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内省のススメ

こんにちは!
訪問看護ステーションlifeで看護師をしている田代さとみです。
きゅうりパックアレルギーです。
食べるのは大丈夫だけど、薄切りのきゅうりがほっぺに乗っかったらダメみたいです。


突然ですが、ストレングスファインダーってご存知でしょうか。
自分の強みを知るツールの一つです。
「クリフトンストレングステスト」で検索すると、テストができるサイトにつながります。
本もあります。
こちらには付録がついていて、サイトにアクセスしてテストを受ければ上位5位までの結果を知ることができます。
(わたしは自分の下位も知りたくなったので、再度テストを受けました。有料です。)

本を購入するとアクセスコードがついてきます。




私のストレングス(強み)上位5つは
1.内省
2.共感性
3.成長促進
4.信念
5.ポジティブ
です。
ストレングスファインダーと私を知る人なら、なるほど!さとみっぽい!となると思います。
この1位の内省の説明文は以下の通り。

あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。
中略
あなたは内省的です。ある意味であなたは自分自身の最良の伴侶です。あなたは自分自身にいろいろな質問を投げかけ、自分でそれぞれの回答がどうであるかを検討します。
つづく…

さあ、才能に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0



私は「考えすぎ」と昔からよく言われていて、そんな自分が嫌いでした。
でも、考えないということができない…と悩んでいました。
だから、「内省」が自分の強みであることがわかり、びっくりしました。
でも、強みとわかって安心し、納得しました。
もともとある素質なら活かせばいいもんね、と。
そして、私が訪問看護師としてここまでやって来られたのは、この「内省」のおかげだとも思っています。

その「内省」を促す、私を応援してくれているような本を発見しました。
今回はこの本について文章にしてみたいと思います。
一生懸命まとめたけど、長くなってしまいました。
本が読みたいけど読む時間がない、成長したい、興味ある、という方とlifeのスタッフだけ読み進めてください。
1冊読むよりは、時短になるよ!

『リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』 熊平美香

この本です。夜のリビングで撮影すると自分の影が写ってしまう。

まず、リフレクション(振り返り、内省)の目的は、
経験からの学びを未来に活かすことです。
ここには、成功しても失敗しても、いずれにしても知っていることがある。その知っていることを知恵に変えることができる、という前提があります。

私がこの本を読んでポイントと思ったものは3つ。

①リフレクションと反省は同意義ではなく、本来期待される結果は何だったのかについて前向きに振り返る技術である。

②認知の4点セットでリフレクションを習慣化させることで、成長を加速させることができる。

③現状とありたい姿(ビジョン)のギャップを感じた時こそ成長のチャンスであり、感情は自分が大切にしたい価値観に紐付いている。

補足
認知の4点セット
意見:考え、学び、思ったこと
経験:意見の背景にある経験
感情:その経験に対してどのような感情を抱いているか
価値観:判断に用いた基準や尺度、ものの見方
この認知の4点セットで内省をしていきます。

本の中には内省の技術を身につけるためのワークが用意されています。
学びを自分のものにするためには、とりあえず素直にやってみることがポイントです。
読んで考えたつもりになりがちだと思いますが、
どうぜ学ぶなら、紙をペンを持って、素直にやってみた方がいいと思います。

参考までに私が取り組んだワークの一部を載せておきます。

ワーク1  腹が立ったことのリフレクション
意見:時間変更の伝達ミスがあり落ち込んだ。
経験:伝えたはずの時間が利用者さんに伝わっていなかった。
メールでのダブルチェックが抜けてしまい、迷惑をかけた。
個人として業務が多すぎると思っていたから気をつけなければ…と思っていた矢先のミス。
感情:情けない、悔しい
価値観:責任、完璧主義、貢献

ワーク2 自分史リフレクション
意見:2022年8月にステーションの管理者になった。どうしよう。
経験:退職者が出て、管理者を引き継ぐことになった。
自分の看護師のキャリアとして考えていないポジションに立つことになり、生活が一変。lifeの理念を体現するために試行錯誤している。大変なこともあるけど、充実感も感じられるようになった。
感情:恐れ、不安、(充実を感じられることは)嬉しい
価値観:責任、自己成長、進化する、貢献

とにかくやってみる。ガリ勉発揮。読書ノートとワークに使うノート。


ワークのテーマは他にもあって、「ぶれない軸を持つリフレクション」などもありました。
取り組んでみたら、自分が大切にしたい価値観がよくわかりました。

私が大切にしている価値観

他者貢献、社会貢献
成長
仕事そのものの喜び
恩返し
正直さ

ワークをしていると、このあたりが価値観として頻回に出てきました。
確かに、これらのキーワードを見るとふつふつとやる気が湧いてくる。
迷った時はこの価値観に立ち戻って決断すれば良いので、自ずと言行も一致してくる(と思っている)。
物事に直面し、行動を選択する場面での私の頭の中は以下のような感じ。
・自分のためにはできそうにないけど、◯◯さんのためと思えばできる。
・この課題が解決したら、きっと社会貢献につながる。
・自分の成長のために、チャレンジしよう。
・看護の仕事ができることそのものが嬉しい。
・lifeで仕事できること自体が素晴らしいことだ。
・今まで受け取ってきたギフトに対する恩返しがしたい。
・自分にも人にも正直でありたい。
私は「信念」も強みとして持っているので、自分の価値観と繋がることで、さらにパワーアップする傾向があります。
学びやチャレンジを通して新しい自分に出会えること自体に幸せを感じるタイプであり、そういう人生って素晴らしいよね!という信念から逃れられません。



