第61回宣伝会議賞コピ写⑤

前回↓

間が空いてしまいましたが続き。
息継ぎをしながらのんびり味わいましょう。

ここ、必ず人生に出ます。

「ここテストに出るぞ〜」からの着想だけど、台詞にしていないので「金融リテラシー」というかっちり感が失われていない。
挟まれた読点は該当箇所を指し示されているような情景を写してくれる脳内イメージ用の間。

個人的には「必ず」を入れたことに意外性を感じました。「絶対お金は使うのだから勉強して損はない」ということの強調だと思うのですが、「ここ、人生に出ます。」の方がどっしりシンプルに気持ち良い気がして、私の感覚がずれているのかしら、考慮不足かしら 等、誰かと答え合わせをしたくなるコピーでした。

「誰かが」やるのではなく、「誰かと」やる。

ギクッとするコピー、好き。
心の奥底にある他力本願を見透かされているような、それでいて切り捨てないで「今からでも遅くないよ」と手を取ってくれるような一言。

これを見て、自分の書いたコピーはどれもひとりぼっちだったなと。ここで個人プレー至上主義の人間性が出てしまったかと反省している。

「正しいとわかっていてもファーストペンギンになるのはちょっと…」
人間、特に「出る杭は打たれる」なんてことわざがある日本ではこの心理が濃く、行動を促すのであれば「あなただけじゃないよ。一緒にね?」の前提が必要なのだと感じた。

スマホの充電と同じくらい、
水分の減りも気にしなきゃ。

目に見えないものを可視化するコピー。
油断したらすぐに減っていくことと、こまめな水分補給の大切さがよく理解できる。

スマホの充電という着眼点までは辿り着いたが「2%」に囚われた人が多かったのではないだろうかと思った。具体的な数字でイメージをクリアにすることは大切だが、体内の水分という特性上、「2%ってつまりはどのくらい?」と結局わかったようでわからなくなって受け取って欲しいことから気が散ってしまう。そこであえて数字は出さず、「それくらい気にしてね」に留める戦略もありなんだなと目から鱗だった。

ちなみに私は充電という入り口すら見つけられていなかったです。未熟

「べきだ」や「してください。」ではなく「しなきゃ」というのがほどよい軽さと距離感でいいなと思った。上段と下段の文字数が同じで収まりが良いのも美しい。

決断以外はお任せあれ。

「やられた!」が第一印象。
「じゃない方」にスポットライトを当てるとこんなにも興味をそそるのか。「どういうこと?」と心がそちら側を向くのか。

「お任せあれ。」と言っているのに例外をあげているおもしろい違和感。

でもたしかに、「掃除洗濯は任せて」より「料理以外は任せて」の方が頼もしい。
可能より不可能の証明の方が困難であるように、人は可能を提示されると見えない部分に疑心暗鬼になるが、不可能を提示してもらえるとそこ以外の全てをポジティブに受け取れるのかもしれない。

めちゃくちゃでかいことを言っているはずなのに謙虚さと誠実さが出る不思議で、このコピーの視点は是非とも自分のものにしたいと思いました。


お前が?と笑ったやつに、お前が?と感心された。

全く同じことばが真逆の感情で繰り返されることに逆転ホームラン人生のドラマを感じる。

挑戦心を駆り立てるには、一旦逆撫でしてなにくそメーターを上げたところで明るいビジョンを見せること。「やってやらぁ!」の心が湧き上がってくる一言。

見返したい、ちやほやされたい、認められたい、羨望を浴びたい。人間のドロっとした欲望は野心と呼べば美談のプロローグになる。

二行に分けないことで踏み出した先にある未来の感じが出る。


今日はここまで。
いやあ、長いですね。笑

一課題50本も出せるのにオール手癖で書いていたので、色々な人のコピーを落とし込んで自分のものにして、今年は戦略的に多角的なアプローチをしようっと。見れば見るほど書きたくなる。


やっぱり言葉が大好きだーーー!!

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