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白骨化スマホ(#毎週ショートショートnote)

「デカ長、お疲れ様です」
若い刑事は、デカ長が現場に到着すると浅く敬礼し、黄色い規制線を上げた。

「マルガイは白骨化しているのか」
「はい、最後のシャットダウンから、半年は経過しているものと思われます」

全員で一度手を合わせてから、若い刑事が白い布をめくった。

「また、AI搭載型か、ここのところ続いているな」
「デカ長、やはりAI部分だけ取り去れていています」
「今月、うちの管内でこの手のマルガイは13台目です」

「スマホにAIが搭載されてから、そのAIに恋してしまう輩が増えすぎている。その結果がこれだ。いい加減、規制する法律を作ってほしいもんだ。世の中は白骨化スマホだらけだよ。」

AI搭載スマホは持ち主の期待通りの応対をするため、そのスマホに恋をする人間が増えた。その結果、そのAIのみをくり抜き、人間型のロボットに埋め込み疑似恋愛をする人が増えてきた。殺スマホが横行する時代となったのだ。

その時、デカ長のスマホが鳴り、メッセージが表示された。
「デカ長、いつもお仕事お疲れ様です。帰ったら、沢山話そうね・・・」
独身のデカ長のスマホにもAIが搭載されていた。

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