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今こそ悪しき「年功序列」。

バブル期からの長い経済低迷期を経ていつの間にか令和になり、コロナ禍という特殊な環境の中、「飲みニュケーション」と言う言葉も絶滅しつつある。

会社の飲み会、上司に連れられて行く飲み会、相手先企業の会食。

どうしても、"悪"の如く見なされがちだけど、私は、これはこれで、社会の潤滑油になっていたんじゃないかと思う。


会社の飲み会と言えば、昔は費用も会社負担だったし、上司に連れられて行く時は、大抵上司がご馳走してくれた。


20代の給料では行けないような店や、グルメな人じゃないと知らない評判のお店に連れて行ってもらうこともあっただろから、食費やお酒代が浮く上に、一流の味を覚える事も出来た。


給料が低いのは我慢ならないし、上司や相手先との飲み会は気を遣う事も多いけれど、得られるものも多い。(そうじゃない場もある事は承知仕手ますが。)

それに、今給料が低くても、昔の若者には、自分も働き続ければ、今の上司と同じような給料が貰えると言う確信もあった。

上司も上司で、働いた分に対して給料が高いとは言え、部下にご馳走するお金、ローン、教育費と出費が多いから、若い世代と比較して、ことさら得している訳でもなかった。

つまりは、バランスが取れていた。
若手は、給料分以上の恩恵を受け、中堅世代は、給料から若手に対する還元をした。

お金だけで見ると不均衡でも、そこにはある種の均衡がとれていたのだと思う。

精神面でも、今は会社内でプライベートな質問をし合う事はご法度のような雰囲気があるけれど、昔は飲みの席でお互いの身の上話をする事で、色々ありつつ励まし合いながら、孤独にならずに生きて来られたのだと思う。だから長らく日本の企業は、こういう体制が続いていた。


ところが今はどうだ。

物価の上昇に対する給料の上昇はなく、私たち20代にとっては、年金も退職金も、絶望的となった。
車も家も買えず、家族を養うお金も危うい。

必死こいて共働きして、節約しながら暮らす事がデフォルトになった。

それでも多少は、年功序列の名残りが残り、今の40代、50代以上は、まぁ何とかそれなりの給料を貰ってはいるけれど、飲みニュケーションが途絶えた今、中堅世代から若手に還元されるものはない。(もちろん、飲みニュケーションだけが還元の場ではないが。)

私たち20代は、何の恩恵もなく、寧ろ物価の上昇で苦しめられる生活に、今、ギリギリの所で耐えているのではないか。

こういう状況で、転職を繰り返す人がいるのも、半ば色んな事を諦めて消極的に生きてしまうのも、当然の帰結ではないか。

平成の世では、老朽化した建物に、静かにヒビが入り始めただけだった。

今、その建物が、あちらこちらで、音を立てて崩れ始めている。

破壊は、再生の始まりだ。

変化の時だ。

この大変化を、世の中の再生を、戦争や権力争いのような、人々に暗い影を起こすような出来事ではなく、人を含めた自然が、本来の姿のまま成長していく方向で迎えよう、必ず。

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