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日経平均は4万円に迫るが…

日経平均株価が急上昇し、バブル期の1989年につけた最高値を抜く勢いです。日本経済が「余剰から不足へ」大きな転換点となる可能性がある、との私の考えに変わりはありませんが、このところの市場で上昇の理由とされるものはこの転換とは関係が薄いので、今後ブレが大きくなりやすいと予想します。

上昇の理由を4つ挙げて考えます。

  1. アメリカの物価上昇率が高止まりし金利高が続くと、バリュー株優位で日本株が好まれるとされます。しかし、インフレ率はすでに3%台前半で、5%以上ある政策金利が引き下げられるのは時間の問題とみます。米長期金利が低下し始めれば日本株の利益確定売りが出やすくなります。

  2. アメリカの高金利継続と円安で輸出企業の利益が増えるとの期待がありますが、需要が増えないままでは生産量を増やすとは言えず、ヒト・モノ・カネの「余剰から不足へ」とのかかわりは薄いです。

  3. 東証の要請でPBR(株価純資産倍率)1倍以下の企業が経営改革をすることは好材料ですが、ここまでの日経平均の大幅上昇の主因とみなすのは難しいです。

  4. アメリカを中心に半導体関連企業が予想以上に良い利益を発表し今後の期待が高まった点は、利益成長の拡大という意味で健全な理由ですが、一部の銘柄の株価が集中的に上昇し、日経平均を利益成長期待以上に押し上げたとみており、当面株価のブレを大きくする要因と考えます。

これから日本の賃金上昇の持続などが確認され、「余剰から不足へ」の転換点が認識されることで株価が上昇することを期待します。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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