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写真のセレクト

「写真をどうやって選んでいますか?」


デジカメはシャッターが無限に押せて、まぁ押す手を止めなければ何枚でも撮れます。
そして、ストレージやHDDをしっかり用意すればこれまた無限に保存できます。
失敗した写真を消したり、おっ、コレは良いなという写真を選んだりして枚数を削ったりしてる人もいるんでしょうか。

最近は暗室に入る機会が年に3回くらいになってしまったのでフィルムやってますと威張れないのですが、フィルム作品のときの作品のセレクト方法をご紹介します。

①コンタクトシートを焼く


あまり白飛びしすぎているコマなど、ネガの状態が悪すぎるものは深追いしません。キリがないことと、大四切以上に伸ばしにくいからです。

②コンタクトシートに印をつける


コンタクトシートに小さめの丸シール(なんて言うんでしょう、黄色、赤、青、緑、白がたくさん並んでる文具屋で売っているシールです)で、大きく引き伸ばしたいものにあたりをつけます。迷うものにもすべて貼ります。明るい場所で必ずします。

③RCプリントを焼く


以前はオリエンタルの光沢紙を使っていました。今は暗室で借りられるものを借りています。六切りサイズにしています。
暗室ではシールを貼ったコマを中心にひたすら焼きますが、暗室内で目が肥えたりゾーンに入っちゃったときはシールを無視して「これだ」というものを焼きます。
焼く必要のないもの、良い作品は経験値で分かっていきます。

④すべて床に並べる


一定期間焼き溜めたRCプリントを、できるだけ広い場所に並べます。すごく広い机があるならいいですが、俯瞰できるほうがいいかも。
もちろん焼き損じたプリントや、似たものはあらかじめ省いてください。そこは比べて判断できるはずです。

⑤作品になる固まりを見つける


このセレクト法は、展示をされたいかたや、レビューに出すためにテーマを絞りたいかた向けかもしれません。タイトルやステートメントを常日頃から書き溜めていてください。
もうそこからは神経衰弱のようなものです。広げたプリントの中から、タイトルならタイトル、テーマならテーマの答え合わせをする。違うと思ったら床からどかし、そうだと思ったものを近付けていく。
たとえば8枚だけ出すグループ展なら、2段並べでも近い枚数まで段にして絞っていく。数枚の誤差は本番プリントやサイズを変えたりしているうちに削られるのであとで絞れます。本当に絞れないときは本番の会場のスポットライトに当てれば分かります。

⑥本番プリントを焼く


サイズや枚数が定まってきたら本番プリントを焼きます。大伸ばししたときにそれに耐えられないプリントは消えます。あとは逆に大して見た目良くないのにどうしても捨てられない作品は入れます。過程はありますが、勘が必要な世界です。セレクトは、これがいいから、あれはよく見えるといった頭で選ぶ価値観は捨てます。今まで自分が写真集や写真展、見てきた自分の写真や良いと思ったものの目を使います。


「じゃあデジタルはどうやって選ぶの?」


ここまで書いたのはわたしが今までフィルムで作品を発表するようになってからのフィルム写真のセレクト方法です。
デジタルは今も試行錯誤中ですが、どこか会場を借りて紙媒体で発表するならば同じような方法で選んでいます。お金がなかったので、『プラタナスの光』(新宿ニコンサロン2023)はコンビニのコピー機で刷った紙を床に並べてセレクトしました。その紙で応募したら落ちたので紙変えて応募し直しましたが(笑)

セレクトに必要なのはテーマとの擦り合わせだと思います。
不在がテーマなら人をいれなきゃいいし、存在感が必要なら人を入れればいいし。やればいいことは、そういう文字と写真との答え合わせです。それならばパソコンの画面上でも出来ると思います。
迷ったとき、決められないときは、どちらを選んでも間違いはありません。それはあなた自身が撮ったものだから。やってみて違うと思ったら戻せばいいだけの話なので、まずは選ぶこと。選ばなかったほうを思い切って捨ててみてください。



SIGMA dp1 Merrill ISO400 −1ev auto


さて、過労と愛憎話しか書いてないので真面目に写真の話書きました。あと点滴一本打たれたら寝ます。週末退院出来そうなので体力戻さなきゃなぁ。桜撮ってないのに散っちゃったかなぁ。
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