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みうらじゅん「ない仕事」の作り方

7年ほど前にタイトルに惹かれて衝動買いした本です。

大企業のサラリーマンが最も苦手とするもの、それは何もないところから仕事を作ることなのではないかと思います。大企業は歴史があるところが多いだけに、業務の多くは過去から継続して行われてきたものだからという理由で前任から引き継ぎ、続けている業務がたくさんあります。また事務処理の量も膨大なため、「なぜこの作業が必要なのか?」や「この業務をやめたら問題はあるのか?」という疑問は置いておいて、まずは処理することが一番で、深く考えずに既存の業務対応ばかりになり、自分から新しい仕事を作っている人は少数なのではないかと思います。

若手の頃からそのような仕事スタイルを続けると中堅、ベテランになっても既存の業務の処理スピードは速くなっても、新たに仕事を作り出すということが出来ない人材になっていきます。

かく言う私も、(一応)大企業に勤めており、与えられた仕事を形にすることや前任から引き継いだ仕事をやり方を改良して効率化すること等は得意なのですが、何もないところから自分が仕事を作り上げていくことが苦手だと感じております。そのようなコンプレックスと問題意識があるので、本のタイトルに惹かれたのかもしれません。

まえがきで、みうらさんは このように仰っています。

「どんな仕事であれ、”やりたいこと”と”やらねばならぬこと”の間で葛藤することが多いと思います。それは私も同じです。そこで肝心なのは、そのときに”自分ありき”ではなくて、”自分をなくす”ほど我を忘れて夢中になって取り組んでみることです。新しいことはそこから生まれます。」

大企業に入る人ほど実際は自分なんてないくせに変にプライドだけ高くて、思い込んでいる自分ありきから抜け出せず、夢中になることをカッコ悪いと思ってしまう人が多いのではないでしょうか?若い時からそのような仕事の取り組み方をしているうちに、夢中になって取り組むということが出来なくなり、新しいことを生み出すことが苦手になってしまうのだと思います。この新しいことを生み出すヒントは、どんな仕事にも当てはまるものだと思います。

また、あとがきではこのようにも仰っています。

「人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていては駄目だということです。なぜかというとつまらないからです。皆と同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。それよりも、人がやっていないことを見つけて達成するほうが、楽しいじゃありませんか。」

戦略論の大家マイケル・ポーター先生が提唱する競争戦略論は、言い換えると競争”回避”の戦略論です。いかに他社と違うことをやって競争を回避し、独自のポジショニングで競争優位性を構築するかです。みうらさんは、理由を楽しいからとかつまらないからという表現をされていますが、みうらさんが芸能界で独特なポジショニングを構築出来ている理由の本質は同じだと思います。

ということで私の中でみうらじゅんさんは、ポーター先生に匹敵する戦略論の大家だと思っています。戦略論の観点で読んでも面白いですし、単純にみうらさんの過去の仕事内容を読むだけでも面白いのでおススメです。

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