叶わないかもしれないけれど、Huuuuみたいな編集の会社がどう成り立っているのかを探るには十分なヒントが詰まっているはず。

編集に関わってくれているEat, Play, Sleep inc.の堤くんは「これは壮大な父殺しの物語ですね」と言ってくれていて、要は創業者である徳谷柿次郎を超える世界になっている、と。同時にむき出しの衝動で自己解釈と自己決定を繰り返す経営者とどんな距離で仕事に向き合っていくのか？を問い直す対話でもある。恐るべし、土門蘭。

すべてを終えた上で総まとめ的に出張ったおれのターンは、公に言わないでいたほうがいい言葉ばかり。終盤は、経済システムと編集業界における「どんぐり（＝資本）論」を唱えて、煙に巻こうとした。いや、実際にそうだからなぁ。来年のどんぐりは足りるのか？　新しい森に入っていかなければならないんじゃ？　

確かな不安を抱えながら、2000万どんぐりを長野の銀行から借金！　これが守備力の要ともいえる。運転どんぐりがなけりゃ、正気を保っていられないかもしれない。似たようなサイズで編集の会社をやっている経営者たちと、もっともっと話たい。おれたちのどんぐりについて。森の未来について。

といいつつ、このどんぐりを黙って保険にあてるわけじゃないのが来年の攻略ポイント。新卒採用の面接を今日終えたばかりで、いまHuuuuがどう思われているのかもわかったし、社会が与える影響について応募者はなにを感じているのかも伝わってきた。とてもいい時間を過ごすことができて、来年1月のHPリニューアルと採用プロセスの思考が行く先を決めてくれるんじゃないかと期待している。

遠く、遠くへ賽は投げられた。どう転ぶかはわからないし、どう転がっても受け止めて楽しめる状態がおもしろいに決まってるでしょ！

最後に。2023年は仕事の相談がとても少なかったので（大丈夫？）、これからの時代に向けて新しい取り組みをしたい会社さんは気軽にご連絡ください。ふわふわのもやもや状態でぜんぜん大丈夫です。「こうこうこうして、こうこうすればおもしろいんじゃないですか？」のフリースタイルプレゼンで企画と衝動の種をぶつけまくります！

未来のどんぐり、待ってる。