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【小説】不完全燃焼6

 この時期のもう一つ好きなものが「さくら」。「花見」よりもさくらが好きでこの年令になるとあと何回このさくらが元気なうちに見れるのだろうかと最近思うようになった。
「年取ったのか」たぶん。中学1年だったが初めて遠征に参加することができ、サッカー王国でのフェスティバルであった。たぶん、サッカーよりも合宿っぽい感じが最高で終わってからの宿舎が最高に楽しく、まさに修学旅行のようなのりであった。そこに必要な女子はいなかったがいなくても楽しめる年齢と幼さだったのかもしれない。その遠征で一週間過ごして地元に帰ってきた時に全くそんな気配がなかったのに学校の桜が満開で最高にキレイだったことは今でも覚えている。

 大学生のときはなにか無茶をし、そのことがイカしてる感じがする年代だった。やはり、さくらが好きなことは変わりなく、一人暮らしのアパート近くの桜の木を花ごととって持ち帰って家で花見したりとかなりの迷惑な若者だったと新入社員の花見の場所取りで思い出していた。今でも変わらないのはさくらの咲き始めから散りゆく儚さが今でも心を動かすことに変わりはない。この感情は今も続いている。

 新入社員の時期をこえ、6年目の途中で転職した。特に理由はないが転職前は地方勤務であったため、業務は忙しくなく毎日出社してはすぐに外出し自宅で転職サイトを毎日ネットサーフィンしていた。

今の仕事の求人は同僚の新聞記事に掲載されていたものを教えてもらった。なぜか受かってしまった。それまでも地元の社会人リーグに試合があるごとに日帰りでサッカーだけに参加していた。

 そのときの先輩とはいまも付き合いがあるので居心地がよかったのだろう。そんなとき「やっぱりサッカーはいいなぁ」と思う。

 その会社のよい思い出は、最後の地方の1年間である。行きつけの居酒屋を見つけて、おまかせの料理を出してもらい味を覚えはじめた焼酎を飲むことができた。また、その常連さんたちと定期的に飲み会をして倒れるまで飲み明かしたことだった。かつがれて帰ったことも自転車でひっくり返ったこともいい思い出である。

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