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産科理学療法士のひとりごと

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まだまだ少ない「産婦人科でのリハビリ」を担当している理学療法士が綴る頭の中。
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#産婦人科

【産婦人科のリハビリ日記】理学療法士という認知度の低さ

このnoteを始めた頃には まだ産婦人科に介入する理学療法士が全然いなかったものの この数年で全国的にすごくたくさん増えてきたな〜って思います。 それでも、まだまだ「理学療法士」という職業の認知度は低く 何をする人なのか?というのが 一般の方のみならず 産婦人科内でも認知されていないというのを感じます。 同じように産婦人科の中で頑張ってる理学療法士さんから お悩みのDMなども時々いただくので 私の考え方もシェアしていけたらと思います。 ⬛︎リハビリテーション科という環境

【産科PTの臨床から】産後に腹横筋収縮を体感してもらうためのアプローチのポイント

産前産後の身体的変化は色々ありますが、ごく簡潔に言うと、 胎児の成長に伴って ●インナーユニットを構成するものがそれぞれ負荷を受ける ●重心位置が前下方に変化することで姿勢戦略が変わる 産後の体のケアをするにあたって 私がまず最初に学んだのがこのインナーユニットの変化でしたし この分野に入って10年近い今でもずっと向き合い悩み続けているのがここです。 ⬛︎インナーユニットが難しい理由が、インナーユニットの難しい点です。 インナーユニットが使えている状態にするのは、 腹

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【産婦人科のリハビリ日記】#28. PTとして産婦人科にいてよかったと思ったこと

産婦人科のクリニックで、産前産後リハビリの外来・入院中のケア・マザークラスでの講和・妊婦さん向けのインナーマッスルエクササイズなどを担当させていただくお仕事をしています。 PT1人で入っているからなのか、「私ちゃんとこのクリニックの役に立ててるかなぁ?」って不安になることがよくあるんですが、対応させてもらった患者さんによっては って思うこともありましたので、今回はPTとして産婦人科に存在していてよかったと思ったことをまとめてみます。 ■痛みを言語化してあげられる骨盤の神

【臨床】骨盤痛の妊産婦さんに多い整形外科の既往とは

産前産後に腰痛とか恥骨痛など 骨盤周辺のトラブルがあると 大体「妊娠中のホルモンの影響で骨盤が緩んだから」で 片付けられがちですが 実際にはそれは引き金でしかないよな〜と 思うことが臨床では多々あります。 ●靭帯が緩むのが原因なら全員がトラブル妊娠中の靭帯の弛緩は生理的な変化なので もれなく全員に起こる変化ですが それが原因で骨盤に痛みが出るのであれば 全員に痛みがあるはずなんですよね。 でもそうじゃないのは、 それ以外に原因になるものがあるからですよね。 それを「個

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産前産後の理学療法って何ができるの?

産前産後の時期の方に理学療法士は何ができるの? っていうのを、 たぶん一般的な病院や施設の理学療法士さんたちも あんまり知らないのかも...と思ったので 今日は徹底的に産婦人科PTにできることや その専門性などをを書いてみたいと思います。 1. 産婦人科のリハビリで多く出会う訴え本当はグラフ化したものもあるんですが ちょっと勝手に出してはいけないと思うので 多いものだけ羅列すると... パッと見はやっぱり骨盤周囲が多いかなっていうのも あるのかもしれませんが 基本的には