Mariko

ラグジュアリー業界で約20年はたらき、女性の生きづらさに疑問を持ち42歳で大学院へ。女…

Mariko

ラグジュアリー業界で約20年はたらき、女性の生きづらさに疑問を持ち42歳で大学院へ。女性の心理や生きづらさを紐解く研究をした。根拠のない常識の呪縛に気づき「知らないことは怖いこと、これまでの常識は非常識?」を自分なりのテーマとしている。 Fluctuat nec mergitur

最近の記事

23歳の愛猫へ

いつ頃だろうか、 同じ目線の高さまで登れなくなったのは。 いつ頃だろうか、 ソファーの上にさえジャンプしなくなったのは。 当たり前のことだけど、目尻の皺が、ある日突然にはできないのと同じように、愛猫が年をとっていく過程を日々感じとりながら過ごすことは難しい 得てして、ふと何かの拍子にその違和感に気がつくものだ。そうなると、あれもしなくなった、これもできなくなったと気がつくことがあふれてくる。 焦って愛おしいその顔を両手で包み見つめてみる。かつてのキラキラしていた瞳は薄暗

    • お篝り(おかがり)

      子どもの頃を思い出すとき、一番最初に出てくるのが「お篝り(おかがり)」。6月30日に、神社の境内で大きな篝火を焚き、無病息災、家族や自分の健康、安全を祈るものだ。当時はたくさん夜店(露店というのか)も出ていてにぎやかだった。 毎年、母が、押し入れにある茶箱(why茶箱管理)の中から、浴衣を出して着せてくれた。盆踊りより前に着る浴衣、夏休み前のおでかけ、なんだかとってもうれしかった。当時は、まだ匂いの強い防虫剤を使ってたから、「臭い臭い」なんて言いながら、仕度をしてくれてる母

      • 古い本に聴く

        資料室の書架整理をした。 古い本を閉架書庫へ移しながら、世代交代をした本の背表紙を追う。 穏やかな装丁、シンプルなフォント、少し黄みがかった小口、見てるだけでノスタルジックな気持ちになる。 気になった一冊を手にとりページをめくる。 控えめに届く古本の独特な匂いが、また懐かしさを誘った。 第一刷は一九八九年、「わたしが小学生の頃の本だ、母はこんな考えの時代に子育てをしていたのか」など遠い記憶に思いを馳せる。 いまはもう、人生を、日常を、昔話を気軽に話してくれる大人たちが

        • その内容、もうスルーできないんです

          広島県の「働く女性応援よくばりハンドブック」が炎上した。もはや、スルーされない内容だと理解がないことが、ジェンダーギャップ指数120位(2021年)を物語る。なんとなく、ハンドブック統括者は、少し前の世代価値観をもったままのような印象がした。ニュースで取り上げられた以外で、私が感じたのは2つ。 ひとつめは、まだまだ女らしさの呪縛に囚われた部分があるのではないか?は、前回書いた。その、これまで見えなかった女性の価値観や社会の意識の変化に対する気づきである。ゆっくりではあるが、

        23歳の愛猫へ

          「生きづらさ」の原因は、自分の中の「男らしさ・女らしさ」

          「生きづらさ」という言葉を聞かない日がないほど、その広がりには驚く。丁寧に見てほしい、職場に、まわりに、かつての笑顔を失った人はいないだろうか。多様化が叫ばれる今、「男らしさ・女らしさ」という言葉は、たしかに影を潜めた。やっと私たちは違和感のある抑圧から「自分らしさ」を手に入れた、はず。それが、おかしい自分らしく闊歩しているはずなのに、なんだか元気がでない。どうやら、言葉こそ消えつつあるが、「男らしさ・女らしさ」の呪縛に行くてを阻まられ生きづらくなっているようだ。 自分ら

          「生きづらさ」の原因は、自分の中の「男らしさ・女らしさ」

          結婚のメリット・デメリット!知っておきたい新しい結婚のカタチ

          「結婚式が挙げられない!」誰が想像しただろうか。コロナ禍では、多くのカップルが、予定していた結婚式を延期または中止するなど究極の選択を余儀なくされた。想像をはるかに超えた未曽有の事態は、憧れの結婚式さえも予想もつかない事態に追い込んだ。いま一度、婚活世代に向けて役立つ新しい結婚のカタチや結婚のメリット・デメリットを紹介したい。 ■結婚のカタチ結婚のカタチは現在さまざまなスタイルがある。法律の上で正式な夫婦となるには、「婚姻届」を市町村役場に提出し受理されれば成立する。一方で

