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日本の賃金上昇は円高・株高要因

2023年12月の日本の賃金は前年同月比1.6%と、最近では高い上昇率となりました。今のところ物価上昇率を追い抜くほどの勢いとは言えませんが、良い方向に向かっています。

賃金は、まず人手不足により上昇しました。輸出企業はリーマンショック後、生産量を下げて人を余らせていましたが、現状はリーマンショック前の水準を超える生産が必要で、人手不足です。国内ではコロナ禍からの回復が続き、飲食や観光関連などサービス業でも人手不足です。これまでのところアルバイトなどの時給の上昇がみられます。

今後さらに正規社員の給与上昇が期待されます。これから3月にかけて春闘のベースアップ率の交渉が進めば、年1回の正規社員の給与上昇が注目されることになるでしょう。

正規社員の給与増は、人手不足というよりも、経営者が一人当たりの利益の拡大や今後の見通しに自信があることが必要です。今年は政府や経団連もベースアップを支持しており、給与上昇の後押しになるでしょう。24年の賃金上昇率はこれまで以上に高くなると期待しています。

先行した物価上昇はそろそろ一巡し、賃金上昇率がインフレ率を上回る可能性が高く消費はこれからよくなる、それゆえ株高と予想します。

賃金上昇の背後に経営者の売上増加の期待がある限り、賃金コスト増加で景気が悪化する恐れは小さいですから、日銀が金利正常化に向けて政策金利を引き上げ始めるとみています。新年度にかけてこれまでの円安傾向が収まり、ドル円は円高方向に動くとみています。

〔チーフ・ストラテジスト神山直樹のレポート等は下記URLからご覧いただけます〕
■KAMIYAMA Reports https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-reports
■KAMIYAMA Seconds! ~90秒でマーケットニュースをズバリ解説 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-seconds
■「投資ってなんだ!?」 https://www.nikkoam.com/market/kamiyama-view/kamiyama-investment
■神山解説 https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf/#1:category:113 

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