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51 ミヤマヨメナの美しさ 赤塚さんへ 

赤塚さん
夏になってきましたね。出雲にいらっしゃるのですね。最初に出雲に行ったときに、あまりに大きな鳥居やしめ縄に驚いたことを思い出します。
それから、発掘がちょうどおみやさんのすぐそばで行われていて、巨大な神殿があったこと。そして、それが心御柱(しんのみはしら)や宇豆柱(うずばしら)だと後で知って驚きました。

昔ね。古事記のことをぼーっと考えていたことがありました。序文のことを。
ああ、ここにも宇宙の法則が書かれていて、本当のことは、多くの方がわかっていたんだなあ。それは天とつながりやすくする装置? 揺れたり、祈ったり、月を見たり・・・そんなことで本当のことを知るのかなあって、そんなことを、また会議中にぼんやり考えていたことを思い出します。
古事記の序文の部分です。
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ねえ、ちょっと聴いてくれますか?

そもそも、宇宙の初めの頃は、まだ、設計図に書かれた約束事からの知らせに、気が付くことができなくて、すべてはなんの秩序もないように思われるほど、ドロドロになっていたのです。
けれど、やがて気がついたか、気が付かないかそんなことすらわからないけれど、知らず知らずに深いところが、実はある目的に向かって、固くなっていったのです。
けれど、それがいのちあるものなのか、どんな形を目指すのか、そんなこともわからなくて、そのころは、名前さえつけようもなかったのです。なぜなら、動きというほどの動きもなく、やはり誰もどんなふうになっていくのかを知るものはありませんでした。

けれど、ひとつの塊からいつしか空気ができて、空ができ、その下には地面ができていきました。
そして、やはりそのひとつから、すべての祖となる三つのいのちあるものができました。
そうです。それが、すべてのものの最初なのです。
太陽が輝き出すと陰もできました。でも、それは太陽と陰だけではなくて、どんなものにも、二つの極と言ってもいい、流れができていったのです。
そして、やがて、あるものは知らず知らずに、すべてを生み出すこととなっていきました。
でもどうか勘違いをしないでください。設計図を持って生み出す力のある大きなものは、実はすべてのものに宿りました。神と言われるものが、実はすべてにあるのはそういうわけです。
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赤塚さん、赤塚さんは、笑うでしょうか? なんと会議中に、くすくす笑いたくなるのを抑えながら、こんなことを考えている人がいるなんて。

でもね、赤塚さん私いつも、小さい頃からそんなことを考えていたのです。だから、うーんと昔々の人が書いた聖書や古事記に、今、科学が信じている宇宙の始まりと同じことがかかれているなんて、なんて愉快なことでしょう。

そしてね、赤塚さん、イスラエルから帰ったころでしょうか? 伊勢神宮の神様と家の神棚の神様はおんなじ?と聴いたら、赤塚さんが、「分け御霊」という言葉を教えてくださいました。「神さまの魂はどれだけ分けたとしても目減りすることはないんだよ」って。すごくうれしくなりました。そして、人もまた、神様の姿と同じで、神様が宿っているんだよと。

それでも、私はやはり、伊勢神宮に自然と行きたくなります。しらやまさん(白山神宮)にも行きたくなるし、ありがとうございますと手を合わせたくなる。

誰もが、設計図に書かれた天の約束事に知らず知らずに耳を傾けられるように、作られているということは、すごいことで、ありがたいことですね。
花も虫も鳥も動物もみんなそう。

ねえ、赤塚さん、赤塚さんがよく教えてくださる「魚に水は見えない」という言葉を聞くと、私たちはいつも、サムシング・グレートの大きな愛の中で生かされていて、だいじょうぶなように支えていただいているということを忘れてしまいがちな自分を思います。
そうですね。サムシング・グレートも目に見えない。
目に見えないけれど大切なものがいっぱいですね。

モナの森の上のお寺の跡地には、今、ミヤマヨメナというミヤコワスレの原種が群生していて、それはそれはきれいです。
全体としての薄紫の絨毯はとても美しい。でも、ひとつひとつの花が見事に輝いて、美しい形を保ち、太陽に顔を向けてすくっと立つ姿は、ひとつひとつの命の輝きを思い起こさせます。きっと赤塚さんが教えてくださった「分け御霊」がここにあるから、こんなにうつくしいのでしょうね。
私はその姿を見ると、古事記の冒頭や、聖書のはじめての部分を思い出させてくれるような、いのちのはじまりを体が覚えている感覚になったりするのです。

赤塚さん、また映画に来てくださるのですね。どんなにかお忙しいのに、ありがとうございます。

それはもうあさって。ああうれしい。とってもとってもうれしいです。

ねえ、赤塚さん。宇宙は何に向かっているの?と質問を受けたことがありました。
私は、あなたが輝く未来のためにすべてがあると思うと、そう思って言いました。そして、目の前の一人の人を輝かすため、赤塚さんを、私を輝かすためにすべてがあり、そして全てがうれしい日のためにある。ミヤマヨメナも全体でも美しいけれど、一本の本当に美しいことに似ている気がするんです。

またね。もうすぐ会える。わくわくします。かつこ

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