秋田・北海道鉄道乗り潰し旅 北海道編
いつもお読みいただき、ありがたうございます。玉川可奈子です。
先日、岐阜県の長良川鉄道と名鉄を完乗しました。そのときのことは次回、載せる予定です。国内の鉄道全線制覇が見えてきました。
ところで、先週の土曜日、自宅で「人生の楽園」を観てゐました。TV嫌ひの私ですが、これだけは観てゐます。あのやうな暮らしに憧れてゐます。
先週の「人生の楽園」では、山梨県に移り住んで、夫婦でりんご農家になつた方のお話しでした。両者は婚活アプリで出会つたとか…。私もさういふ努力をした方が良いのでせうか。
以上、枕。
前回の続きになります。どうか最後までお付き合ひください。
なほ、蛇足になりますが、道内のJR線は全て乗車してゐます。
青函トンネルを抜けて
秋田内陸縦貫鉄道に乗り、角館駅から鷹巣駅に来ました。
鷹巣駅からJRの奥羽本線に乗ります。なほ、秋田内陸縦貫鉄道では鷹巣ですが、JRでは鷹ノ巣です。
次の列車に乗り換へるまで時間があつたので、駅前を散策してゐました。寂しい商店街、いたたまれなくなり、駅に戻りました。
ホームで待つてゐると十三時五十一分、特急つがる3号がきました。
車両はE751系、四両編成です。かつて、スーパーはつかりで運用されてゐました。この車両に乗るのは十九年ぶりでせうか(スーパーはつかり時代に、青森駅から盛岡駅まで乗りました)。
車内はかなり空いてゐます。
奥羽本線の落ち着いた車窓を、のんびり眺めてゐました。
途中、大館駅は懐かしい駅です。かつて青春18きつぷの旅をした時、友達と朝まで駅のベンチで始発列車を待ちました。駅舎や駅前が、当時と変はつてゐました。
大鰐温泉駅前にも、新しい建物があり、時の変化を思はせます。そして、車窓にりんごの木々が目立つやうになりました。
次の弘前駅を出ると、雲がかかつた岩木山が車窓左手に見えました。
十五時十四分、新青森駅に着きました。ここから、新幹線に乗り換へます。十五時二十九分、はやぶさ23号が入線してきました。これに乗り、新函館北斗駅まで行きます。
車窓は田園とかなたに陸奥湾が広がる素敵なもので、東北新幹線のそれよりも良いです。
奥津軽いまべつ駅を十五時四十五分ころに通過しました。こんなところに新幹線駅を作る必要性が理解できません。いわて沼宮内駅や岐阜羽島駅もさうですが、妙なところに新幹線停車駅を作るのは無駄だと思ふのです。
十五時四十八分、車内の電光掲示板に青函トンネルに入つたと案内が出ました。映画「海峡」が思ひ出されます。
今思ふとすごい面々です。
青函トンネルの所要時間は、二十二分とのことです。
みちのくの 津軽の奥の わたの底 渡島の路は たまのをばかり 可奈子
十六時十四分、木古内駅に着きました。
玉川、何を血迷つたのか、ここで列車を降りました。
実は、気が変はり、木古内駅から道南いさりび鉄道に乗ることにしました。女心と秋の空、といふものです。
道南いさりび鉄道はかつてJR北海道の江差線でした。しかし、北海道新幹線の開業と同時に、JR北海道から見離され、もとひ切り離され第三セクターとなりました。
道南いさりび鉄道に乗る
