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絵が上手くなりたいと思った時に読む記事。

どうも、トライバルデザイナー兼細密画家のGAIです。
なんだかGAIさんの思考をもっと知りたい、という感じらしいので、手慰みに書きます。
ちなみに技術論とか方法論とかあんまり書かないと思います。他の素晴らしいイラストレーターの先駆者がお書きになっておられると思いますので。
さて、前置きはこれくらいにして。
この記事をご覧になっているということは、おそらくもっと絵がうまくなりたいなと思っているのでしょう。
実際、僕もそう思います。もっと上手くなりたいなと思ってます。
そういう思考に陥る瞬間ってのはけっこうあるものです。お判りになるとは思いますが、ものすごく調子がいい時にもっと上手くなりたい、と思うことはあまり無いので、おそらくはちょっと不調の方か、これから頑張ろうという方が読んでいることを想定しつつ、書いていきます。
なるべく読みやすいように書いていきますが、わかりづらいところは脳内保管してください。(無責任)

なんで上手くなりたいか

絵の上達に理由はいらない!というすばらしきポジティブシンキングな方は、この記事を読む必要はあまりないかもしれません。
僕のように、絵を描いていると「なんで描いてるんだろう?」って何かの拍子に出てきちゃう人向けです。
たぶん、上手くなりたいという考えが出るときって、「自分がどうしようもなく下手だなと思う」か、「ものすごく上手い絵を見た」かのどちらかのパターンが多いと思います。
その勢いで絵を描き始めることは大事だと思いますが、十中八九続きません。
続きません。
何度でも言います。続きません。続かないのです。
絵に限らず、どのような物事においても共通ですが、一番大事なことは継続することです。
継続しないと意味が無いよ!って声をかけてくる詐欺みたいなものも世の中にはあるので、それだけは注意してください(余談)

継続する、ということはどういうことかというと、感情に振り回されない、ということです。
しかし人間は感情の生き物。政治は感情によって動く、という言葉もあるくらい、人間という生き物は感情によって支配されています。
なので、「あー描きたくないなー」とか「ちょっと絵を描く気分じゃない」とかで絵を描くのをやめてしまうようでは、上手くなるなんてのは到底不可能です。
では継続するために何が必要かというと、それが「やる理由」というものです。
強い理由は感情を支配します。
いわゆる使命感、のようなものです。やりたい、ではなくやらなければならない、という強い考えです。
前回の記事でも書いたような気がしますが、狂ったように描き続けることができたのは、僕に強力な「やる理由」があったからです。それが無かったらあっけなく感情に負けていたと思います。では、どのような理由なら継続できるのでしょうか。

理由はなんでもいい

理由なんてそんなもんです。周りからしたらとてつもなく下らない、取るに足らないものだったとしても、本人がやる理由として設定しうると判断したものであれば、何の問題もありません。
女の子にモテたいとか、世界中に自分の絵を認知させたいとか、自分のブランドを持ちたいとか、単純にうまくなりたい、というものでもOKです。
しかし、なんでもいいからといってテキトーに決めてしまうと、継続しません。
このやる理由というのは一度決まれば非常に強力に感情をコントロールしてくれますが、自分を突き動かす理由というのはなかなか見つかりません。しかし、自分で見つけるしかないのがやる理由というものです。

見つからない

わかっています。見つからないのでしょう?
一般的なのは、フリーランスになりたい、でしょうか。
絵描きとして、絵を描くだけで生きていきたいとか。
でもよく考えてみてください。本当にそうですか?そうだったとして、自分のやりたいことですか?
フリーランスというのは大変です。自分で営業して、仕事をとって、そしてクライアントの要求に応えないといけないのです。
もちろん、自分の好きな絵を描けることもあるでしょうが、描きたくない、どうでもよい依頼なんてものも当然あります。
本当はやりたくないのに、お金のためならやるしかない。
もちろん、自分の好きな絵だけでやっていけてる人もいます。
では、あなたがなりたいものは「お金を稼ぐ為に絵を描く事」なのか、「描いた絵がお金になる事」なのか、どちらでしょうか。

もちろん、商売は二の次で、単純にこういう絵が描けるようになりたい、という純真無垢なピュアなやる理由もあります。
とにかく、どんな障害が来たとしても続ける覚悟ができる理由です。


迷い、不安、疑心暗鬼。

覚悟ができたと思ったら急にネガティブなこと言いやがって、許さん!という人は、まだ覚悟ができていないので理由をまた考えましょう。
世の中とは理不尽なもので、「やる理由」は思いつかないのに「やめる理由」は星の数ほど出てきます。これは本当に大変です。
なんで描いてるんだろう
自分よりうまい人なんてたくさんいる
描く意味がない
無理
飽きた
上達しない
プロになれない
人脈が必要では
下手でも稼いでるやつがいる
評価されない
誰もみてくれない
自分の絵が嫌い
下手くそと言われた
才能がないと言われた


