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翻訳機能との付き合い方

タブレットが生徒に一人一台行くようになり、1つ考えなければいけないことが増えました。

英作文をすると、以前は辞書を使っていましたが、今はGoogle翻訳などの機能を生徒は使います。自分の意見を書きなさいというタスクを与えると、生徒は日本語から直訳で英語にするもんですから、とんでもない英語ができてきます。日本語独特のいい回しはまだまだ翻訳機能でも難しいところです。問題点は以下の通りかと思います。

(1)ほかの生徒理解できない問題
仮にその表現が合っていたとしても、難しすぎて、他の生徒は理解できない。こんな会話がちらほら。

         「あれ、これどういう意味だっけ?」
         「これなんて読むの?」
         「わからない。翻訳したら出てきたから」 

(2) 再現性がない問題

また同じようなことを表現したくても、できない。また翻訳した表現がその生徒の力とならない。また文法の力がつかない。いつまでたってもexcitingとexcitedの区別がつけられない。

(3) 日本語の主語が特殊問題

日本語は主語が曖昧だったり、「〜は」「〜が」が主語ではなく、主題を表すことがあるので、その際に、間違った英語で翻訳される。例えば「宿題は疲れる」と入力すると、Homework gets tired.と出てきて、あたかも「Homework」という人物が疲れることになっている。

対策として、生徒に翻訳機能とのうまい付き合い方を指導しないといけません。

(1)最後にどんな力をつけてほしいかということを生徒と共有すること

 授業や今やっているプロジェクトが終わったときにどんな力をつけていてほしいか、どんなことができるようになっていてほしいかを生徒と共通理解しました。

「辞書や翻訳機能なしで、自分だけの力で○語以上で、自分の意見を書くことができる」という目標を設定すると、練習の時間は翻訳機能を使っても差し支えないけど、成績の対象となる作文を書くときは、翻訳機能なしで書くことになります。そうした時、教師の声かけとしては・・・
「翻訳機能使っていいけど、これだったら翻訳なしで、自分の力だけでいけそうだぐらいのレベルの英文を書こうね〜」

(2)読み手を意識させること

 書くからには読み手がいるわけです。生徒同士で作文を読み合ったり、相互評価しあったりすることが多いので、次のような声かけができます。

「今まで習った範囲の語彙や文法でないと、ペアやグループの人たちが理解できないよね〜!読み手を意識しよう!」

(3)普通の日本語から、英語にしやすい日本語にしてあげること

 生徒は普段使っている日本語をそのまま英語にしようとします。そのまま翻訳機能を使うとおかしな英語が出てきますし、例え正解だとしてもほかの生徒は理解できません。英語にできそうな日本語にしてあげることが大事です。

例えば、「留学経験があるので、英語がペラペラだ。」は「私は勉強したことがある 海外で それで、 私は英語を話せる 流暢に/上手に」で十分同じ意味になるでしょう。この作業を生徒と一緒にやります。


以上、翻訳機能との付き合い方でした。

結局、翻訳したとしても、その語彙や表現が自分のものとして自由自在に使いこなせるようになれば、それはそれでいいわけです。

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