たまのをの時を利用して、駅前の道の駅みそぎの郷きこないに寄りました。
じつくりと見たかつたのですが急ぎます。滞在時間わづかに一分でした。
ほとんど見ることなく引き返し、列車に乗りました。
車両はキハ40系です。かなり、年季が入つてゐます。
道南いさりび鉄道になつてからこの路線に乗るのは初めてです。
空も薄暗くなる中、函館駅に向けて走り出しました。
車窓左手には新幹線の高架、右手には海が見えます。まばらに見える民家の中にはお洒落なものも見えます。
最初の停車駅である札苅駅では、海が木で見えなくなります。ここから少し位置が高くなります。車窓に見える薄闇の防波堤は風情があります。
泉沢駅も海からほど近いところにあります。ここで列車交換のため、しばらく停まりました。
貨物列車がゆつくりと過ぎ去つた後、私の乗る車両も発車しました。
釜谷駅に着く前、かなたに函館山と思しき景色が見えました。
朝見れど 飽かぬ白波 渡島なる 釜谷の浦に 夜見つるかも 可奈子
渡島当別駅が近づくと、ますます函館山が近くなりました。しかし、同時に空も暗くなつて行きます。
次の茂辺地駅までの道で、ぬばたまの闇の中ですが、確かに函館山を見ることができました。
茂辺地駅には、国鉄色のキハ40系と交換しました。
ここから函館湾をまはり、五稜郭駅を経て十七時三十四分、函館駅に着きました。
隆盛を誇りし函館駅も今は寂れてしまつたやうに感じます。特急北斗が発着するのがせめてもの救ひでせう。
函館市電と湯の川温泉
お腹が空いてきましたが、お店にはまだ入れません。ここから、路面電車に乗ります。
実は玉川、路面電車で、谷地頭駅から湯の川温泉駅までは行つたことがあります。しかし、終点の湯の川駅及び函館どつく前駅までは行つたことがありません。なので、乗りに行きました。
そして、折角なので谷地頭駅にも行きました。
谷地頭には、谷地頭温泉といふ茶色い湯の温泉があり、卒業旅行のときに入りました。
あつさりと湯の川温泉駅に着き、函館市電を完乗しました。
けふはこのまま湯の川温泉のホテル雨宮館に泊まります。卒業旅行以来の湯の川温泉です。
温泉に入る前にホテル併設のラーメン屋・しおいちで塩ラーメン(700円)をいただきました。薄味で、店主に言はれたので胡椒で味変しました。
温泉はかけ流し、熱めの塩化物泉で、ph値は7.0です。サウナもあつたので、三セット入りました。温泉とサウナ効果で心も体もぬくぬくです。また、風呂上がりのコアップガラナはチート級の美味しさでした。
女性用カプセルルームで寝るのですが、かつてのB寝台を思ひ出します。
翌朝。
朝から雨でした。しかも寒〜い。
さて、湯の川温泉駅から路面電車で函館駅に戻つた私は、朝市に向かひました。
朝市では、カニがたくさん売られてゐました。水槽にゐる毛ガニが可愛いですね。
イカの釣り堀には、朝から行列ができてゐました。興味がないので、近くの水槽を見てゐました。
支那人相手の商売が盛んで、簡体字による案内も目立ちました。支那人にカニやイクラはいくらでも売つて良いと思ひますが、水源地や土地を売るのはやめませう。ダメ、絶対!
