読書感想文の話

こんばんは、カクノさんです。
もうすぐ夏休みですね。
(カクノさんは社会人という名の兼業主婦なのでそんなものはありませんが)

夏休みといえば宿題。
夏休みの宿題といえば、例の友と読書感想文。
今年も本屋さんには、さあこれを読めばいい感想文が書けるよと言わんばかりに課題図書が並ぶのでしょう。

読書感想文の「長さ」

400字詰め原稿用紙1枚とか5枚とか、学年によって規定枚数が違うんですよね。
よく「そんなに書くことないよ」という意見を耳にするのですが、カクノさんにはあまり「書くことないよ」と悩んだ記憶はありません。

何を書くか、内容(要はメインテーマ)を決めるのには時間がかかりますが、一旦内容が決まればだいたい規定枚数くらいは書けていた気がします。
5枚以内なのに3枚半くらいで終わりそうだ、となったら、適当なエピソードを加えればいいだけですし。
そもそも読書感想文のセオリーとして、「あらすじ→メインテーマについて→まとめ」という流れがありますが、この「あらすじ」を多少長くしてしまえば結構文字数稼げますしね。

そんな小狡い手法はさておき、読書感想文をはじめとする「字数が決まっている文章」で苦労するのには、2タイプあると思います。
一つは、既定の文字数が埋まらないタイプ。
もう一つは、既定の文字数に収まらないタイプ。

傾向と対策

どこかの受験本のような見出しですね。

文字数が埋まらないタイプ

要は、簡潔に書きすぎて字数を稼げず、「もう書くことないよ」となるタイプです。
この場合、エピソードを具体的に詳しく書く、修飾語を増やす、テーマを1つから2つに増やす(内容そのものを増やす)などの対策が考えられます。

必要な残り文字数が200~400字程度(原稿用紙半分~1枚分)なら、「修飾語を増やす」「エピソードの具体性を上げる」でだいたい何とかなると思います。

例えば、
「天気は雨。私は傘をさして出かけた。」
これを
「その日の天気は、朝から本降りの雨。私はうんざりしながら傘を手に取り、少しくたびれた鞄を濡れないように胸に抱えて外へ出た。」
こうするだけで、17文字が一気に60文字になります。各所に修飾語を増やすだけで約3倍です。
(完全に読書感想文の例文ではありませんが……)

必要な文字数が400字以上なら、エピソードを追加した方が簡単だと思います。
「一番印象に残ったのは~~という箇所です。なぜならば~~」
と書いていたのなら、その後ろに
「二番目に印象に残ったのは~~という箇所です。」
と書き足す。
さらに、先に書いた「一番印象に残った箇所の理由」に関連付けて「なぜならば~~」を書くことで、冗長さや取って付けた感を薄れさせることもできる気がします。

さらに、「印象に残った箇所」について関連する実体験があるならそのエピソードも書いてしまえば、独自性も出るし文字数も稼げます。
例えば、作品の中で友達とケンカをしたシーンがあったなら、自分の体験談をそこに組み込む。
「主人公が友達のタロウとケンカをして、その日の夜に後悔する場面を読んで、私も友達とケンカしたときのことを思い出しました。そのとき私は~~と思い、その後~~して仲直りをすることができました。」
こんな感じです。

文字数に収まらないタイプ

このタイプは、まず全体の流れを把握するのがいいと思います。
どの部分に文字数を使っているのか。どの部分が長くてどの部分が短いのか。バランスはとれているか。書き足りないのはどこか。

読書感想文に限らず、起承転結の流れやバランスが整っている文章は、読みやすく理解しやすいと言われます。
起承転結のバランスは好みにもよりますが、
「起:承:転:結=1:3~5:2~3:1」
くらいでしょうか。承が最も長く、起と結は短い方がいいらしいです。

