見出し画像

【詩】この世界の片隅の恐竜

もしも
この世界の歴史上
ずっと昔の片隅に
小さくて草食の
恐竜がいたとしたら
その恐竜は
文字面的に
恐い竜になってしまうのでしょうか

きっと大多数の現代人は
「恐い竜だから恐竜でしょ?」
「恐くなかったら恐竜なの?」
「大昔で情報が少ないからさ」
「恐くて当然っしょ」その他

悪気がなくても
言ってしまうのでしょう

知らないものは恐い と
それは人類に 古くから
遺伝子に刻まれ
疎まれるものは
疎まれてしまうようです

実はその恐竜
私の頭の中に
既に 存在しています
目がかわいいんですよ


そういえば
図鑑にあったんだよな
どこだったっけな
ちょっと待ってね
急いで探してくるから

ドタバタドタドタ
カッカッカッカカ
(はしごを上って5秒ほどの探索)
グラグラ グラグラッ
ドンガラガッシャン!
ズデーン
パッパッパッ
パタパタパタ

はいあったよ
「ありがとう」
ペラペラペラ
これこれ
やっぱり目がイチオシだね

もしも
そんなことはないと思うけれど
おそらくきっとないと思うけれど
奇跡的に
小さくて草食の
ほんとうは恐く
ない恐竜が
あなただったら

サアッ
(風の音)
キラキラキラキラ

ずっと遠くの未来の地で
何があっても
時代を超えて
大昔の鮮やかな青空にも
沈黙の風は吹いています



他関連リンク↓



おわり

この記事が参加している募集

私の作品紹介

あなたに、この記事が読まれたことが、何よりのサポートでございます。