朝市を冷やかした後は朝食にします。
いくつかの店を見て、一番空いてゐたいくら亭に入りました。
豪華な函館大漁丼(2,920円)をいただきました。けふはチートデーです。一応、玉川、これでも糖質制限をしてゐます。
北斗3号に乗る
朝市の後は、特急北斗3号に乗るために、函館駅へ行きます。
駅にはいかの形をしたポストがありました。
早くもホームには北斗3号がゐました。
北斗つぽい曲を聴いてゐます。
車両はキハ261系1000番台のそれです。私の座席は進行方向右手の窓側です。残念なことに、コンセントが付いてゐません。お金のないJR北海道に、求め過ぎるのは酷でせうか。
七時三十七分、函館駅を出発しました。気圧と寒さで頭痛がします。出発してすぐに五稜郭駅に着きました。ここで数名の乗車がありました。キハ40系二両編成と交換して、北へ。次は昨日降りる予定だつた新函館北斗駅です。七重駅で運転停車の後、新函館北斗駅に着きました。
景色の感じが、本州とは違ふ気がします。やはり、広大にして荒涼、それは新函館北斗駅あたりでも感じられるのです。
ところで、新幹線はさらに北に伸びて行くでせう。車窓左手には、さらに鉄路が伸びてゐます。建設も一部ですが進んでゐます。しかし、この在来線はどうなるのでせうか。道南いさりび鉄道に移管されるのでせうか。
また、函館本線の長万部駅から小樽駅までの廃止は決定してをり、今後ますます北海道の鉄道は寂れて行くでせう。
森駅へ向かふ途中、車窓左手には小沼が見えます。
晴れてゐれば大沼公園駅を過ぎたあたりで駒ヶ岳も見えるでせうが、けふは雲に覆はれてゐました。木々が本州のそれ以上に鮮やかに色づき、いにしへの万葉人が見たらさぞ感嘆したでありませう。
駒ヶ岳駅から列車はグネグネと走ります。
廃止された姫川駅跡を抜け、雲に覆はれた駒ヶ岳を過ぎると、車窓に内浦湾が現れます。
森駅に着きました。
森駅は、いかめしの駅弁が有名です。
雲の隙間から天つ日が出てきて、にはかに温かくなります。かつて、初めて北海道旅行をした時、森駅のこの景色に感動しました。その感動は今も変はりません。
内浦の 浜辺に寄する 白波は 年は経れども 見れば楽しき 可奈子
ここから列車はしばらく海沿ひを走ります。
列車は速度を上げ、軽快に北へ向かひます。
八雲駅に着きました。ここまでで十分に満足できる車窓ですが、リゾートしらかみのやうな観光列車があつても良ささうな景色です。森駅発苫小牧駅行きで、小幌駅に二十分くらゐ停まる列車があつたら乗りたいです。古くなつたリゾートしらかみくまげら編成を買つてしまへば…などと妄想してゐました。
八雲駅を出てしばらくすると、海が近くなります。荒涼とした感じが好きです。「いい日旅立ち」の「岬のはずれに少年は魚釣り 青い薄の小道を帰るのか」といふ一節が思ひ浮かびます。
九時五分、長万部駅到着。ここまで、大きな建物がなく景色が良いです。
長万部駅で数名の人が降りて行きました。
次の洞爺駅までに間、最強の秘境駅として知られる小幌駅があります。iPhoneSEを構へて待ちました結果、無事に撮れました。
小幌駅のことはまたどこかで書くでせう。
洞爺駅、伊達紋別駅を経て、東室蘭駅に着きました。室蘭は他の駅よりも栄えてゐるやうな印象を受けます。
ここから景色は内浦湾から太平洋になります。しかし、木々などに遮られ、なかなか海が見えません。少し遠くに感じる中、富浦駅あたりで海が近づきました。そして登別駅に着きました。温泉が有名です。
次は白老駅です。ここで、日本人は単一民族と言つたら炎上しさうですね。アイヌにしろ、部落にしろ利権が影にあるので嫌です。
白老駅を出ると、牧場がありました。馬が一頭、放牧されてゐました。車窓左手にも牧場があり、馬がゐました。また風不死岳も見えます。なほ、私、サラブレッドのしなやかな姿、優しい目がとても好きです。
苫小牧駅に着くころ、王子製紙の大きな工場や駅前ホテルなど、今までにない建物が現れます。駅前も賑やかです。ここから海を離れます。
南千歳駅に向か途中、車窓にふたたび牧場が現れました。草を食む馬の姿に癒されます。
南千歳駅を出ると、次は新札幌駅です。けふは、新札幌駅で降ります。