読書感想文に当てはめれば、原稿用紙5枚分なら
「導入、あらすじ(起)」で1枚、「メインエピソード(承、転)」で3枚、「まとめ(結)」で1枚 くらい。
メインエピソードの文字数が足りないなら、サブエピソード(メインよりは少ない文字数で)を加えてもいいかもしれません。

文字数に収まらない場合は、この中でどの部分に文字数を割いているかを確認し、多すぎる箇所を削っていくのが基本戦法になるかと思います。
もし導入やあらすじ部分が全体の半分くらいになっているのなら、思い切ってあらすじを全カットするくらいでもいいでしょう。

あとは、「文字数が埋まらないタイプ」の逆の戦法をとります。
すなわち、修飾語や不要なエピソードを削る。文章は簡潔に書くよう心掛ける。
削りすぎて必要な流れを消さないように気をつけつつ、とにかくそぎ落とします。

もしもそれでも「書きたいことが多すぎてこんな文字数では収まらない!」となったら、割り切って書けるだけ書くのもアリだと思います。

読むのは大変かもしれませんが、物事にそれだけの情熱を注げるのは素晴らしいことです。
10枚でも30枚でも書いて、なんなら自由研究扱いにするのも(規定が許すなら)いいのではないでしょうか。
それだけの量の感想文を書けるなら、いっそ先生も何も言わないような気がします。
(気がするだけです。もし怒られても、カクノさんは一切の責任を負いかねます)

ところで

なぜカクノさんは「読書感想文の書き方」みたいな文章を書いているのでしょうか……?

文字数埋まらないタイプと文字数オーバーするタイプがいるよなあとぼんやり考えていて、それをそのまま書き始めたら……なんだか夏休みの宿題お助け記事のバッタモンみたいな記事ができあがっていました。
不思議でなりません。

ともあれ、文章というのは考えながら書くものでもありますが、心の向くまま、時には考える間もなく手の動くままに書くものでもあります。
感想文もきっと同じ。
本を読んで感じたこと、考えたこと、思ったことをそのまま書けばいいのです。

世の中には、読書感想文の書き方とか、セオリーとか、テンプレートとか、いろいろと転がっています。
それに従うもよし、そんなもの無視してパッションのままに書きなぐるもよしです。

そもそも読書「感想」文なのだから、「私はこういう感想を持った」で押し通せば何を書いてもいいのです。
異世界ファンタジー小説を読んで、「異世界は地球と違ってネットがないので、SNSの炎上もないしLINEグループの気まずさもないだろうから羨ましいと思いました」でもいいわけです。
読書感想文に正解も不正解もなく、本来は優劣の評価すら不要のはずです。
この国はまだ、思想や表現の自由は保障されているのですから。(少なくとも表面上は)

とはいえ、実際は「文章の書き方」「論理の追い方」「相手に伝わる書き方」などを学ぶための課題でもあるので、そういった「国語的な」評価がされるのは致し方ない部分もあるでしょう。

でもそれはあくまで「書き方」、フレームの話です。
内容自体には関係ないので、やっぱり何を書いてもいいはずです。
それなら自由に好きなように書いた方が、楽しくていいと思うのですが。


……と、現場の教師の方々に怒られそうなことを書いてしまいました。
カクノさんは教師ではないので、的外れだったり間違ったことを言っていたらすみません。

そういえば教師の方々も、夏休み明けの宿題の採点やチェックなど、きっとものすごく大変なのでしょう。
宿題を出したからには、しっかりチェックしないといけないですからね。
本当にお疲れ様です。

保育士さんも教師の方々も含め、人、特に子供と関わるお仕事をされている方は本当にすごいと思います。
私にはできないことを平然とやってのける(以下定型文)

冗談はさておき。

カクノさんは文章を書くのが楽しいので、そう感じる人が増えればいいなあと思います。
読書感想文が苦手な人や嫌いな人が読んで、「なんか役に立ちそうで全然役に立たないな、でもちょっと気が楽になったわ」とか思ってくれたらちょっと嬉しいです。

では、また。

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