ケネス・ブラナー『ベルファスト』

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映画『ベルファスト』のレビューを書きました! https://filmarks.com/movies/98956/reviews/131166045 #Filmarks #映画

まさかケネス・ブラナーはロシアのウクライナ侵攻を予想してはいなかったろうけれど、コロナ禍の困難という現況を凝視し、克服する気概をもって産み出したオートフィクションは、時宜を得たメッセージ性を帯びた作品に拡大変容した。
期待通りの仕上がり。100分でこれだけの深淵まで描けるということを証立てた、ケネス・ブラナーの齢と経験とによって磨き上げられ熟成した力量に喝采を送りたい。台詞のいちいちに感嘆し、ブラウン管から流れ出す名作や映画館で家族みんなで高揚する至福の瞬間の描出には同世代として深く納得させられるばかり。スクルージとマーレーの劇中場面でさえ胸奥を揺すぶられた。祖父がニール・アームストロングの「one small step for man one giant leap」をさりげなく踏まえながら孫の主人公に語る場面や、主人公がマイティー・ソーを面白いと読み耽っていたりするあたりには含蓄と遊び心があって、観終わって、こうしてあれこれ思い返してていると時間の経過とともに作品への愛着が、どんどんと深まっていく。ベルファストゆかりのミュージシャン、ヴァン・モリソンの起用も大成功。英国の至宝、ジュディ・デンチ演じる祖母が終幕で呟く言葉には胸締めつけられる。
ケネス・ブラナーが取り揃え並べた全てをしかと受け止めるためにすぐもう一度観に行きたくなる佳品、より多くに彼の思いの丈を受け止めて貰いたい。
#Sir Kenneth Branagh#Belfast

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