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息をするのも忘れてしまう人たちへ

 先日、X(Twitter)でみんな呼吸するのを忘れてますよ!というお話を短めに書かせてもらいました。短めに書いたというのは実は不本意で、書き始めたら結構な文字数になってしまい途中で断念したのでした。

 ありがたいことに、前フリだけみたいなそのポストを読んで、もう少し聞きたい!というお声をいくつか頂きました。そんなこと言われるとうれしくてすぐに木に登るタイプなので、今日はそのお話を書いてみようと思います。

 そもそも呼吸を止めてる!? とか、私が!? みたいな反応をされる方もいて、まるでそんな日常に気づいていない方もいらっしゃいます。

 逆に、私よく息を止めてます! と自分で気づいている方も何人かいらっしゃいました。

 しかし、どちらの人たちもそれがカラダに及ぼす影響についてはよくご存知ない様子だったので、そのあたりのことを書いてみようと思います。

 これを読んでいただければ、日常のモヤモヤ、イライラなどを減らせる鍵がわかると思います。ぜひ最後まで読んでみてください。

呼吸がしてくれていること

 今さらですが、呼吸って何のためにしているかわかりますか?そんな質問から入ると、馬鹿にすんなー!と怒られそうですが続けます(笑)

 おそらく多くの人がイメージする呼吸は、鼻や口から息を吸って、吐いての呼吸ですよね。いわゆる肺呼吸というやつです。そして、その呼吸で何をしているのかと言うと、新鮮な酸素を血液に乗せてカラダの何十億個といわれる細胞に届ける役目を担っています。

 そこで実はもうひとつの呼吸が行われます。ヘモグロビンという船に乗せて運んで来た酸素を細胞に受け渡す際、二酸化炭素が使われます。酸素という積荷を下ろす”人夫”のような役目です。この細胞での受け渡しのことを細胞呼吸と言います。

 この2つの呼吸が十分に行われて初めてカラダは健康を保てるしくみになっています。

呼吸に自信のある人は少ない

 細胞呼吸がうまく出来ているかどうかは正直なかなかわかりませんよね?ならば、肺呼吸はうまく出来ていますか? と聞くと、7、8割の人はノーと答えます。これは日々、私がクライアントの方々にする質問なので長年のリサーチの結果として書いています。

 多くの人たちは自分の呼吸が浅いという自覚があるようです。そして、たくさんの人たちのカラダを見てきた私からもそれは間違いないと太鼓判を押せます。それを何で判断するのかというと、背中の丸い姿勢や肩こり、首こり、冷え性など、他にもいくつもある症状です。それらはすべて呼吸が浅いことによるもの。

 そして、確定診断するためにあるテストを行います。それは何秒息を止められるかというチェックです。簡単なので今すぐやってみて下さい。普通に息を吐いた後、そこから何秒息を止めていられるか?30秒未満だと呼吸の浅い人です。

吸って吐いてのバランスが大事

 呼吸は酸素を吸って、二酸化炭素を吐く。これは誰でも知ってますよね?そして、多くの人が酸素が大事と思ってる節があります。酸素がないと死んじゃうーみたいな単純なイメージなのではないかと思っています。

 だから、深呼吸などの際も一生懸命に吸うことを意識する人が多いです。知らず知らずのうちに人はたくさん吸っていて、同じ量だけ吐いていないのです。それを助長するのが浅い呼吸です。

「呼吸が浅い=呼吸の回数が多い」

 量を回数で補うということです。そして、ここが多くの人がご存知ないこと。

1回呼吸をすると吸気の125倍の二酸化炭素が吐き出されます。(出典:ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来の特別授業 病まないための細胞呼吸レッスまないための細胞呼吸レッスン

 根来博士の研究ではっきり示されているのですが、浅い呼吸で回数が増えると、吐き出す二酸化炭素が増える一方になります。すると細胞でヘモグロビンから酸素を受け渡す際に働く”人夫”が足りず、細胞に十分な酸素が届かない、つまりは酸欠状態になってしまうのです。

 その結果として起こるのが、カラダのだるさや疲労、肩コリ、冷え性などの症状なのですが、そもそもこの浅い呼吸を生み出す原因は日頃の生活スタイルにあると私は考えています。

頑張るのが好きなんですよね

 呼吸が浅い、呼吸の回数が多いは、交感神経を優位に働かせます。念のため言っておくと、交感神経は活動時に働く自律神経のひとつ。その対局が休息時に働く副交感神経。息を吸うこと自体が交感神経を優位にし、息を吐くことで副交感神経にスイッチします。

 しかし、現代人は基本的には圧倒的に1日中交感神経のスイッチがONの状態。今や時代は男女の区別なく、朝から晩まで仕事に育児に介護にとフル回転。睡眠時間も世界一短い日本人は息つく暇もなく、緊張しっぱなし。そりゃあ、気づいたら息も止めてますよ!瞬間瞬間、1日に何回も。

 そんな心身状態でさらに1日中パソコンの前で仕事をしているような人なら背中を丸め、わざわざ呼吸を圧迫するよな姿勢で働き続けるわけです。どこをどう切り取っても理想の呼吸には近づくはずもないですよね?

 そこまで自分を追い込んで、頑張るのが好きなんですよねー! 頑張るのが美徳のお国柄。どんな生き方を選ぼうが自由ですが、健康を害してまで頑張ることに価値はあるのでしょうか?

理想の呼吸を手に入れるためにできること

 もはや呼吸が浅いのは我ら日本人を表す特徴と言っても過言ではないほど。でも、何とかしたいですよね? したくないですか? したくない人はここで閉じていただいても構いませんけど……

 なんとかしたーい!という方は、ぜひコレをやってみて下さい。それは、448呼吸。これは前述の根来博士が推奨している呼吸です。

 至ってカンタン! 4秒吸って、4秒止めて、8秒吐く。すべて呼吸は鼻で行います。ついでだから言っておくと、呼吸は鼻でするのが当たり前。口は呼吸器ではないので。

 呼吸は吸った時間の2倍の長さで吐くってよく聞くと思います。長く吐けば吐くほど副交感神経が優位に働きます。そして、4秒止めるところがポイント。いつも人手不足に悩む細胞呼吸の現場に”人夫”を増やすためですね!

 私個人的には秒数はこれじゃなくてもOKですが、ここは根来博士に敬意を評してこれでお薦めいたします。

 ということで、息をするのも忘れて頑張る人たちに、今日は私から呼吸のお話をさせていただきました。本当はX(Twitter)でこのポストをした時に、お伝えしよと思っていたことはまだ他にもうひとつありました。

 それは近々もっと違うカタチでお伝えする予定です。今日のこの記事を読んでいただいて、もうひとつも知りたいという方がいらっしゃるようでしたらコメントいただければと思います。そしたらまた、すぐ木に登ると思いますので(笑)

 今日も読んでいただきありがとうございます。


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