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日常で文字を撮る。路上観察系カメラ遍歴 【文字をめぐる日常 番外編】

半年ぐらい月一で書いてきた当コラムも半年経ったのでそろそろ番外編でも、とうことで文字を撮ることに欠かせないカメラの遍歴について。色々使ってきた中で「これは」と思うものが遂に見つかったのでその辺のお話も。

特別なカメラはいらない。コンパクトであれば

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CANON EOS kiss X7, SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO HSM

元々学生時代にリコーGR1を借りて撮っていた時期があって、その流れでデジカメではGR DIGITALⅡを使っていました。その後カメラマンとの仕事が増えてきて「こりゃある程度写真のことを分からないとな」となりキヤノンEOS kiss X7を購入。レンズはシグマ30mm F1.4 DC HSM17-70mm F2.8-4 DC MACRO HSMの2本でスタート。この辺りで路上の文字というか路上観察系の趣味に転んでいきました。

所有カメラのスタートがコンパクトカメラなのもあり、小さいカメラの方が個人な好みです。デジイチのX7も当時世界最小という謳い文句に釣られて買ったようなものですし(にしてもファインダー小さかったね)現メイン機のα7Ⅱも他のフルサイズミラーレス機よりソニーの方が小さいという理由で買ったところがあります。

小さなデジタル一眼レフは案外大きい

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CANON EOS kiss X7, SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO HSM

とはいえ、当時世界最小を謳うX7でさえ日常で撮影することを主眼におくとやはり大きかった。やっぱりコンパクトなカメラだよな、でもAPS-Cでのクオリティに慣ちゃったしそこそこの画質は欲しいな…と、ここから日常での使用に耐えうるコンパクトデジカメ探しの旅が始まりました。

実はかなり前にtumblrで個人的タイポさんぽ向けカメラ選びという記事を書いていたのですが、自分が日常的に文字を撮るにあたり求める機能というのは基本的に変わっていません。一つ変わったといえば焦点距離300mmは欲しいぐらい。

愛すべき富士のズームコンパクト

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FUJIFILM X20

デジカメにそこそこの画質とコンパクトさ、そして趣味性を掛け合わせると人は大体富士フイルムのに行き着くのです。普通はX100系なんでしょうけど標準ズーム域は欲しいという事でコンデジ探しの旅は富士フイルムX20から始まりました。デジイチと同じく光学ファインダーをコンデジでも使いたい!と勇んで買ってみると視差(パララックス)がひどく、ほとんどファインダーは覗かず撮影。しかし吐き出す絵は大変好み。そうなると次のデジカメももちろん富士。

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FUJIFILM X30

富士フイルムX30は機会があればまた所有したい一台。X10から続く使いやすいマニュアルズーム、当時としては破格に見やすいEVF、便利すぎるチルト式液晶モニター、ちょうど良いサイズ感と、とにかく撮影しやすかった印象があります。大変気に入っていたけどセンサーごみが入りやすく、泣く泣く放出。

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FUJIFILM XQ2

富士フイルムXQ2は富士Xシリーズのズームコンデジとしてはほぼ最終形。(残念なことにこの後程なくして富士はXシリーズでのズームコンデジの開発を中止しました)X30でセンサー掃除の金額に懲りたのでより修理代金低い機種、と消極的な購入動機でしたが望遠側と少しバッテリーが弱い以外あまり弱点も無く、長らく使用していました。

フルサイズへの憧憬

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SONY α7Ⅱ, ZEISS Batis 2/40 CF

コンパクト機をあーだこーだしている間、メインのデジタル一眼レフは変わらずX7でした。途中で高倍率ズームを買ったりしたけど全然使わなかったのは、曲がりなりにもこのカメラで撮る時はコンパクト機よりクオリティをより良くるぞという気持ちがあったんですね。それは遠からずフルサイズへの憧れとなっていました。
そして2018年、キヤノン、ニコンのフルサイズミラーレス機が出揃って決断。ソニーへのマウント移動です。ソニーα7Ⅱは長らくAPS-C機で不満だったダイナミックレンジを満足させてくれました。一緒に選んだツァイス Batis 2/40 CFは適当に撮っても恐るべき立体感と解像で今まで持っていた機材と格の違いを思い知らされたのです。あと本当は標準ズームも欲しかったんですが予算をBatisに全振りして買えませんでした。(でもめっちゃ良いレンズなんで後悔ありません)

コンデジのクオリティアップへ

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フルサイズ機を所有してそのクオリティが普通になってくると自分のコンデジの画質に対する要求度がアップしているなと気付きました。XQ2は確かに良いカメラだけどそろそろクオリティアップを図りたい…ついでにLUMIX TX1が先鞭をつけた1インチセンサーの高倍率ズーム機を試してみたいという思いがあり、その後継機たるLUMIX TX2が値頃感が出てきたのでこの機会にと変更しました。

一文字ずつ撮るなら300mm

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Panasonic LUMIX DC-TX2

以前は看板文字を撮るにしても標準ズームぐらいの焦点距離で大丈夫と思っていたのですが、色々なシチュエーションで撮影をする中、一文字だけ撮りたい、看板下に小さく付いてる電話マークも撮りたいとなってくると100mm程度では中々難しいものがあります。某看板を一文字ずつ撮っている人が言うには撮るなら300mm以上とのことで、TX2はまさに好都合なコンデジだったのです。

撮れなかったものが撮れるよろこび

TX2は高解像なデジタルズーム込みだと焦点距離は720mmまで伸び、街なかで撮れない看板はほとんどありません。この「撮れない看板は無い」というのは本当に楽しい。コンデジを使う理由は「日常のシャッターチャンスを逃さないため」です。これに「撮れない看板は無い」という焦点距離の掛け合わせによって、自分の用途に対してある種の万能さがTX2に宿る。チルト液晶が無いとか電源入れずに画像再生する事ができないとかあるけれど、ここを抑えることが自分にとって大事だったんだなと気付きましたね。

カメラ選びはまだまだ続く

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iPhone Xs

自分が使っているスマホはiphoneXsなんですがこれがめっちゃきれいに撮れる。望遠(と言っても50mmぐらい)もあるしポートレートモードもあってボケが必要な写真もシュミレーションできる。こうなってくると日常でカメラを持つ意味ってあんまり無くなってきていて。あるとすればそれはやはり「撮れなかったものが撮れる」ことなんでしょう。それはクオリティであったり焦点距離であったり撮る事へのモチベーションであったり。これからもあーだこーだ言いながら小さなカメラを買っていこうと思います。

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路上観察用途ではないコンデジもあるけどそれはまた別の話…


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