2018 全国俳誌協会新人賞応募作品

全国俳誌協会新人賞に応募した15句です。全国俳誌協会『俳句展望』に、新人賞応募全作品の入選しなかった作品についても講評を掲載していただき、ちょっと驚きました。励みになります。とても。

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風鈴は何度も何度も発進する
夏の果砂糖を舐めてまだ続け
白玉に平然として脛齧り
緑陰に意味をなくした文字の積
分度器をプールにそっと沈めてる
夏めいて襞に鴉を飼っている
盛り場に割り込んでくる林檎かな
焦がれたら目から描いて冬隣
来ないもの居ないものあり秋夕焼
十二月肩を掴めるようになる
星の名前忘れてしまう冬の夜
ひとしきり泣いて吐いたら白い息
見開いた新聞紙には春の闇
白魚は瞳をひゅっと黒くして
初蝶と猫のゆくえは知らぬまま

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出すときは無邪気に楽しく出したものの、書き出してみると未熟かつ未完成な句ばかりで申し訳ない気持ちになる。赤羽根めぐみさんに講評していただきました(赤羽根さんの句、とっても好きなので本当に嬉しかったです!)。

「焦がれたら目から描いて冬隣」「白魚は瞳をひゅっと黒くして」の二句について、動きや密な動きが感じられる、と言っていただいた。淡い色調の印象。一句に凹凸をつけるとぐっと引きつけられる句になる。いただいた言葉を大事にして、俳句、続けていきます。ありがとうございます。

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