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懐かしい痛み

少し前、夜中に耳の中が痛くて起きた。蒸し暑さと、痛みによる熱で嫌な汗が滲んでいた。

これはあれだ。“中耳炎“だ。どうしてこの歳になってぶり返すのか。

さらに耳とは関係ない部分も調子が悪く、喉の痛みと鼻も若干の不調、変に唾が出まくって不快の極み。
1時間おきに起きてはえづき、保冷剤で首筋を冷やすを繰り返していた。


初めて中耳炎になったのは小学1年生の頃。学校のプールの水が耳から抜けきっていなかったのが原因で発症した。
それ以降クセになったのか、小学5年生までの間、年1回ペースでかかった。
中耳炎は膿が鼓膜を圧迫するせいで痛みが出る病気。
筆者は鼓膜に穴をあけて膿を吸い出す治療を受けていた。それも小学3年生の頃には(少し気持ちいいかも・・・?)と感じるぐらいにはなっていた。
どちらかといえば、それ以前の耳に麻酔をする工程の方が嫌だったな。

小学6年生で「今年はならなかったね」とお医者さんと安堵し、その後は一度もかからなかった。今日に至るまでは。

痛いまま朝を迎え、病院を予約。時間まで待っていると、夜中の疲れで寝落ち。
その結果痛みは落ち着いたものの、今度は聞こえ方がおかしくなる始末。
穴は開けずに投薬で対処することになり、処方箋をもらい薬局へ。


薬局に入ると、小さい女の子とその母親がベンチで話しながら待っていた。
「あとでなんか飲もっか」

・・・その女の子がどういう症状かは知る由もないけど、かつての自分と勝手に重ねてしまう。
薬局のショーケースには大体、パックのゼリー飲料だったりオロナミンCだったりが片隅に置いてある。今回の薬局も例に漏れずだった。

待合椅子は薄緑だったような。ぶどうとりんご味のゼリー飲料があって、オロナミンCか小さいポカリも置いてあったような。
「なんか飲む?」って母はよく聞いてきてたな。
呼ばれるまで自然と昔通っていた耳鼻科・薬局の風景、母とのやりとりを思い出していた。


病院に行った次の日には、もう痛みはほとんどなくなっていた。
その日は早朝に母と妹がオープンキャンパスに出かけるため、見送りに付き合った。

「いやぁ、あんた大丈夫かい? どっちの耳よぉ」と心配してくれる母。
10年以上前にもしたであろうやりとり。母は変わらず母のまま。
逆に母から見た筆者もあまり変わっていないのだろう。


ここまでありがとうございました。

診察後に薬局で呼ばれるのを待つあの時間に、懐かしさを感じたので書いてみました。

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