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【読書日記】2/25 猫は寝子。「ねどこどこ?ダヤンと森の写真絵本/池田あきこ」

ねどこどこ? ダヤンと森の写真絵本
池田 あきこ (作・絵),横塚 眞己人 (写真)
 長崎出版

寝るのが大好きな猫のダヤンは、ある日、ボルネオの森で目覚めます。自分にぴったりの“ねどこ”をさがしてボルネオの動物たちを訪ね歩くダヤン。
サイチョウの赤ちゃんの寝床は木の穴
ビントロングは木の枝を抱き枕のようにしてくったり寝
立ったまま眠る象の群れ
枝を折って器用に寝床を作るオランウータン

夜の森を歩くベンガルヤマネコは言う。
「きみにも きみだけのねどこがあるはずだよ」
そして見つけたダヤンの寝床は???

深い森の動物たちの写真とダヤンの絵が調和して読んでいるうちに、自分の寝床に潜り込みたくなります。

しかし、その前に。
この本の最後に大事なことが書いてあるのです。
「ボルネオって?」として命の宝箱とも言われる島と動物たちのことが説明してあります。
さらに、「この本が生まれるまで」で池田あきこさんと横塚眞己人さんが書いてあることにドキリ、とさせられます。

動物たちの寝床が、今、どんどん奪われて行っている現実。その大きな要因の一つが「パーム油」を作るために森が畑に変えられていっていること。
「パーム油」は、食用にも洗剤などの日用品にも多用されている便利な油。パーム油の需要がある限り生産が行われ、森が失われ、動物が生息域を失っていく。
パーム油を多量に消費する国のひとつが、日本。だから、快適で便利な生活を日々享受している私自身も森を破壊している「加害者」。とはいえ、今の生活を丸ごと捨てられることなどできはしない。その覚悟もない中であまり大きなことえらそうなことは言えないけれど、少しでも未来を明るい方へと向けられる暮らし方を学びたい、そう思うのです。

一日の終わりに体を休める寝床。当たり前のようでいて、天災や人災で簡単に失われてしまうものでもあります。
すべての人、すべての生き物が「きみだけのねどこ」で安らげますように。
おやすみなさい。

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