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『青春酒場 三年B組』

                                  ◎人物表 颯佐健太郎(55歳) 会社員 青葉隆司(55歳) 会社員 春山伸晃(56歳) 会社員 新芽啓二(55歳) 会社員 ゆきの(58歳) 居酒屋店員 ひろみ(65歳) 居酒屋店員 あかね(55歳) 居酒屋店員 こずえ先輩(年齢不詳) 居酒屋店員 〇病室    ベッドに寝ている新芽啓二(しんめけいじ55歳)を囲んで談笑してい     る颯佐健太郎(さっさけんたろう55歳)、青葉隆司

    • 『私のお気に入り』

                                        〇人物表 凪真司(28歳) 会社員 壱岐波竜二(32歳) 真司の先輩 墨谷瑞希(26歳) 真司の恋人 潮見康太(28歳) 真司の同僚 磯辺課長(42歳) 真司の上司 〇回転寿司店・店内    回転寿司で寿司を食べている凪真司(なぎしんじ・28歳)と壱岐波竜     二(いきなみりゅうじ・32歳)。壱岐波、イカの皿をとる。 真司「またイカですか」 壱岐波「バ~カお前。これはヤリイカだろ。

      • 寒椿

                                            〇人物表 影野民江(70歳) マンション住人 福浦莉々(4歳) マンション住人・福浦家長女 福浦雄三(35歳) マンション住人・福浦家父 福浦香苗(32歳) マンション住人・福浦家母 影野孝彦(35歳) 民江の長男 影野由美(30歳) 孝彦の妻  引越し業者 〇駐車場    マンションの敷地内。マンションに隣接された野外駐車場。車に乗り     込む福浦家の父・

        • 『ゆく年くる年』

          ◎人物表 東本正源(22歳) 僧侶 米山一心(24歳) 僧侶 門脇浄玄(78歳) 龍翔寺の管長 土方信念(32歳) 僧侶 毛利大道(28歳) 僧侶 東本道徳(60歳) 正源の父 〇正源の夢    病室で父、東本道徳(ひがしもとみちのり)(60歳)の見舞いをしてい     る、東本正源(ひがしもとしょうげん)(22歳)。ベッドの横の椅子に座    り、病室備え付けのテレビを見ている。テレビの画面は駅伝中継。ウ    サギの顔をした人間が走っている。タンクトップにランニングパ

        『青春酒場 三年B組』

          『錦繍~入れ墨~』

                                               ◎人物表 三ツ谷幸洋(32歳) 会社員 三ツ谷亜紀(30歳) 幸洋の妻 西洋人風若者 インド人風若者 西洋人風高齢夫婦 現地人風若者 〇プールサイド    シンガポールのホテル『マリーナベイ・サンズ』のプールサイド。新     婚旅行でこのホテルに宿泊している三ツ谷幸洋(32歳)と亜紀(30歳)    がプールサイド備え付けのリクライニングチェアに寝転がっている。    サングラス越しにプールを

          『錦繍~入れ墨~』

          『錦繍~再会~』

                                             ◎登場人物 石田美奈子(53歳) 介護ヘルパー 石田正一郎(87歳) 美奈子の父 紅林慶太郎(55歳) 無色 紅林洋子(90歳) 慶太郎の母 吉行房子(86歳) 宅配業者 スポーツ実況 高校球児 応援団 美奈子同僚 キャスター 捜査員2名 ヘルパー(女) 〇石田家キッチン    マンションの3DKのキッチンで、父、石田正一郎(87歳)に昼ご飯      を食べさせている石田美奈子(53歳)。玄関のチャ

          『錦繍~再会~』

          『転校生』

                                          ◎人物表 荒山颯太(17歳) 高校生 原祐樹(16歳) 高校生 水島沙希(17歳) 高校生 夏川陽菜(17歳) 高校生 柏原里奈(16歳) 高校生 今宮裕太郎(42歳) 教師 大八木弘之(57歳) 教師 陸上部員たち カメラマン 記者 通行人 〇電車・車内(朝)    二人掛けの席に座り、腿の上にカバン、その上に原稿用紙を載せ、読      書感想文を書いている荒山颯太(17歳)。電車が

          『転校生』

          『帰省』

                                               ◎人物表 山岸謙治(享年52歳) 故人 山岸由美子(48歳) 山岸の妻 山岸拓也(21歳) 山岸の長男 山岸健人(18歳) 山岸の次男 犬飼幸次郎(58歳) 大学教授 前田健吉(享年82歳) 故人 滝田正二(享年18歳) 山岸の先輩 田山未海(18歳) 健人の恋人 ケイタ 山岸の幼馴染 キンちゃん 山岸の幼馴染 〇バスの車内    故人の国から現世に行くバスに乗っている、故山岸

          『帰省』

          『線香花火』

                                            ◎人物表 古城凛(15歳) 古城家次女 古城美奈(19歳) 古城家長女 古城瑞枝(52歳) 古城家母親 古城初子(77歳) 古城家祖母 皆川あやか(32歳) テレビレポーター 山際拓也(48歳) 雑誌記者 火野洋二(45歳) ニュースキャスター ドン汰阿磨夜(63歳) 花火評論家 Mr.トリック(66歳) マジシャン&自称超能力者 岡流宇斗(40歳) オカルト研究家 野次馬たち 警官3人 〇家の前の路上(夜

