6.2 読者たちの集い配信版vol.4

本好き芸人達のトークライブ【読者たちの集い】配信版でした。

読者たちの集いとは、本好きの芸人が、本にまつわるトークをしたり、オススメの本をプレゼンして投票で一位を決める【ビブリオバトル】をするライブです。

出演は

カモシダせぶん(ウルトラトウフ)

エル上田(エル・カブキ)

SAMIDARE(キズマシーン)

ヒコロヒー

見てない方、アーカイブはこちら

兎に角今回、僕のネット環境が悪く、僕の声がお聞き苦しいとこもあるのでホントすいません…

その代わり、こちらのnoteで振り返りを前回以上に頑張って書きますのでもし宜しかったら有料部分も課金して読んでくだされば…


【トークコーナー】

・コロナ禍の今、この現状に近いものを読む?読まない?

前に配信版vol.1で、マザー・テラサワがカミュの「ペスト」を紹介してましたが、人によってここは変わるものだなと改めて。あえてそういうものを読まないという選択もコロナを意識してると言えますね。

・著者本人以外が書いた続編

作家、脚本家のアンソニー・ホロヴィッツが書いたシャーロックホームズの新作長編「絹の家」がコナン・ドイル財団に認められた公式の「ホームズ作品」として出版された話を僕がしたんですが(ホームズの新作としては80年ぶり!)

それに付随してSAMIDARE君が「AIがハリーポッターの続編を書いた」というニュースの話をしてきて、とても驚きました。調べるとこちらは公式という訳でなくこういう事みたいですね。

タイトル「ハリーポッターと山盛りの灰のように見えるものの肖像」

いや絶妙。ありそうでなさそう…それにしても、間接的な言い方をさらに間接的にしてるなコレ…結局何なんだろう、ヴォルデモートの位牌とか?ゲップの味のふりかけとか??

AIは自分オリジナルを手塚治虫も書こうとするし、ハリポタも書こうとするんだなぁ…中学生みたい。

・スポーツから読み解く人間性の構築

インドアなこのライブからはあまり出ないアウトドアな話、これはエル上田さんが田崎健太さんの新著「スポーツアイデンティティ」を最近読んだ所から、僕は水泳と答えましたが、これは一番続いたってだけで、運動神経が僕の体に無いってぐらい習い事クビになってます。(サッカー、野球、バスケ、空手など)月謝払ってるのにクビになるのはよっぽどです。こっちも1ミリも楽しくなかったです。

この写真、凄く和やかにみえますが、内容はヒコロヒーが先輩芸人みなみかわさんとやってる、一部で絶大な人気を誇る過激Youtubeの話をしてます。

画像1

ヒコロヒーはテロリスト呼ばわりされてました。僕も見てますが超絶面白いです。是非調べてみてください。


【芸人ビブリオバトル】

1 ヒコロヒー「モモ」(ミヒャエル・エンデ)

画像2

電子書籍で読んでたためタイトルのみ持ってプレゼン。

ドイツの作家さん。モモ、たまに働いてる書店で見かけてましたけど、内容は全然知らなかったな…ネバーエンディングストーリーと同じ作者なのか…

「時間泥棒」という時間を銀行のように扱うやつらが街に現れ、主人公のモモが本来の時間の有意義さを努力して取り戻してくお話。コロナ禍で狂ってしまった我々の中の「時間間隔」を直してくれそうな話だ…とても興味わきました。学校の教科書にのるぐらい分りやすいらしいので読もうと思います。交通機関が時間に正確な日本だから人気もあるのかな…映画も観たい。


2 SAMIDARE「トントングラム」(伊舎堂仁)

画像3

このライブで唯一「短歌」にも造詣が深いSAMIDAREが今回プレゼンしてくれたのがこの新進気鋭の歌人による短歌集。抜粋された短歌を聞くだけでもたった31文字なのに物語があって笑えたり、リズムに心地よさを感じたりで心動かされる。

そんな短い文章の作品を紹介してるのにプレゼンが予定時間を大幅オーバーしてて最終的に上田さんから「時間泥棒」と呼ばれてたの笑いました。

良い短歌ばかり。その中でも

面白い人と思われたい、面白いと思われたい人でなく
という歌は芸人にとっても刺さる短歌。この後のディスカッションで「単純になんでもいいから面白いと思われたい人か」か「作品(ネタ)を後世に残したい人か」で別れる。

図らずもこのブロックがヒコロヒーにも、僕のブロックにも繋がってていい流れになりました。


3 「暗鬼夜行」(月村了衛)

画像4

お聞き苦しくてすいません。というかてんぱり過ぎて「夜行暗鬼」って言ってるし…申し訳なさすぎる…

ともあれこの小説のプレゼンで一番

伝えたかったのは

作家志望だったのに才能の世界に押しつぶされ中学の国語教員になって特にそこに情熱を持たず汚れた野心を持つ卑怯な主人公「汐野」

こんなに「自分と瓜二つな主人公」読んだことがない。と衝撃を受けたことです。

ネタ番組に今までほぼ全く引っかからず、売れてもないのにネタ以外で番組出てる時に、ふと湧き上がる感情。

昔付き合った彼女が東大の院生で、当時もう芸人してましたが浮かれすぎて彼女の許可を得て、バンバン舞台上で言ってました。

すると彼女「私を人間というよりもステータスで好きになってる」と思ったらしく。音信不通になりました。そう思われても仕方なかったし、マジでその時の僕は最低です。

負けすぎてるやつは自分のために他人を頼る、もっと悪い言い方をすると利用する。

でもそれで得た結果は自分の「勝ち」では無い。胡麻化しているという事なんだというのを痛感させられるお話。

才能、名声というものに憑りつかれた人間はどう生きるのか。圧巻のラストです。

これがサスペンス、ミステリ小説で味わえるっていうのが最高なんです…是非とも。


4 エル上田「音楽が聴けなくなる日」(宮台真司、永田夏来、かがりはるき)

画像5

新書。昨今の「アーティストが問題起こしたら作品全回収」は果たして正解なのか?という所に踏み込んだ興味深い本。

瀧さん逮捕による、電気グルーヴの作品全回収、配信も停止。

勿論「罪」は逮捕されてしかるべきだが、作品にそれがどこまで影響しているのか。あと国内と国外のアーティストでも自粛の対応が違う。

昔は執行猶予中にライブを決行するアーティストもいて、今で大分状況が違う。何故こういう事になったのかという考察も面白かったし

ある有名会社の「謝罪文」がテンプレ化してるというのがかなり衝撃的でした…それ本当にどうなのか…

それでも、こういう事が起きるのにもきちんと理由がある。この問題を考えるときに凄くいい本だなと思いました。

凄く限定的に色々な文化に触れることも可能になった今読みたい本。

優勝はエル上田さんっ。二連覇。配信になって最初は僕二連覇してましたが一気に勝ち星並ばれました。というか毎回全員接戦だしいいプレゼンです。

vol.5もお楽しみに。次は回線状況良くして挑みます。

ここまでの文章、100円の価値はあるなと思ったら有料部分に課金してください…

告知

6/20(土)

【ウルトラトウフのYouDofu vol.2】
放送時間 19時〜19時50分
放送内容 ZOOMによる遠隔ネタ、トーク
出演 ウルトラトウフ
ゲスト 只今ブッキング中

配信 秋葉原ZERO-Gチャンネル


さて、ビブリオバトルをライブや、番組でやったり、自分で開催するようになったりで思ってたより長いお付き合いになってます。

そんな中で


【一番とんでもない状況でビブリオバトルをした話】


これを今回の有料部分にしようと思います。


それは数年前、場所は…

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