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人間関係、何事もペアリング

新生活をはじめられた皆様、おめでとうございます。
多くの皆様が、Happyな春を謳歌できることを心より願っております。

週に1回Note、Podcastを更新しようと思っていたのですが、今回は新生活を始められる皆さん、そして新しく部下、同僚、生徒を迎えられる皆さんに、これはいち早くお届けしたい!と思いNoteに向かっています。

この情報過多社会、「何を言うかより誰が言うか」というフレーズを何度か耳にしたことがあります。今回ご紹介したいABAのポイントは、まさにこれ。
ABAではペアリングと呼ぶ最初のアプローチです。

ABAのペアリングとは

ABAは、科学的根拠、データに基づいて人の行動を改善していく学問でありアプローチです。
DTT, SAFMEDS, NETなど様々な学習手法の研究がおこなわれているABAですが、だれが対象であったとしても必ず最初に行うのが「ペアリング」
新しい刺激と既知のポジティブな刺激をつなげる作業です。

たとえば、スキーが好きな人は「スキー」というアクティビティーと「楽しい」という感情がペアリングされています。
「スキー」=「楽しい」
そこで冬の北海道までスキー旅行にいきます。そうるすと
「北海道」=「スキー」=「楽しい」
となり、
「北海道」=「楽しい」
とペアリングされ、北海道に対して「楽しい場所」という印象が残ります。
これがペアリングです。

新たな出会いの季節、
「あなた」という新しい刺激にどんな刺激を結びつけるのか
ペアリングを意識して、1年のスタートを切りましょう。

新入社員・新入生を迎える側の皆様へ

もし、あなたが誰かに指示に従ってほしい、話を聞いてほしいと思っているのなら、必ず最初に行うべきことは
新しい刺激(あなた)

ポジティブな感情(楽しい、安心、信頼)のペアリング。
つまり、新入社員、新入生が、上司・教師が目の前に現れたときに、安心して積極的に関わりたいと思える関係を築くことです。

この信頼関係を築くペアリングをBuilding rapportとも呼びます。

どんなに科学的に正しい方法でも、
どんなにあなたの言っていることが正論でも、
どんなに相手を想っての言動であっても、

信頼関係がなければ相手には伝わりません。
たくさんの本を読んで、研修を受けて身に着けた「効果的だろう」とされるアプローチもこの信頼関係がなければあまり効果が発揮できないかもしれません。

「あなた」=「信頼・安心」

のペアリングが必要です。

新入社員・新入生の皆様へ

どきどき、わくわく、不安、緊張、様々な感情と共に新生活を迎えられたのではないでしょうか。新しい生活の中で自分の望む環境を手に入れるためにペアリングも意識してみてはいかがでしょうか。

私は、熱意と正義感だけで同僚、上司、会社に真正面から向き合って「私の思う」理想の社会を職場に作ろうと必死にもがいていた時期があります。
どんなに職場内外で勉強し、正論を並べても、聞いてくれるのは意気投合する同僚だけ。決定権のある上司には響かず、変わってほしい同僚には変わってもらえず、自然とあのグループ、このグループとグループ分けされ距離が開いてしまったように思います。

上司が自分と意見が合う、考え方が合う人とは限りません。
そんなとき、どう立ち回るのか。
転職する?
それも1つの考えでしょう。
でもどの会社に行っても大なり小なり思い通りにいかないことはあります。
そこで、1つでも多く自分の話が聞いてもらえる、意見が通るように、過ごしやすい職場環境になるようにペアリングを意識してみて下さい。
「あなた」=「信頼できる」
「あなた」=「面白い意見を持っている」
「あなた」=「話を聞いている」
「あなた」=「素直」
何でも良いです。上司が、同僚があなたの言葉に耳を傾けたくなるようなイメージをあなたに対して持ってもらえるように取り組んでみてはいかがでしょうか。

