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紙と生きたい9つの理由

紙が好きです、と言うと
「なんで紙なの?」「いつから好きなの?」と聞かれることが多い。
その質問になんて答えるのが正しいのかわからないまま、数年が経ってしまった。

紙をすきになったきっかけは いくつもある。
物心ついたころから本が好きだったこと、植物図鑑と道端の草木を見比べて その名前や特性を知るのが好きだったこと。

中学生のとき、国立民族博物館の仮面だらけの部屋で「人がつくるものはなんてすごいんだ!どんな場所で どんな人が どんな文化の中でつくったんだろう?人間って、おもしろい!」と 衝撃を受けたこと。

大学生になって久野恵一さんの『民藝の教科書』という本に感銘を受けて「この手仕事を 実際に見てみたい!!」と思って、青春18きっぷで日本各地を巡ったこと。

手仕事を巡る旅の中で 土佐和紙の工房「かみこや」に出会い、それまでに興味のあった本、植物、手仕事、文化、言葉、地域のすべてに繋がる「紙」という存在に気づいたこと。

自分で和紙を作ってみて、紙が「木と水だけで作られている」ということを実感したとき、初めて人生スパンでの直感を感じて、「あぁ わたしは一生 紙と関わって生きていくんだ」と思ったこと。

卒論の研究のテーマを「ネパールのハンドメイドペーパー ロクタ紙に見る伝統と手仕事の語られ方」に絞り、フィールドワークをしたこと。

こんなわたしのこれまでを、どう語れば面白がってもらえるのが、過不足なく伝えられるのか。
わからないまま、いつも歯がゆい思いで話している。

「kami / 」という新しい活動を始める今、紙に惹かれたきっかけを1つひとつ思い返してみたい。
わたしの24年間の経験すべてを網羅することは出来ないけど、「紙と関わって生きていく」という視点でこれまでを振り返ったときにハイライトになる9つの体験を、言葉にしておく。

そして私は、紙をすきになる
[1]物語の中へ
[2]小さな野草の お花屋さん
[3]仮面の部屋
[4]初めて作った雑誌
[5]日本の手仕事を巡る旅
[6]始まりの場所
[7]紙を求めてネパールへ
[8]地方の雑貨店でできること
[9]世界の紙を巡る旅

最後に。
9つの出来事を文章にしてみて、ようやく「世界の紙を巡る旅」への覚悟が決まった気がする。
かつて「こんな風になったらいいなぁ」と憧れていたことが、「こんな風になりたい」という願望に変わり、「こうなる」という覚悟に変わる。ゆっくりでいいから、自分の中に小さく芽生えた希望を叶えていけたらいいなと思う。

これから始まる世界一周の中で、どんな紙に出会えるだろう。
どんな人や文化に惹かれ、どんな記事を書けるだろう。
想像もつかない「これから」が楽しみでもあるし、不安でもある。


こんにちは、kami/(かみひとえ)です。いただいたサポートは、「世界の紙を巡る旅」をまとめた本の出版費用に充てさせていただきます。今年の12月に発売できる…はず…!