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やさしかった日

ひさしぶりに5歳と2人で外出した1日が、とってもやさしさに溢れていて幸せだったので、忘れないように書き残しておきたい。

『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』

先日、Bunkamuraミュージアムで開催中の『かこさとし展 子どもたちに伝えたかったこと』を5歳と鑑賞に行った。

かこさとしの絵本に、わたしは自分の幼少期には出会わなかった。
子どもと絵本の出会いには、親の影響は多分にしてあると思う。
母の好みは『ぐりとぐら』だった。

わたしがかこさとしの絵本に出会ったのは子育てを通してだ。

はじめて『だるまちゃんとかみなりちゃん』を読んだとき、見知らぬかみなりちゃんのために奮闘するだるまちゃんをやさしい子だと思った。

次に『だるまちゃんとてんぐちゃん』を読んだとき、だるまちゃんのおとうさんのだるまどんのやさしさに涙が出た。

あぁ、だるまちゃんは紛れもなくだるまどんの子どもなのだ……!!

だるまどんのやさしさに触れてから、かこさとしという絵本作家にとても興味がわいた。
そして、購入したのが、『未来のだるまちゃんへ』だ。

かこさとしという作家がとてもやさしかった。

展覧会の会場にもこの本の抜粋された文章がいくつか掲示されているから、ぜひ本でもミュージアムでもかこさとしの大人に向けた言葉に触れてほしい。

わたしにとってこの本は、どんな実用書よりも優れた育児と複業の手引きだ。

といっても5歳は、静かに絵だけを見て回る展覧会は少し飽きてしまったようだった。

すべてのパンをひとつ残らず写真に収めろというお達し

いちばん興味を持った、まさかのピラミッドの作り方の絵本を購入してミュージアムを後にした。

富田菜摘 個展『 Wonder Village』

ミュージアムを出て1階に上がったところにあるギャラリーが、Bunkamuraに着いた時から気になっていた。

カラフルな動物が見えていたから。

開催されていたのは富田菜摘さんの個展『 Wonder Village』だった。

展示されていたのはすべて廃材で作られた動物たち。
5歳はこっちの展示で大興奮。

作品ひとつひとつを見て回り、どんな材料で作られているのかをあてていた。

ギャラリーのお姉さんがとても素敵な方で、5歳の目線になって「どんなものを見つけた?」とか「針金とグルーガンだけで作られてるんだよ」などとお話ししてくれた。

「家に帰って動物をつくろう!」という決意で帰路についた。

ナイフやザル、フライ返しを発見!!


WE ARE THE FARM 渋谷

5歳は野菜が大好きだ。
WE ARE THE FARM はランチセットにサラダバーがついてくる。
それもちょっとと変わったお野菜がたくさん。

以前このお店にランチに妹と来たときに、きっと連れてきたら喜ぶだろうなと思いながらも、大人のランチメニューしかなかったため、連れて行くのはどうかな?と思っていた。
お店に入る前に、子どもがいることを伝え、子どもにはサラダバーだけ食べさせてもらえるか確認したところ、快く受け入れてもらえたので、サラダランチをすることに。

サラダバーだけの値段がわからなかったのでスタッフのお兄さんに聞くと、「子どもの分は頂きません」と言ってくれた😢
なので、5歳はドリンクを注文。
その際にも、子どもに対してもとても丁寧に案内してくれるお兄さん。

サラダバーでは白っぽいニンジンや色の薄いキュウリなど、いつもと違う野菜に大よろこび。
まさかのケールも前世は青虫かな?っていうくらいバリバリ食べる。

美味しく、心地よく、ランチを堪能できた。

ニンジンが大好き!辛い野菜以外はよく食べる

ShuShu

人が多い渋谷ではなく神泉を使って帰ろうと歩き始めたとたん、すーっと小さなお店に吸い込まれていった5歳。

そこはヴィンテージアクセサリーの小さなお店。
以前から前を通って不思議な雰囲気が気になっていたけど開いていなかったりで一度も入ったことのないお店だった。

慌ててマスクをつけさせ一緒に店内に入ると、すでにお客さんのお兄さんがいて、店員さんに指輪を出してもらって見せてもらっていた。

横から覗き込み、目ざとく赤い石のついた指輪を手に取る。

「さわっちゃだめよ」と声をかけると、店員さんは「手を消毒したらいいですよ」とやさしく声をかけてくれた。

先客のお兄さんにも「おじゃましてすみません」と声をかけると、「いいですよ」と言ってくださる。

これ幸いと試着しながら「これほしい!」と訴える。

そう、今5歳は宝石ブーム。
サンタさんにも宝石をもらうつもり満々だ。

「5歳が欲しいと言って、なんでもない日に買うお値段じゃないんだよ」と伝えると「どれくらい高いの?」と聞いてくる。
するとお兄さんが「トミカ好き?トミカが両手で持ちきれないくらい買えちゃうくらいだよ」と話してくれた。

「どうしても欲しいならクリスマスやお誕生日にひとつづつ買って集めよう」と話していると、「キラキラしたものが欲しいんだったらこれどうぞ」と、店員のお姉さんが壊れたネックレスのビーズをくださった。
丸カンがつけられるようになっているので、家でワイヤーを使えば指輪にできる。
そう言うととっても満足そうにお礼を言ってファスナー付きのポケットにビーズを大事そうにしまった。

母の気持ち

たくさんの知らない人のやさしさに触れて、すごく心が満たされた1日だった。

子どもを育てるのは親だけじゃない、ということをこれほど感じた日はなかったかもしれない。

かこさとしさんにも、ギャラリーのお姉さんにも、カフェのお兄さんにも、ヴィンテージショップのお姉さんにも、お客さんのお兄さんにも「ありがとう」の気持ちでいっぱいだ



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