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2023/11/17 卵管造影検査

不妊治療の開始から4ヶ月。
今日はいつも行っているクリニックではなく、本院の大きな病院で卵管造影検査を受けた。

卵管造影検査とは子宮と卵管に造影剤を入れて、卵管の詰まりがないかをレントゲンで撮影する検査だ。
卵管が詰まっていると、せっかく卵子が育っていても、子宮までやってくることができないから、不妊の原因になってしまう。

私はピルを辞めて以降卵胞の育ちが悪く、卵胞を育てる薬を飲むことになりそうなのだが、その服薬の前にそもそも卵が育っても、通り道に異常はないのかを調べる必要があった。

「卵管造影検査」と調べると、「冷や汗をかくほどの痛みだった」、「ものすごく痛かった」という感想も散見される。
一方で、「ちょっと重めの生理痛くらいだった」、「痛いのいつくるのかな?と思ってたら終わった」という感想も多い。

正直4ヶ月に渡る不妊治療の中で何度も不快な内診に耐えてきたし、なんだか自分の卵管が詰まっているとも直観的に思えていなかったので、検査自体はとても楽観視していた。

友だちや同じ頃に結婚式を挙げたSNS上の仲間たちは次々に妊娠、出産をしている。
彼女たちのエピソードを見聞きしていると、本当に母は強いと思うと同時に、私もかくありたいと感じる。
だからこそ、妊娠や出産をするにはつわりや陣痛を乗り越えなければならないのだし、手前の簡単な検査で怖がっていちゃいけないとも思う。
検査台の上でも努めて冷静にリラックスをして、実際問題痛みも重めの生理痛程度だった。
「若いのに落ち着いて検査受けられていましたね」と看護師さんからも褒めていただいた。

造影剤が卵管を通るのを待つ間、検査台で10分間横になっていた。
すると、ふと、なんで女だけが、母だけが強くならなくちゃいけないのだろう、という気分にまたなった。

そもそもこんなに頻回に病院に通うことは休職中の今だからできることで、そうでなかったら、かなりキャリアに響く。
毎回毎回当たり前のように股を開き、冷たい金具を入れられる。
強い母になりたいから、と、いつものことだから、と、どんどんそれに慣れていって、仕方のないことになってゆく。

でもその間私の夫は、世の中の夫たちは何も変わらない日常を過ごすことができる。
生物学上子宮を持つ性しか妊娠出産はできない。
だから変わってもらうことはできない。
自分にしかできない体験だからこそ、それ自体を愛して、大切にしたい気持ちもある。

それでもどうしても女性であることでの不利感、理不尽感を拭えなくなるときはある。

そんなことを考えながらも絶望しているわけではなかった。
それよりも自分の腕の中に赤ちゃんが来てくれる期待感の方が今はやっぱり大きい。

毎回卵胞が育たない割に、割とすぐに妊娠できるだろうと、私はなぜか楽観している。

せめて今日どんな目にあったのかを、詳細に、やや盛りで会計待ちの待合室で夫にLINEをしておいた。
優しい彼は労りの言葉をかけてくれるはずだ。

検査の結果も問題はなく、また私は不妊治療の次のステップに進んでゆく。
この延長に母になるということがあるのか、それとも心か身体のどちらかが限界を迎えて、夫とふたりの生活が続いていくのか、今はまだわからない。

いろんな葛藤やそのときの生の気持ちを記していきたい。
妊娠出産が限られた性でしかできないように、こうして不妊治療に向き合うことができる人も限られている。
この経験をまるっと人生の肥やしにしていきたいと思う。

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