Building rapport(信頼関係構築)の勘違い

うまく行かない人間関係でありがちなこと。
ー相手に反論する(真正面からぶつかる)
ー交渉する (相手にどうにか言うことを聞いてもらおうと説得したり条件を交渉する)
ー問題行動を避けるために過剰に気を遣う
ー問題行動を許す
ー問題行動が起こらないよう要求するのを避ける
ー形式がなく一貫性に欠ける (流れが予想できない)
ー相手を過小評価する
ー問題行動を合理化する

Building rapportの6つの鍵

1.Proximity
距離感。相手のパーソナルスペースを保ちつつ、遠すぎないところで話す。手を伸ばしたら届く程度(60㎝)くらいが丁度良いとされています。
不快なほど近くはないけど、一緒にいることが実感できる程度に。
なので、遠くから指示はNG(特に大事な話は)

また目線の高さを合わせる。
相手が背の小さい人、座っているなどあなたが物理的に見下ろす状況であれば椅子に座る、しゃがむなどして目線の高さを合わせて話すようにすると良いです。

2.Reflect
相手の言動を反映した声掛けをする。
「緊張しているんだね」(様子を言葉で表す)
「納得いかないと思っているんだね」(同じ言葉を繰り返す)
「○○が悔しかったのか。」(表現を変えて繰り返す)
「よかったな。喜びがこっちまで伝わってくるよ」(様子に共感する)

自分を見てもらえている
理解してもらえている
理解しようとしてもらえている
ちゃんとあなたが相手を見ていることを伝えましょう。

教師時代、ある生徒に
「Aは○○だからな~」
と言うと、周りの子たちに一斉に僕はどうですか、私はどんな風に映っていますか、と聞かれたことがあります。
それぞれに良いところだけでなく、課題も合わせて私の印象を伝えたにも関わらず喜んでもらえました。「先生、すごい見てますね」とみんな嬉しそうでした。
どんな人もどこか自分を見てほしいと思っているところはあると思います。

3.Imitate/mirror
ミラーリングといえば一昔前に流行ったのでご存じの方も少なくないと思います。相手が髪を触ったら髪を触る、肘をついたら肘をつく、は少しあからさま過ぎて変かもしれませんが、隣で同じ作業をする、一緒に同じものを飲む、など同じ動きを共有する時間を作ってみてはいかがでしょうか。

4.Describe
次はあの教室に行きなさい
宿題出しなさい
オンライン会議では発言するとき以外はミュートで参加して
もう時間だよ、会議室に行って

これは要求です。要求を避ける必要はありませんが、(相手に求める)行動を描写して要求を言い換えることで反論(相手がイラっとすること)を避けられる可能性があがります。簡単に言うと命令口調にならないこと。

次はあの教室で○○の授業だよ。
宿題はここに入れるよ。
オンライン会議では発言するとき以外はミュートにしておくよ。
もうすぐ会議の時間だね。

5.Initiate
自ら進んでアプローチしていく。
ここで紹介したいのはBehavior momentumです。
いわゆる「ひざ」って10回言わせた後、「じゃぁこれは?」です。

相手にとって抵抗の少ない簡単な業務や課題を依頼して、本人が与えられた業務・課題にのってきたところで、抵抗の大きいチャレンジングなものを提示すると相手が断らずに挑戦する確率があがります。

6.Praise
褒める!
とにかく褒める。
行動学では罰より報酬の方が効果的だとわかっています。
罰を与えて問題行動を減らすより、
報酬を与えて望ましい行動を増やす方が人道的かつ効率的です。

褒めるときのポイントは褒めている具体的な「行動」を明確に示して表現することです。
×よくやったな!
×すごい!
×優秀だな!
○事前調査を丁寧にやった甲斐があったな。良いプレゼンだったよ。
○毎日継続して○○に取り組んでいる姿に感心したよ。
○分からないことをちゃんと質問する姿勢が素晴らしいよ。

以上、6つの鍵でした。

ペアリングを意識してよい新年度のスタートを‼

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