感情について

仕事に感情は持ち込むべきではない、という意見もあるかもしれないけど、そんなことはありません。
そもそも仕事へのやる気は情熱に支えられているとこの本の中でも言われています。
私を支えているのも、仕事に対する情熱です。
大袈裟でもなんでもなく、情熱だけでここまで走ってきました。
さとみさん、熱いですね…と思いますか?昔からよく言われるんです笑
でも「私冷めてますから…」「さとみさんみたいになれない」と言う人にだって、必ず大切している価値観はあるのです。私と違うだけです。
暑苦しい私の言葉を聞いて心がザワザワするのなら、そのザワザワが何と紐づいているのか、自分を深掘りしてみたらいいと思います。
感情が動いた時こそ、なぜ自分はそのような感情を抱いているのかを振り返り、大切にしている価値観に気づくチャンスなのですよ。

ここ1ヶ月くらいの間に、lifeのスタッフが涙を流しているところに立ち会いました。
以下のような場面でした。

・もしも自分ではない人が訪問していたら、もっと早く異変に気づくことができたのではないか?
・SOSを出しているのに、なぜ気づいてくれないの?
・一体どうしたら時間内に仕事が終わるのだろうか?

私個人としても、今までにたくさんの涙を流してきました。
・なぜわかってくれないの?
・なぜ私を評価してくれないの?
・なぜ私ではなくあの人なの?
・こんなふうに感じているのは、私だけなの?
・これ以上どう頑張ればいいの? エトセトラ…

怒ったり泣いたり喜んだりする時は感情が大きく揺れている時。
そんな時こそ内省。
繰り返しになりますが、内省することで自分が大切にしている価値観に気づくことができるし、成長を加速させることができます。
たとえ深く悩み苦しんでいたとしても、それを苦しみだけで終わらせることなく、その経験まるごと未来に活かすことができるのです。そろそろ内省したくなってきたでしょう?


訪問看護と内省 (私の場合)※lifeのスタッフは飛ばさないで読んでね!
訪問看護は基本的に1人で行動します。
利用者さんやご家族を相手に、その場で1人で看護を展開します。
入職した時からの願いであった訪問看護に異動になり、なんとか独り立ちした時の不安は今でも覚えています。
「え?これでいいの…?」の連続。
誰も答えを教えてくれない。
ケアが終わったら帰られなければなりません。
次にその方に会えるのは1週間後だったりする。
自分のケアの方法が正しいかどうか、わからなくなります。
先輩に言われた内容をメモして、真似をして、安全にステーションに戻るのが精一杯。
自分がしていることが看護なのかどうかもよくわかっていませんでした。
それでも、夢であった訪問看護師になれた。
よくわからずケアしていても、喜んでくれる利用者さんやご家族がいる。
いのちが輝く瞬間を見せてくれる。身に余るほどの経験をさせてもらえる。
感謝されるほどのことができていないと思うから、せめて自分が成長することで恩返しがしたい。
どうせ苦しんだり悩んだりするなら、全て意味のあるものにしたい。
そのように思った新人訪問看護師の私がしていたことが「内省」だったのです。
その日、自分がしたことを振り返る。
なぜうまくいったのか、なぜうまくいかなかったのか、次はどうしようか。
ステーションに戻って先輩や同僚に話を聞いてもらうことも、振り返りです。
同じ病名はあっても、同じ暮らしは一つもありません。
誰もがその人だけの人生を生きています。
現場でしかできないこともたくさんあって、その時でないと伝わらない言葉もたくさんある。
そういうことに、チャレンジと失敗と内省を繰り返すことで気づいていきました。
その蓄積が、今の私。
経験が全てということが言いたいわけではありません。
専門職なので、正しい知識や優れた技術はもちろん大切です。
でも、看護師の成長において、経験の意味づけはそれらと同じくらい大切だと言いたいのです。でもこれはきっと、看護師だけに限ったことではないと思います。

苦しみは、現状と理想のギャップがあるところに生まれます。
このギャップを埋めようとする強い内発的動機が高まることによって、人は創造性が発揮されるのだそうです。
選択理論心理学にも出てくる創造性。
ギャップは天秤とも言えるでしょう。
エンドオブライフケアにおいても、苦しみは現在と理想のギャップと言われていますよね。
学びを継続しているといろいろつながりますね。


内省と情熱と私
管理者になってからの私は、毎日が背伸びの連続。
持っている能力や自分の器以上のものを求められている気がして、「昨日の自分を1㎜でも超える」が自分の中での合言葉。スポ根。
頑張ってもうまくいかないこともあるし、失敗もします。
大変そうに思われるかもしれないし、落ち込むこともあるけど、それでも心が完全に折れることなくいられるのは、この内省を日々繰り返して、自分の価値観と向き合っているからだと思います。
(価値観ではなく美学と表現してますが。)

それに、見守ってくれている人がいることもわかるようになりました。
信じて、応援してくれている人がいる。
だから、その人たちのために頑張るのです。
この情熱が続く限りね!

まとめ
自分の価値観に気づくことができて、落ち込みからの回復の一助にもなる内省。
経験からの学びを未来に活かせる内省。
成長したいなら、やらない手はないですね。
オススメします。
ここまで読んでくれたあなたはもう本を1冊読んだようなもの。得しましたね!笑
あとは実践あるのみ。
応援しています!
幸あれ〜!


おわりに
前回、弟を亡くしたことをnoteにしました。
あれから約1ヶ月が経ち、先日無事に納骨を終えました。
弟の死は、まるで海のようです。
さっきまで生きていたのに、波にさらわれるみたいにあっという間に死んでしまった。
そして、ふいに、悲しみという波に姿を変えてやってくる。
(思いっきり山の中で育った私だけれど…海は広くて深くて波もあるし怖くて泳げません。)
みんなこうして大切な人との別れを乗り越えていくのかな…と考えたりしています。
心配してくださった皆様、ありがとう。
私は生きています!

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