一体どれだけ出てくるのでしょうか。
うんざりします。本当に、うんざりです。

ですが、安心してください。
あなたには「やる理由」があるはずです。

何か物事を達成しようとするときは、必ず障害が降ってきます。
立ちふさがるどころじゃありません。雨あられと降ってきます。直径1mの隕石が1分間に100個くらい自分を狙って落ちてきます。
これらを壊すことはできません。壊すには「誰よりもうまい絵」や、「圧倒的な資金力」や、「すでに有名人」などの武器が必要になります。到底、簡単に手にはいるものではありません。
しかし、壊すことはできなくても、防ぐことはできます。
それが「やる理由」シールドです。
どんな感情が沸いても、どんな言葉が投げかけられても、防げるのです。
この「やる理由」シールドは、理由が明確であればあるほど強力です。

逆に、ちょっとした意見でグラついてしまうような理由だとあっけなく破られます。そして、絵なんてもう描きたくない、になるのです。
辛いです。苦しいです。でもそれが、一つのことをやり続けるということです。

評価はされない

褒めてもらいたい、すごい、かっこいいと言われたい。よほどの菩薩でもない限りは人間だれしもそう思うものです。
しかし、絵描きに始まる膨大な人数のクリエイターの大半は、評価されません。
箸にも棒にも掛からぬ、というやつです。
これは技術はあまり関係ありません。
運です。技術によって変わる部分ももちろんありますが、基本的には運次第です。
そんな元も子もないことを、と思うかもしれませんが、事実です。
しかし、その運を上げることはできます。
それは継続です。
例えば、1枚の絵をアップしたら、なんかすごい人の目に留まる確率が0.01%だとしましょう。え?低い?絵描きの人数何人いると思っているんでしょうか。これでも高い数字です。
まあもちろん引っかかりません。当然です。0.01%しかないんですから。
ではこの確率を上げるためにどうすればいいのでしょうか。
絵を上達させる
見てくれる人を増やす
まあこのあたりでしょう。
ものすごいうまい絵を、100人にみてもらったら、すごい勢いで拡散されるでしょうか。
まあ0.05%いけばいい方ですかね。そんなもんです。
それじゃあどう頑張っても無理じゃないか、という考えになるかもしれません。
ここのテーマを思い出しましょう。継続です。
0.01%だろうと0.00001%だろうと、続ければその分確率はあがります。
そして、確率は足し算ではありませんので、運が悪ければずーっとはずれます。
しかし、確実に当たる可能性は上がります。
宝くじのようなものです。
1枚買っても当たらないですが、1000枚買ったら多少当たる確率はあがります。
絵も同じです。たくさん描いて、たくさん見てもらって、上達して、継続する。
そしてようやく評価につながってくるのです。
評価は無いものと思っていた方が気楽です。評価をモチベーションにしていると、すぐに崩れます。そして、崩れたら復活に時間がかかります。

結局どうすればいいのか

長々と書いて来てしまいました。そろそろ終わりにしましょう。
正直、絵が上手くなりたいという思いはとても素晴らしいものだと思います。
ですが、それ以上に継続している事はすごく、とっても素晴らしいものです。5年、10年、絵を描き続けているのはすごいことなのです。
たとえ評価されていなかったとしても、継続していなければチャンスすら訪れません。まず続けましょう。話はそれからです。
絵を好きになるというわけではありません。それだと、嫌いになったらやめてしまいます。そうじゃないんです。
絵を描くことしか選べない状態にするんです。
絵を描かない、という選択はもうない。絵は描く前提で物事を考えるようにするのです。
話はそこから。そこからです。

そのあとは

継続もできるし、覚悟もできた。じゃあ、あとはどうすればいいのでしょうか。
自分のやりたいことと相談しましょう。
お金を稼ぎたいのか、もっと絵を追及したいのか、ブランド化したいのか。
それに応じて、やることを変えていけばいいのです。
根本に絵を描くという芯が通っていれば、そのほかで何をやろうと揺れません。そういうことです。
最初からここまでのことを考えろ、なんてことは言いませんが、「絵が上手くなりたい!」と思ってしまったら、ちょっと先々のことを考えてみると上達が早いかもしれません。
さて、僕も文章ばかり書いてないで、絵を描きます。


トライバルデザイナー / 細密画家 GAI

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