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想いのルーツを知った掃除

みなさん、こんにちは。
音海奏乃です。

掃除を通して、過去と今のつながりを感じた。
そんなお話。

それは突然に

その日は、心地よい快晴。
晴れた空のもと、私はベランダへ。
そして、おもむろに紙袋を開けて……。

この日は、朝から掃除でした。
家族の都合で、家を片付けることに。

誰のものかわからないようなもの。
あったことさえ忘れられていたもの。
そういうものと、出会えるのが掃除。

手伝っていたとき、一冊のノートに出会います。
冒頭の、紙袋から出てきました。
懐かしいな、ここにあったんだ。
そう思ったノートのタイトル。
それは、リハビリノート。

これは、高次脳機能障害のリハビリに使っていたもの。
親族が、くも膜下出血で倒れたのが6年前。
リハビリ病院に転院したのも、同じ年。
そのとき、病院に用意するようにと言われたノートです。

表紙には、大きなタイトルと、ざっくりと書いたうさぎ。
シールも貼られていますが、貼ったのは、看護師さん。
このノートで、交流が生まれていたのです。

ノートに絵を描いた理由

ノートは、全部で三冊。
今回出てきたのは、その三冊目。
いずれも、うさぎを書いています。
どうしてうさぎを書いたのか。
理由は二つあります。

一つは、親族も私もうさぎが好きだから。
記憶回復の一端を担えればいいと思ったのです。
何がきっかけで、記憶がつながるかわかりませんからね。

もう一つは、楽しんでほしかったから。
誰に、というのは、みんなに、なんです。
リハビリをする本人も、看護師さんも。
少しでも、楽しい時間を過ごしてほしいと思ったのです。

その思いが伝わったのか、ある日、うさぎが増えていました。
少しずつ増えて、最終的には三人の方が書いてくださって。
退院の日に、お礼を伝えました。
「うさぎを増やしてくださって、ありがとうございます」
すると、看護師さんたちからはこう返ってきました。
「私たちも、息抜きで楽しめたんです」
「久しぶりに、楽しく交流ができました」
そう言われたとき、とてもうれしかったのです。

忙しい時でも、楽しんでほしい。
その思いが、届いた。
そうして、仕事の合間に、楽しい瞬間を届けられた。
それが、一瞬でも、彼女たちの癒しにつながった。
望んでいたことが、叶った。
ノートを見ていたら、その日のことを思い出しました。

そして、これからも

ノートを閉じた後、最近言われたことを思い出しました。
「ちょっとした絵とか文章とか、上手だよ」
その言葉は、職場の方からいただいた言葉。
「いえいえ、そんな」
二人から言われても、謙遜しかできなかった私。
自分では、上手かどうかなんて気にしていなかったから。

【楽しんでほしい】
その思いから、絵と文章を添えた。
ただ、それだけだったんです。

実は、家でもよくやっています。
ちょっと寂しい空間を見ては、絵を描いて。
それがきっかけで、和やかな空間になる。
会話のきっかけが生まれる。
何気ない日常に、アクセント。
そんな、ふわっとした気持ちです。

その延長で、職場でもちょっと書いて……。
結果的に、職場の方々が気に入ってくれた。
仕事が大変なのを、知っているから。
ちょっとでも【楽しんでほしい】。
それが、届いた。

自分では、得意かどうかなんてわかりません。
ただ、そうすると楽しいから、そうしているだけ。
その楽しさを、共有したから、そうしただけ。
最終的に、それで人が楽しんでくれるなら。
やってよかったのかな、と思うのです。

今回の、掃除で知ったこと。
楽しんでほしい、という思いのルーツ。
それが、私の力になっているということ。

私の思いのルーツ。
それを知ることができてよかった。
そんな、充実した掃除でした。

次は、心の掃除に取り掛かります。
雨さん、空さんと一緒に……。

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