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(連載小説)「笑激内閣」第1話(全4話)

とある日の事だった。内閣総理大臣の大神義男は首相官邸にいた。彼が率いる大神政権は5年半も続いている長期政権で、大神の優しさやルックスの影響で人気は高く、国政選挙では3回も圧勝している実力者だ。
表向きは優しいが、時には厳しく、他国には少し重めな顔でいつも接している。でも外交では人気は高く、特にアメリカの大統領とは年に10回ゴルフに行くほどの仲である。
現在は第4次政権を担っており、次の国政選挙でも圧勝確実と言われていた。しかし、その官邸にてなにやら不穏な空気が漂っていた。
執務室でとある人物を待っていると、男性秘書が入ってきて

「総理。三上官房長官がお見えです」

「通せ」

少し重めの顔で言った。三上官房長官は大神政権の女房役とも言われ、大神の影で新たに「少子化対策」「年金改革」などの政策を進めてきて、それを成功した、かなりの実力者でもあり、大神の1つ先輩である。
三上は表向きは、人気や評判が高い人物だが、裏ではかなりの野心家で、いつかは総理大臣になりたいと思っているが、「影で支えた方が、何かあったら総理に責任を押し付けられる」と秘書にいつも言っているほどである。
今回は彼に一つ相談があったため、呼び出したのだ。しばらくして中に入る三上、少し心配そうな顔をして

「総理。どうかされたんですか?急に話があるって」

「うん。まぁ座ってください」

2人は対面で席に座る。2人きりで話はあまりないことに三上は少し緊張気味だった。それを見た大神は少し笑顔になり

「リラックスしてください先輩。あなたは一国の官房長官なんですから」

すると三上は慌てた表情になり

「そんな先輩だなんてやめてください。私は位は官房長官なだけで、あなたは総理大臣なわけなんですから」

「総理ねぇ」

大神は少し微笑みながら言った。でも三上にとってそれがどういう心境なのか分かっていなかった。すると、大神は三上に顔を近づけて

「実はな。俺、総理を休みたいんですよ」

「え?」

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