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【ワーホリ国際恋愛体験談】 ①29歳ギリホリ、どうしたって始まる恋

(※かつてワーホリに出たときのことを、出来るだけ周りに迷惑が掛からない程度にフィクションを交えています。)

昔々の、青臭くて、恥ずかしい話を晒す。

ワーホリでオーストラリアに飛び出したのは20代の終り。
29歳。
日本人のワーホリ女子に多い、いわゆるギリホリだった。

ここで何のこっちゃとなった方のために説明すると、【ワーホリ】とはワーキングホリデービザの略。若者が異国にて異文化交流をし、異文化経験として働く権利をもらえるビザのことを言う。

ここで言う【異国】とはどこでも良いわけでもなく、ワーキングホリデー協定を結んでいる国々があるので、その中から選択する。

【若者】の基準は国同士の取り決めによって違い、私が行った当時のオーストラリアでは30歳がそのラインだった。調べてみると2023年の今もオーストラリアにおける年齢制限は変わっていない。・
そして【ギリホリ】は年齢制限ギリギリのワーホリを利用する人間を指す。

29、まさにギリギリだった。

オーストラリアで私は毎日目まぐるしいほどの出会いと別れの中に居た。
出会いなんてひとの数だけゴロゴロその辺を歩きまわっていた。

目が合えば微笑み合うのが当たり前の彼の国、シャイな国民性の日本とは勝手が異なる。
スーパーでも道端でも、目が合って、微笑み合って、ちょっと挨拶して、何かが始まることは稀ではなかった。実際、スーパーで出会ったおじいちゃんとそのままカフェに一緒に行ったこともある。

私が超社交的な人間というわけではもちろんない。
オージー(オーストラリア人)やオーストラリアに暮らす人々がコミュニケーションお化けばかりなのだ。

数えきれないほどの出会いの中、大きく、小さく、いろんな恋をした。
ひょっとしたら単なる勘違いの連続だったかもしれない。

それでも当時は慣れない英語に四苦八苦しながら、些細なことで喜び、何も手につかなくなるくらい悩み、頭の中は常にグルグルとせわしなかった。

恋をするために旅に出たわけじゃない。だけどなんだかんだで始まってしまっていた。

旅と異国という非日常的なシチュエーションが、私の心を浮き立たせていたのは否めない。だがそれだけでは言い訳が足らないほど、私は多くの出会いに心をかき乱された。
認めたくはないけれど、私はひょっとしたら恋が無いと生きていけない類の人間なのかもしれない。

あの頃の私は常にフワフワと落ち着けずに漂っていた。

他国の人たちは自分の気持ちにとても正直だからすぐに行動に移る。
それでなくてもワーホリには基本的に1年(条件次第で延長可能)という限られた期限があるから、恋らしきものは次から次へとやって来る。

私の頭や気持ちはそれに追いつけずに迷子になる。
迷子になって、流されていた。
(続く)

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