札幌市電完乗
十一時十八分、定刻に新札幌駅に着きましたが、寒い。寒いのですが、街行く人は薄着です。半袖の人もゐます。道民、強し…。
新札幌駅前が、前に来たときより発展してゐるやうに感じました。前に来たには二十年くらゐ前ですが。
ここから地下に潜り、地下鉄の乗り潰しをします。
地下鉄はつまらないので、ダイジェストでお送りします。
東西線・宮の沢駅→東西線・大通駅→南北線・麻生駅→南北線・真駒内駅→南北線・大通駅→栄町駅・東豊線→福住駅・東豊線→豊水すすきの・東豊線
以上、無事に乗り終へたので、次はすすきの駅から路面電車を一周します。
外回りに乗つたのですが、車内は混雑してゐます。
さういへば、前に札幌に来たときは、「思ひ出夜行 はまなす・ミッドナイト」に記した時でした。
記憶は曖昧で、路面電車に乗つてはゐるのですが、どこからどこまでか覚えてゐません。しかし、北海道神宮と護国神社を参拝したことは確実です。
あと、極楽湯(確か弥生店)にも行きましたが、今は閉店したさうです。
列車はかなりゆつくり進みます。それにしても、何故こんなにも混んでゐるのか不思議です。ちよくちよく降りては、ちよくちよく乗つてくるので、空いてくる様子がありません。
また、旧式の車両は床が高いので年配の人に優しくないのが嫌です。私の乗る車両には、「平成19年度改修 札幌交通機械(株)」といふ表示があり、見た目も実際も相当に年季の入つてゐるものとわかります。早く新しい低床型を完全に導入させてほしいものです。その方が静かだし、揺れないし。マア、さうは言つても先立つものがないでせう。
電車事業所前駅では、路面電車の車庫が見えました。そして、次のロープウェイ入口駅で多くの人が降り、車内にはやうやく空席ができたのと同時に、立ち客がゐなくなりました。降りた人らは、藻岩山に登るのでせう。
西線14条駅でまた多くの乗車があり、立ち客が現れました。なかなか車内が落ち着きません。いつもかうなのでせうか。中央区役所前駅あたりで、またまた混みました。西4丁目駅でゴツソリと降りて行き、少し落ち着きました。この時に下車した人に、一万円札しかなくて両替できない若者(カップル)や、ICカードに残高がなくしかもそのことが理解できずになかなか現金で支払はない老婆がゐました。
再びすすきの駅に戻り、無事に札幌市交通局の地下鉄、路面電車を完乗しました。これで、残りは名鉄、リニモ、名古屋市交通局、長良川鉄道、ゆいレールのみとなりました。
すすきので何かを見ることもなく、すぐに札幌駅に行きました。
ところで、すすきのの交差点で参政党の党員が演説をしてゐました。手伝つてゐるおばさんが若者に一所懸命に語りかけてビラを渡さうとしてゐるのですが、相手にされません。そして、何故か私に声をかけてきません。おばさんから見れば、若い男性の方が魅力的なのはわかりますが、露骨に相手にされない私つて…。
筋金入りだから相手にする必要がないことが直感でわかつたのでせうか。
帰りは、新千歳空港から飛行機(ジェットスター)です。
札幌駅のお土産屋さんでいろいろ買ひました。
また、駅弁も衝動買ひです。けふはチートデーです。さらにホームの立ち食ひそば屋でにしんそばも食べたら、苦しくなりました…(秋田駅で食べたそれよりも美味しかつたです)。
札幌駅は、駅弁屋さんがゐたり、ホームにおそば屋さんがあつたり、失はれて、ごくわづかとなつた鉄道文化が生きてゐます。
札幌駅から快速エアポート170号の指定席(uシート)に乗り、新千歳空港へ行きました。
uシートのuはUWFとは関係なささうですね。
新千歳空港から飛行機に乗るのは初めてです。
飛行機は満席でした。私の隣の席には、若い夫婦が座り、寄り添つてゐます。いちやついてゐるのを見たらなんか悔しいといふか、いたたまれなくなり、あんバターどら焼きを頬張りました。
無事に成田空席に着き、スカイライナー76号で家に帰りました。
それにしても札幌は寒かつた…。関東はあたたかいです、はつきり言ふて。
最後までお読みいただき、ありがたうございました。
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