          結婚のメリット・デメリット!知っておきたい新しい結婚のカタチ

          ひとり親の貧困「君たちにサンタは来ない」(朝田 寅介)

          シングルファザーなんて言葉が定着したのは、つい最近。ほんの数年前までは、その生活を理解する人はいないに等しかった どこに行っても冷たくあしらわれた、父子家庭の生活は、想像をはるかに超えていた この時代にテレビがない?寒さ厳しい真冬の北関東、小さな兄弟がシャワーだけ?月八万円足らずで父子三人の生活? これが、実話にもとづくライフヒストリー、生きる意味を問う。 最初に『君たちにサンタは来ない』(朝田 寅介 ヨシモトブックス)の広告を見たのは、 去年の夏、FACEBOOKの

          ひとり親の貧困「君たちにサンタは来ない」(朝田 寅介)

          人生に迷ったら読む本!絶望に寄り添う『絶望読書』

          最近 ちょっと寂しく感じたときに、 体の前で腕を交差させ、両肩を“ポンポン”と、自分でやさしく叩いてみる もう、50年も一日も休まず動いている体が 有難いと思ったり、 つらいことに耐える自分を労ったり、 母が亡くなり、自分のことを真から心配してくれる人がいなくなった 夫も去り 子ども逹は、思春期や青春真っ盛りだ そんなことも影響しているのかもしれない 人生をふりかえり、 この10年は辛かったなぁ~と思ったり… なんとなく、前を向けそうになり これまでの経験をアウト

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          脱!同調圧力、「共感」が生む差別と分断への気づき

          きたー同調圧力?きたきた、同調圧力? 「ママ、大ちゃん明日注射打つって!ぼくは?」 「ぼくは打たないの?」 きたきた、「みんな一緒がぼくはいい!」の息子が、帰宅そうそう問い詰める。幼児期からずっと一緒にサッカーをしている仲間が、一人二人と打ち始めたようだ。人一倍仲間意識が高く、思春期真っただ中の息子がゆれる。 「そうね、まだちょっと考え中…」 「え~なんで~」 まだ、接種をしていない。まわりはどのように決断しているのか?前代未聞の非常事態だ、明確にYes/Noの理由を答え

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          役立つ!3つのコミュニケーションとは?「話し方・態度」の癖と人間関係の対処法!

          「率直な意見を上手に伝えるのって難しい」 「丁寧に話しても、なぜか感じ悪くなってしまう……」 仕事でのコミュニケーションにおいて、「自分の意見を上手に伝えられない」と悩む人は多いのではないだろうか。しかし「自分のコミュニケーションの癖」を知っておくことで、その悩みは改善されていくのだ。 先日、専門家による、「コミュニケーションの講座」が開かれた。その備忘録として今回Noteに記録する。 人のコミュニケーションパターンを大きく3つに分けているので、「自分はどのタイプか」、また

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          私のこと

          三つの坂気づいたら全部失っていた! 20代、30代、40代、仕事・結婚・子育てと駆け抜けてきた。それが、50歳を過ぎ、家族が崩壊し、失業し、大切な母親を亡くし、希望を失うことになるなんて!  人生何が起こるかわからない、なんてよく言うけど、ホント、それは突然やってくる。「夫婦は他人」ってよく聞く言葉、今まで気にもとめなかったけど、今となってはしみじみ実感している。 確かに、私たち夫婦は、大分価値観が違っていたから、よくぶつかりあった。だけど、結婚生活20年も送っているし、

          私のこと

          排除者はつくりあげられ追放される!社会的遺棄の実態!お薦め本2冊

          『ヴィータ 遺棄された者たちの生』社会的遺棄される者は、家族や社会といったさまざまな制度のなかにある裂け目に、ただ滑り落ちたわけでない。いくつかの社会的文脈の新たな相互作用や並置のなかで筋書きが作られ現実のものとなっていくのだ。 そう、 排除者はつくりあげられ追放されていく… 正常とされる社会がつくられて、棄てられていくことは日常多々ある。 会社でも学校でも家庭でも… 『ベロニカは死ぬことにした』 平和で富める社会には普通さを複雑にすることでしか差

          排除者はつくりあげられ追放される!社会的遺棄の実態!お薦め本2冊