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「反転授業」の破壊的威力

以前書いたように、英語開講の授業Multi-level Governanceを「反転授業」でやってみました。動画を予習として置き、学生はそれを観て授業に臨む。授業では、テーマを与え、グループに分かれて議論し、プレゼンテーションをする。これが「反転授業」です。

ご存知の通り、我が校は対面授業がWEB授業に変更になりましたので、全員ZOOMで参加の授業形態となりました。

やってみると、これがもうすごかった。もちろん、初の取り組みなので、問題はたくさんありましたが、それ以上の成果があったわけです。

まず、従来の授業形態ならば、退屈で学生もあくびが出ていた講義の部分は、30分の動画に全て押し込んだ。退屈でも本当は大事な理論や概念の部分は、学生が何度でも見直せる形にした。

教室では、35人の履修生(全員留学生)をZOOMのブレイクルームで7つのグループに分けた。それで、事前にGoogle Driveに7つのパワーポイントファイルを用意しておき学生にシェアさせて、それをウェブ上で各グループに作らせた。

僕は、7つのグループをZOOM上で移動しながら巡回。同時に、Google Driveにもアクセスしてパワポ作成状況をチェック。40分間でグループワークを終了させて、各グループにプレゼンテーションをさせて、僕が1−2分でコメントをつけました。

授業は「財政政策と税制政策」で、どこは1つの国を選んで、その国の政策とその問題点をまとめさせたわけです。そうすると、ベトナム、韓国、中国、米国、日本、オーストラリアといろんな事例がプレゼンで出てきました。

ベトナムのような新興国、資源が豊富で比較的健全なオーストラリアなど、多様な事例が出されました。また各国の財政・税制の制度が綺麗に整理されており、その問題点、解決策まで出されていました。

僕が1人で90分講義しても、せいぜい日本の事例をしゃべるくらいです。これは、反転授業だと、僕の30分の動画に加えて、7つのグループが調べた7つの国の事例を学生は勉強できるのです。

初めてのことなのでドタバタしていましたが、それでも、ものすごく深い学びができたことは間違いありません。反転授業の圧倒的な威力を知りました。

反転と言ってますが、それは日本の授業形態から「反転」しているのであって、欧米では普通の授業形態です。その意味で、いかに日本の文系の大学の学びが薄っぺらいか痛感します。そして、その差が、現在の日本と海外のリーダーの差、コロナ対策などでの日本のリーダーの戦略性の欠如につながっていると思わざるを得ません。


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