vol.73 『新たな文明の誕生』

角田陽一郎のメルマガDIVERSE vol.73 2021年5月26日Full Moon
『新たな文明の誕生』

ユニバースUNIVERSE(単一の世界)からダイバースDIVERSE(多元的な世界)へ
多視点(バラエティ)でみると、世界はもっと楽しくなる。
それが角田陽一郎の考えるバラエティ的思考です。まさにいろいろなことをバラエティに多元的に多視点で紐解くメールマガジンです。


■Cm■「太陰太陽暦」

おはようございます。今日は射手座の満月です。アメリカではストロベリームーンと言うそうです。ちょうど苺摘みの季節だかららしいです。ただ今年は皆既月食になるらしいので、本当に赤き月が見られそうです。皆既月食は夜8時頃だそうですが、晴れてるといいななんて思っています。
ちなみにこのメルマガは月の満月と新月に発刊していますが、そもそも5月とか6月といったふうに、一ヶ月という単位をを30日くらいでまとめて管理するのは、僕らの生活がそういう暦というオーダーで形成されていることを意味していますよね。
拙著『最速で身につく世界史』で書いているのですが、四大文明、エジプト、メソポタミア、インダス、黄河、と学校で習ったと思うのですが、僕らが普段使っている暦、太陽暦は1年を太陽が一周する約365日で管理するオーダーですよね、これはエジプトで使われ出したそうです。なぜかというとエジプト文明の礎であるナイル川は、毎年決まった時期に氾濫するので、その周期を管理し、予測するために、1年を太陽の周回に合わせて管理するほうが、毎年いつ氾濫が起こるか予測しやすかったためだと言われています。
では月の満ち欠けで暦を管理するのは、どこで始まったかというとメソポタミア文明だと言われています。それは、メソポタミア文明の礎であるチグリス・ユーフラテス川はナイル川と違って氾濫が不定期だったので来年のことを考えている場合じゃなかったからと言われています。
またエジプト人の中で何代もの王朝が入れ替わったエジプト文明と違い、メソポタミア文明の起こったいわゆる肥沃な三日月地帯は、いろんな民族が入れ替わり立ち替わり侵入してくるので、それこそいろんな人たちの諍い争いが絶え間なかったと言われています。そしてそんな中で争いを少しでも無くすためには、人と人とが約束を取り決める必要があります。それが契約ですね。そしてその契約は、記録として残す必要があり、それを粘土板に彫って記録を残したのが楔形文字の始まりと言われています。そしてその記録に大切なことは、その契約がいつ取り決められたかを、はっきり残しておく必要があるのです。そのために月の満ち欠けを運用した暦で月日を確定するようになったらしいです。
現代では、その毎年の季節を意識できる太陽暦をメインに、太陰暦のオーダーであった一ヶ月=約30日という「月」という概念を利用して1年=十二ヶ月でスケジュール管理されていますね。なので太陰暦は使用されていないので、毎月の日にちと、実際の月の満ち欠けはリンクしていないのです。
そして30日というスパンだけでは、何かを決めるのも、毎日ルーチンワークをするのも。長すぎて使いづらいので「週」=7日と言うオーダーも採用されていますね。この7日間と言うのはキリスト教の神がこの世界を作った7日間に、紀元があります。7日目は神は休息されたので、僕らの1週間も最後の日曜日は、休日になっているのです。そう考えると一週間の始まりが日曜日バージョンと月曜日バージョンの二通りの手帳があると思うのですが、やっぱり働いたのちに、最後の1日は休みましょうよという、月曜日始まりの週暦が本来の考え方なのでしょうね。
と、ここまで長々と暦という僕らの生きる上でのオーダーの説明をしてきましたが、ボクが何を言いたいのかというと、そのオーダーはあくまで、生きていく上で行きやすいように、長年人類が使ってきただけなんだっていうシンプルな事実です。そしてその取り決めが、現代のボクたちの実際の生活にあっているのか?と言う疑問がボクにはあるからなのです。まあ、そういう疑問があるからこのメルマガを満月と新月に発行しているわけでもあるのですが。


■Dm■「皆が生きやすい文明を夢想する」

話を整理すると、ボクの疑問、というか現代の暦の使いにくさで言うと、
まず、何回も言っているように、
1、月の満ち欠けと、毎月の日付がリンクしていない違和感。というか生理的不快感。
やっぱり朔日は新月であって欲しいし、ちょうど月の真ん中は満月であって欲しい気がします。

2、1年の中での春夏秋冬の変化の変化
どんどん暑くなってきましたが、ボクは思うのです。この日本では、夏が今や1年の半分あるんじゃないかと。どう言うことかというと、体感気温で言えば、
春、3月、4月
夏、5月、6月、7月、8月、9月、10月
秋、11月、
冬、12月、1月、2月
こんな実態なのではないかと思うのです。今や秋は11月のひと月しかない、みたいな違和感。だとするとその季節感覚を表現するような新たな暦が必要ではないかと。

3、1週間=7日間と言う中途半端感。
7日間でまとめるって、なんか使いにくくないですか?十進法に従えば、10日間がワンサイクル、あるいは半分の5日間とかがちょうどいいような気がします。まあ月の満ち欠けのサイクルが14日〜15日なのでちょうどその半分=7日間と言うことなら、まあ納得はしますが。でもそうであるならば、ますます1の疑問が、より突出してくるのです。

さらに、3に付随して、
4、週休2日制が定着している中、もっと使いやすいライフサイクルがあるのではないだろうか?
と夢想してしまうのです。
さらに言えば、現代に置いて、5日間働いて、2日間やすむと言うライフサイクル、ビジネススタイルが果たして最適なのか?と言う疑問もあります。

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