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転職活動中の些細な幸せ。

平日の昼間から、都内のお洒落タウンにて、友人とランチをした。

そのお店は、友人が見つけてくれたカフェで、パンを使ったランチが美味しかった。
食べる所は2階にあり、1階には、手作りのパンやジャムの他、素材にこだわった洋服や、月毎にイメージされた、アルコール不使用のアロマスプレーも販売されている。
内装もユニークで素敵。

転職活動中の身で出来る贅沢は、平日のランチぐらい。
土日は混むであろう店に、平日に行けるのは、とってもお得だ。

綺麗なピンク色の、優しい甘さのビーツのスープを啜りながら、私は友人に、転職活動の状況を伝える。

「一応、1社内定があるんだけれど…。そこのお仕事は、覚えたらすぐに退屈しそうで…。だから、今結果を待っている金融系の会社に内定貰えたらな〜、と思ってる。」

「わー!そっちに内定貰えたらいいですね…!祈らないと…!受かりますように…!」

目の前で祈る友人を見て、そう言えば、願かけなんて随分していないな〜、と考える。

そもそも、自分の為にお祈りした事など、無いかもしれない。

受験を控えた冬、学業成就で有名な地元の神社で御守りを買って来てくれたのは、確か親戚だった。もちろん私は、家で猛勉強。

今年の夏、久々に両親の実家に帰省した。亡き祖母のお墓の前で最初に願った事は、病気が見つかった恩人が長生きしてくれる事だった。

人は案外、自分の為に何かを願ったりなど、しないものらしい。

そう言えば先日、婚約したばかりの友人がこう言っていたのを思い出した。

彼は、相手の方とお付き合いする少し前、初詣で「今年は彼女が出来ますように」と祈ったらしいのだ。
「お願いするって、大事よ。」

私の就職が決まる事を願ってくれた友人を前に、確かにお願いって大事かもしれない、と思った。

何か叶って欲しい事があって、それに対して具体的な行動としては手を尽くし、後は待つだけ、という状態の時、お願いしてみたっていいのだ。別に、甘えなんかじゃない。

ランチを終えて家に帰り、先ほど現金を下ろした時の明細の裏に、書きつけてみる。

「〇〇社とご縁がありますように。」

本棚の一角を神棚だと思うことにし、そこに願いが書かれた紙を載せる。
もっと目立つようにしようかと思ったけど、万一同居中の弟に見つかっては恥ずかしいので、そこまではやめた。

それにしても、幸せだと思った。
自分の願いを誰かが祈ってくれるということが。
そういう人が、自分の身の回りにいてくれるということが。

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