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ローマ法王に米を食べさせた男

〜過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?〜

UFO番組などを手掛ける元テレビマンだった著者が、実家の寺を継ぐということで石川県羽咋市に帰郷。羽咋市役所で臨時職員として過疎化が進む村で働くことに。
当時(1984年)のお給料手取り6万8千円。
お金でしか動かない今の社会に、自分が「本当にしたいこと」「喜びを感じること」について考えさせられる本でした。

歳を重ねていった先に、信頼できるものがお金しかないような人生を生きないように。
そんな大事なことを教えてもらいました。

「人体主義」という考え方。(P22)
村を人間に例えてみる作業をしました。
社会を構成する最小単位は人間です。
人間が集まって、家庭を築きます。家になります。家が集まって、村や集落になる。それが集まって、町になって、市になって、県になって、国になっている。
だから人間の身体の中で起こることは、村でも起こるはず。
なぜなら村の最小単位は人だから。

例えば20年くらいの間に痩せ細ってしまった村を、自分の左手だと思えばいいんです。
ならばどんな施策を取るか?
代表的なのは2つしかありません。
まずは、いらないから切ってしまえというような害虫駆除的な発想。
悪いものは全部切除するやり方です。最初から、不便な豪雪地帯の過疎地に住まなきゃいい。平野部に降りて下さい。という考え方で、実際に移住施策を取っている地方もあります。
けれど考えてみて下さい。
もし自分の左手がガリガリになっていた時に、切断しますか?
何としても元に戻そうとするんじゃないですか?
我々が考えたのは、この後者のリハビリなんです。
リハビリを村でやれば、人間さえ元に戻るんだから、村は確実に元に戻ると考えたんです。

そこで血液を貨幣と考えた。
人間の身体には、必要な所に必要な血液が巡っている。
人間の身体は取り巻く環境が変わっても、体温維持、血糖値の調節、浸透圧の調和など、生きていく上で重要な機能を常に保つ働きをしている。
「身体の危機管理システム」が働いている。
つまり、怪我をしたら治るはず。
リハビリ運動をすると血流が生まれ、栄養も行き始める。
限界集落の場合、リハビリ運動は「交流」、血液は「貨幣」と考えた。
ならばまず求めるものはお金じゃなく運動、交流です。
だから人を集める方法を考え、それが「人体政治学」「人体経済学」という、
人体主義なんです。

ローマ法王に米を食べさせた男

地球の最小単位も人間です。
個々の人間が自分自身を思いやり労り、健康に保つことができたら、
今、世界で起きている環境問題や戦争紛争も、もしかするとなくなるのかもしれない。
他人を変えることはできないけど、自分を変えることは誰にでもできる♡

♡読書

著者 高野誠鮮(タカノジョウセン)さんを知ったキッカケはこちらの動画⭐︎

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