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マーメイドの、ジュエリーボックス

こんにちは。きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂、店主の音海奏乃です。

今回は、前に書いた記事の答えが見つかった……気がするな、というお話。

これから、カナ・ノワール堂はどういうお店になっていきたいのか、立ち止まって考えてみました。

これだ! は、どれだ!

カナ・ノワール堂は"きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂"ということを掲げて活動しているのですが、これまでずっと悩んでいました。というのも音海奏乃という名の小さなヤドカリの触覚には、試してみたいことがいっぱい引っかかる。あれもいいな、これもいいな、なんてダイナミックに考えているうちに、まとまりが取れなくなってきます

いわゆる優柔不断、とは少し違うのですが、やってみたいことを端から端まで試しているうちに「あれ、結局これでいいんだっけ、なんか違うような……」を繰り返してしまうのです。パン屋さんで例えるなら、クロワッサンを作ろうと準備を始めたのに、あんぱんもいいな、カレーパンもやりたいな、と生地をさんざん練ったり成形したのちに、最終的にはボウルに戻して「で、何を焼こうとしていたんだっけ……」といった感じになっているのです。道筋がないのは自由ですが、その分決まりがありません。だからこのように、あっちこっち行ってしまうと余計な時間がかかるのです

カナ・ノワール堂の場合は、さらにメインテーマがぼんやりしていたことが原因でした。ここについては違う記事に書いたので、興味があればそちらをみてくださいね。


そんなこんなで、目的が定まらぬまま始まってしまい、右に左にふらつきながら、ぼんやりと見える何かを追っている状態。だから、カナ・ノワール堂には「これだ!」といえるテーマがなかったのです。

自分の気持ちを思い出してみたら

このままではいけないとわかっていても、なかなか修正するきっかけを掴めずにいました。「こういうの素敵だな」と感じるたびに、自分にも取り入れたくなって、また方向性を見失いそうになる。その人はその人、私は私、といったんは思うのですが、素敵なものが目に入ると、なんだか「それが正解」に見えてしまい、正解から離れている=自分はよくないと感じていました。しかしハンドメイドの世界に正解はないのです。その事実にも散々悩まされてきましたが、ここでいったん、そこから距離を置いてみることにしたのです。

自分はいったい、どうして"カナ・ノワール堂"を始めようと思ったんだろう、という、すごく初歩的な質問。でも、それにもはっきり答えられないようでは、この先続けていくことはできないのではないか。そう思った私は、「前はこう思ったんだけどな」と思い出そうとしますが、考えたこと、思ったことが何一つ残っておらず、気軽に振り返れる状態ではなかったのです。

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そのことに気付いて、今回改めて、専用のノートを手元に用意して、自分の気持ちや本当に表現したい事、目指したいことなどを書き綴っていきました。すると、頭の中でぼんやりとしていたイメージが、どんどんとはっきり見えてきたのです。

ちなみに、どうして、なんで、という質問方法より、「どうしてみたい?」「どうしてみようか?」という聞き方・考え方のほうが、私にはあっていました。なんとなく、なぜ、と聞かれると責められているような感じがするので、そこは自分に合うように表現を変えてみました。

音海奏乃の世界が、カナ・ノワール堂

奏乃の世界、カナノワールド、カナ・ノワール堂。これが、店名のきっかけでした。今回、改めて"音海奏乃の世界"というのがどういうものだったか見つめなおした結果、一つのテーマがはっきりと決まりました。

それが、"マーメイドのジュエリーボックス"です。

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少し前に、この表記とともに作品をアピールしていた時期がありました。けれど、「その割には花とか空とか、マーメイドや海の世界とは違うアクセサリーもあるよね」と考えてしまいました。そうやって勝手に自分の世界を狭めてしまい、テーマを見失っていたのです。

しかし、やっぱり音海奏乃の憧れはマーメイドなんです。海の中を自由に泳ぐ、好奇心旺盛な彼女たちが、私の理想。そこを外してしまっては、自分らしくない。そう、気が付きました。

だから、好奇心旺盛で、おしゃれ好きなマーメイドが、ジュエリーボックスに入れているようなアクセサリーを作りたい、と強く思い直しました。リトルマーメイドのアリエルも、フォークを持っていたのだから、好奇心旺盛な子が、地上の文化を積極的に取り入れていてもいいはず! と(妙に)自信を持ったのです。

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そのテーマが明確になったことで、もう一ついいことがありました。それは、写真撮影。今までは、ほかの作家さんを参考にしながら、「これが無難な方法で、少し個性も出せたかな……」と不安になりながらでした。でも、テーマが決まったので、それに合った世界観を作って、撮影すればいい! とわかったのです。小物遣いなど、今までしっくりこなかったものが、急に型にはまって、すっきりしました。

誰かのことを参考にするのはいいことです。でも、それで自分の世界が見えなくなってしまっては、意味がないですよね。

時間はかかるけど

ここまで気が付くのに、結構な時間を費やしてしまいました。ですが、別にそれを後悔しているわけではありません。人間、経験したことはすべてまたいずれどこかで役に立つと思っているので、後悔というよりは「勉強した」という気持ちでいます

ほかの人より時間がかかって、取り組むペースも遅くなってしまうので時間がかかって……。時は金なり、遅いよりは早いほうがいいのは、重々承知しています。それでも、今はこのペースでしか進めないので、人より時間はかかっても、確実に変えていくしかないのです。

カメに失礼なくらい、カメより遅い音海奏乃ですが、これからもゆっくりと、確実に、それでいて自分の道を見失わないように、進んでいきますので、よろしくお願いしますね。

きっかけアクセサリーのお店カナ・ノワール堂

音海奏乃

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