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成人式。

には出なかった。

高校生の時から、「振袖はいらない。」と断言していた。

きっと着れば両親は喜ぶだろうし、親戚にもお披露目しただろう。だけど、すごくお金がかかるし、ちょうどインターン真っ只中だし。そのお金と時間があるなら家族旅行に行きたいと思ってた。

この選択に、両親も、「詩歩らしいね(笑)」と言ってくれていた。

でも、どこかで、両親の親心では着せてあげたいと思っていたかもしれない。インターンのために地元を離れる私の前ではそんなことは一言も発さなかったけれど。

ただ、やっぱり20歳の記念に何か残しておきたいな。と思い、密かに着付けレッスンに通って、さらに反物から選んだ着物まで仕立ててしまった。今までで一番高い買い物だった。

だけどやっぱり、地元の同級生のTwitterを見ると、同窓会と成人式。いいなあ。妥協して振袖着ればよかったかなあ。なんて悶々としていた。「また、私は人と違う。」なんて思いながら。

成人式当日の朝、ふと思い立って、1Rの社宅の隅っこに畳まれた着物に袖を通した。とても誇らしげな気持ちになった。

「私は自分で決断した。」

20歳という貴重な時間、約1年をマザーハウスという会社に賭けることも、東京に出ることも。振袖を選ばずに、自分で着物を仕立てることも。

そういえば小さい頃から、両親は、「自分で決めなさい。」としつこく言っていた。

ちょっと1日くよくよしていたけれど、「私の20年は振袖なんかでは決まらなかった。」ってことに気がついた。

検索すると、「お金がないから振袖が着れない。着せてあげられない。」という投稿もいくつもあった。多分、今後も相対的貧困家庭や生活保護家庭などで、そういった事例は予想できる。また、トランスジェンダーで、自分の思う性別で出席できない人もまだまだ多い。

ここから下は、いつかどこかのいろんな事情で振袖を着れない子やそのご両親のヒントになればいいなあ。(振袖を着るか着ないか参考になる記事が見当たらなかったので。)

新成人の方へ

成人おめでとうございます。

自信を持って欲しい。私たちの20年は成人式のためにあるんじゃない。「後悔するよ。」なんて言葉は無視すればいい。

大切なことは、「自分が決断したか。」

もしも、本当に本気で、「振袖を着る。」と決断したなら、お金が無くって嘆かないで。今はクラウドファンディングやポルカがある。もしも、20歳でダメでも、いつか未婚の間に自分で買えばいい。

だけど、周りが着るから。とか、親が言うから。とかで決めないで。あなたはあなたのままで美しい。自分が誇らしいと思えるなら、あなたの生きてきた20年は美しい。

新成人のご両親へ

もしかしたら、娘さんが振袖を着ない。と言って悩んでいる方かもしれません。お金が無いから着せてあげられない。と肩を落としている方かもしれません。

だけど、きっとそこには"意図"があります。

ご両親の働く姿を見て、無理はさせられない。と気を遣ってくれている優しい娘さんかもしれません。

もう大人です。そしてまだ子どもです。

そこに意図がある限り、尊重してください。だけど、悩んでいるなら、とりあえずお金を払うんじゃなくて対話をしてください。きっとそれはかけがえのない時間になります。

両親とたくさん話をしたから、「私の20年は振袖なんかでは決まらなかった。」と自信を持って言えます。

両親へ

最後に、20年間育ててくれて本当にありがとうございました。

ほかのお家や両親を羨んだこともあったけど、「自分で決めなさい。」と言ってくれたおかげで、私は一度も誰も恨まずにすみました。

2人が与えてくれた「自分で決断する。」という指針は私の中で、振袖以上にとてもとても価値のある宝物になりました。

小さなパン屋さんに生まれて、たくさんの大人に囲まれて、本当に素敵な20年でした。

また、いつもお金を出して欲しいと言うと、「パン何個売ったらいいか計算してみ。」と言われ、「このプログラムに参加するには1000個・・・!?」なんて子どもながらにお金は降って湧いてくるものじゃないと考えさせられていました。とてもいい勉強でした。

これからもよろしくお願いします。

「私の20年はとても美しかったです。」






友人とシーシャに行きます。そして、また、noteを書きます。