ネタバレ:「東京タラレバ娘」3~6巻の個人的に面白かった部分を箇条書きして分析3/3

「行動原理や何をしそうかが謎だが、物語において力を持っているキャラ」への興味・期待
・KEYの主人公への執着の謎がかなり強い引っ張り(この筋が無くてただのダベる話だったらつまらなかったってレベルに大事)
・先生であり妻でしたという振りの期待感
・KEYの謎が明かされるのでは?という期待
・なんだかんだKEYがタラレバ娘を助けるという、読者にとっての謎
・眼鏡の男ともっかいやり直そうぜって感じになったところでやっぱりKEYがいる
・振り返るなと後押しされて帰る香
・KEYが田舎の仕事を主人公に渡す

全部KEYのことである。前回のキングダム分析でグルーピング難しかった王騎将軍の案件、これな気がする。ただ謎を持ったキャラを作ればいいってことではなく、主人公や読者目線のキャラに対して(物語に対して)大きな影響力を持つことが重要だろう。あと、「根はいい人なんだろう」というところと「芯の通った価値観があるんだろう」という部分を見せておかないと、やべえやつで終わる。

応援したいキャラの(社会的な)生死が相手に委ねられる・ジリジリと場所を失ったり(精神的or物理的)追い詰められる→リアルにこれからどうするんだろう?なピンチ感
・妊娠した?からの彼の反応一挙一動にビビる
・KEYに恋愛できないと言われる感じ(恋愛対象に見てたからこそ主人公に刺さるというわりとハイコンテクストなセリフな気がする)
・KEYに恋愛できないと言われる理由が割と正論なので追い詰められる主人公
・マミちゃんのストイックさというか、ぶっ飛んでるが合理的な感じに追い詰められる主人公
・浮気がバレた小雪
・サードだとわかった香

この作品の読ませる力は上とこれの2つだと思う。ファンタジーだと生死で危機がわかりやすいが、現代舞台の作品だと、社会的な居場所を喪失しそう/人生単位の悩みに正論を突きつけられる/自分の今までの価値観が揺らぐ/心の中での存在感が強い人からの裏切りとかでの危機があるかな。読者も同じように「どうしよ…」「どうするんだろう」と思って、解決されるページまで早くめくりたい、みたいな感情が沸き起こるのかな。

キャラにとって(読者も一緒に考えてしまうような)究極の選択
・映画好き彼氏と合わない迷い
・合わない彼氏とやっていけるか?の問い、読みながら読者も考えてしまう
・クールな小雪だけど、バレたあとの感情を感じる。その前のこれで終わりにするという葛藤をちゃんと読んでたからかな。

正直、結論はどうでも良いんだと思う。キャラが選択を迫られたときに、読者も同じように考えられることが大事なのではないか?ある意味ピンチと同じで、一緒に迷うこととか、一緒に考える体験を読者にさせられたら、それはもう読者が入りこんでいるということ。どっちにするんだろう?って答えを早くめくりたくさせる的な。

物語への期待感
・ドキュメンタリーで撮ることが何につながるんだろうという期待感

「KEYのことが知れそう」という期待感なら一番上のグループだったかも。ただ個人的にここを読んだときは、KEYというよりもっと大きい物語自体が大きく動く大事件に転換しそうという印象だったので。

単純に尊敬できるキャラの凄さ/ぶっ飛んでる感
・マミちゃんのできる子感
マイナスがゼロになるカタルシス
・主人公倫子が仕事への熱を取り戻す

作品冒頭より倫子の状況が良くなりそう!という雰囲気よりは、熱を取り戻した、という感じなのでマイナスからゼロという感じ。ここでプラスまで振り切って仕事バリバリうまくいくキャリアウーマンになっても、違う話になってしまうだろうし。

キャラならではのギャグ
・コロコロを持って飲み叫ぶ香

ナチュラルに笑った細かいギャグ。ここで香に対してコロコロ女というツッコミどころができた瞬間。あいつといえばこれ!みたいなツッコミ部分ができると、知らない人が見てもわかりやすいしキャラに愛着わきそう。ただしキャラ本人からしたら不本意なくらいが面白いと思う。なんかもっといい例があるはずなんだけどぱっと思いついたのが、やしろあずきと三角コーンみたいな。

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