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13冊目(お金のために働く必要がなくなったら何をしますか?)

ある、読書会を主催している友人からの薦めで本書を手にとった。お金のために働く必要がなくなったら何をしますか?という本ではベーシックインカム(基本的な収入)をテーマに扱っている。

ここでベーシックインカムとは、個人が生活していくのに必要な収入ということである。日本でも馴染み深いのは憲法第25条でもある「必要で文化的な最低限どの生活」という記述がある。

何のために働くのだろうか?スイスにはこんな言葉が書かれた世界最大のポスターがある。
What would you do if your income were taken care of?

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引用:http://jp.xinhuanet.com/2016-05/18/c_135365449.htm

人々が無償でお金をもらう様になったら働くのをやめるようになってだらける人が大量に発生するのではないか?そう考える人は多いそうである。実際に北米政府の実験で5つのベーシックインカム的な制度を導入する実験を行った。合計1万世帯へインカム制度を導入したところ「全く働くことがなくなる人が大量に出現する」という現象は起きませんでした。代わりに「参加者の健康が上がる」現象がみられたそうです。別の実験では、より低額な資金での実験をしたところ「コミュニティへの意思決定への関わり」「女性の発言力の増加」「短期的な経済活動から長期的な経済活動への増加」がみられたそうです。

また本書ではAI技術の側面でも語っています。200年ほど前にイギリスで「ラッダイト運動」と呼ばれる職人が機械を破壊する運動がありました。職人が機械に仕事を奪われるのを危惧していたからです。実際に産業革命に伴い、多くの職人が仕事を失い、労働環境の改善を求めて打ち壊し運動が数多くおきました。法律も曖昧ですが結局現在は、進歩した技術を使っています。つまり歴史から学ぶと人間の役割は変わってきて、時代に合わせた生き方が必要になってきます。現在でもネオ・ラッダイトと呼ばれるAI技術やIT技術を促進させないようにする働きがみられます。このような雇用機会の移り変わりに対してどうしても失業者が発生するのは歴史上やむを得ないことだと考えると、ベーシックインカムの制度は非常に有意義なものなのではないでしょうか?

財源として今提案されているのは「所得税の定率50%UP」や「環境税」「トービン税」など新しい税の導入をすることが検討されています

現状すぐにこのベーシックインカムを実現させる!!というのは現実的でないのかもしれませんが、このコロナの状況も考えると早く導入されたら嬉しいなと思う制度でもあります。


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