          『線香花火』

          『桜制作委員会』

          ◎人物表 ○井の頭議員…(男・人間年齢25) 桜制作委員会の議員 ○千鳥ヶ淵議長…(男・人間年齢58) 桜制作委員会の議長 ○上野議員…(男・人間年齢45) 桜制作委員会の議員 ○吉野議員…(男・人間年齢67) 桜制作委員会の議員 ○高遠議員…(男・人間年齢31) 桜制作委員会の議員 ○ミス・ポトマック大使…(女・人間年齢42) アメリカの桜外交大使 ○花の帝(みかど)…(女・人間年齢35) 花の精の長 ○春一番…(男・人間年齢42) 春、最初に吹く8メートル

          『桜制作委員会』

          『謎の女~ある夏の日編~』

          マンションのドアを開けた瞬間、ドキリとした。真夏の太陽の直射が襲い掛かる。いや、オレを一瞬で凍り付かせたのはそれではない。悲鳴だ。わめき叫んでいる、尋常ではない女の声。見ると女が泣いている。エレベーターへ向かうマンションの外廊下で見知らぬ女が地べたにへたり込んで号泣… 慟哭というのが正しいのか、頭を前かがみにして激しく泣いている。小刻みに揺れるセミロングの髪。少女なのか、いや、その甲高いがかすれた声には枯れはてた女を感じる。 オレの気配に気づいたのか、女は一瞬、ぴたりと泣く

          『謎の女~ある夏の日編~』

          『酒と泪と男とAI』

          「すみません! ハイボール!」 「はい、ハイボールね! もつ焼き、こっちだっけ、おまたせ~、あ、いらっしゃい、ごめんね、今一杯で、あ、外でいい? ちょっと寒いけど、じゃ、お二人さん、外にご案内して~」 やっぱり、いい! 昭和をモチーフにした居酒屋は、連日、昭和生まれの生き残りサラリーマンで大繁盛だ。やっぱり、こうじゃなきゃね、飲み屋ってのは… 令和も終わろうって時にまた昭和がリバイバルとは笑っちゃうね、ホントそうですよね、といつの間にか隣の見知らぬ客とも世間話が始まる。それも

          『酒と泪と男とAI』

          なぞの女、はじめました

          その店の客は、なぜか一心不乱に丼に食らいついている。安くて早く出てくるのが売りなくらいの、町の古びた中華食堂だ。味も普通だ。だがなぜだ、皆まるで憑りつかれたようにむさぼり食っている。というよりもその丼と闘っているような殺気さえも感じる。 梅雨明けの発表もありそうなその日、オレはその謎の理由を知った。ちょっと早い昼飯にふとその店に入ろうとした時、店の外壁に真新しい一枚の貼り紙が目に入った。 「なぞの女、はじめました」 なぞの女、はじめました… どういうことだ、なぞの女… 

          なぞの女、はじめました

          『謎の女~幻のウグイス嬢編~』

          「9回の裏~ 月岡高校の攻撃は~ 4番 ピッチャー 西野君 ピッチャー  西野君」 そのアナウンスを聞きながらオレは最後になるであろう打席に入った。 「4番 ピッチャー 西野君」  アナウンスはなぜか再度オレの名前を告げる。ん? オレは一瞬動きを止めた。 「4番ピッチャー 西野君 下の名前は剛君  ゴウと書いて 長渕剛と同じ字の 剛君」 え、とオレは構えかけたバットをおろす。場内がざわつく。アナウンスはなおも続く。 「名前は剛だけど 小さい頃は か弱かった剛君 

          『謎の女~幻のウグイス嬢編~』

          『AIAI(アイアイ)傘』

          山下は一週間分の食材を買いにいつものショッピングモールをぶらぶらしていた。梅雨時という事で、中央の特設スペースでは傘が販売されている。そういえばこの間ビニール傘、どこかに置いてきちゃったな。ちょっと見ていこうかと、山下は足を止めた。 その傘売り場で、珍しく人だかりになっている一本の傘があった。なんと、一本10万円の値札が付いている。10万円の傘は山下も初めて見る。取っ手が真鍮だとか、布が高価なレースとか、そういったものではなく、見たところ何の変哲もない無地の濃紺の傘だ。コン

          『AIAI(アイアイ)傘』

          『迷村』

          死ぬ前でも腹は減るんだな、下田は『ラーメン』のネオンに思わずブレーキを踏んだ。樹海まではまだ1時間はかかる、そこから死に場所を探して闇の中を彷徨うにも腹ごしらえは必要か。最後の晩餐が安くてどうってことないラーメンであるのもオレっぽいな、しかも店の名前が『迷軒』。オレの人生そのものだと、下田はそのラーメン屋に入った。 メニューを見る。ラーメン、味噌ラーメン、タンメン、チャーシュー麺、タンタンメン、広東麺… そういえばオレは広東麺というものを食ったことがない。あんかけのかかった

          『迷村』