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「基本、記事は読まれません。」タイパ重視戦争で”勝ち残る”記事を書くには

「書く」+αを学ぶMarbleでの編集講座の2回目。
今回もフリーランス編集者のえるもさんからガッツリ学んでいきます!
というか、ガッツリどころか「ボーナスステージか?」と思えるほど編集についての情報が満載でした!(マリオでいう、取るべきコインがたくさんある感じです)

ちょっと長めの文章になってしまいましたが、一緒にコイン(有益情報)を獲得していきましょう!
それではスタート。

情報(コイン)を獲得するぞ!の図

良いコンテンツとは

編集とは「”良いコンテンツ”をライターさんと一緒に作り上げていく仕事」とえるもさんは言います
なるほど。
では、良いコンテンツとはなんぞや?

それは、読者に何かしらのアクションを起こさせるもの
良いコンテンツをつくるために、何を意識して記事を書けばよいのか?というところから、今回の編集講座は始まります。

コンテンツ作りで大切なこと

大前提として、人は文字を読みたくないし集中力も続かないと主張するえるもさん。
わたしたちライターが渾身の想いで文章を書いて、どれだけ内容が良かったとしても読者が読んでくれないと意味がありませんよね。

つまり、いかに最後まで読んでもらえるか?を意識してコンテンツを作ることが大切。
そのためには、下記の4つを意識する必要があります。

どれも重要なのですが、個人的に最初からクライマックスをチラ見せがすごく共感できました。
大切な部分を最初に持ってくることで、記事に引き込む。

例として取り上げられたこちらの記事では、最初から「どういうこと!?」と読者に思わせて、先を読んでもらう記事となっています。

また記事だけではなくTikTok、Youtubeでもよく使われており、例えばビジネス系で有名なサラタメさん。
重要な一文だけ最初に伝えてから、タイトルコールに入っています。

読まれる記事入っている4つの要素

読者のスタンスを意識しながら、読まれる記事にはどういった工夫が施されているのでしょうか?
大きく4つ紹介されました。

今までの講義(インタビュー講座、編集1日目など)でも、「要素」の話は何回か出てきたのですが、今回は実際の記事を例にあげて説明いただきました!

例えば、こちらの記事↓

タイトルを見たときにアイドルと仏教が結びつかないので、「どういうこと!?」となり、興味を引きます。

また、「アイドル」というワードも◎
最近は、「推し活」といって好きな人・キャラ(=推し)をいろんな角度から応援するスタイルがブームです。
時流ワードを使用することは、多くの人の目にとまり、クリックしたくなるタイトルとなりえます。

【有益余談】”人の人生”をタイトルにする

いつものことながら、えるもさんの余談はとても有益。

講座の中で、「ある人物をさまざまな角度で切り取ってタイトルをつける」という練習時間があったのですが、慣れていないわたしは全然出てきませんでした。(苦労して1個出たくらい)

目を惹くタイトル付けを身につけるにはどうすれば?という質問に対して、えるもさんは「”人の人生”をすぐにタイトルにする」練習がオススメとのこと。
会う人に対して、できる限りその人の人生を表すタイトルを付けてみるのだとか。


ちなみに身近な例として、わたしの最近の母親をタイトルにしてみました。

リア充、末永く。久々に帰省したら、天真爛漫な60歳の日常が心のエネチャージでしかなかった

…時流含め、いろいろ精進あるのみ。


ライターであれど、編集視点をもて

いよいよ編集についての本格的な内容に入っていきます!
とはいえ、実際に編集作業をするときは、校正・校閲なども行うときがあります。
まずは、そのあたりの基礎説明を。

校正・校閲・編集の主な違い

校正、校閲、編集の主な違いとポイントは下記のとおりです。

「編集視点」とは?

編集という作業を知らない人からすると「文章単位で表現などを修正するものかな?」と思うかもしれません。
私も実際にそんなイメージでした。
しかし、編集はもっと奥が深い。

例えば、あがってきた原稿に対して時流を踏まえたり、炎上リスクを考えて読んでみる。
単に事実などの表面的なことではなく、その背景や本質もまるっと含めて考えた上で、読者にどういう表現で伝えよう?と考える。

つまり、一つ一つの表現や文章などの「ミクロ」と、企画や記事全体、記事を超えて世の中の動きを含めた「マクロ」の両方の目をもつことが編集視点なのです。

ライターが「編集視点」をもつ意味

ライターこそ、編集視点が大切とえるもさんは言います。
なぜなら、ライティングをしていると原稿を整理することに集中してしまい、表面的な情報や取材対象者の言葉をそのまま伝えがちです。
(わたしも、やってしまいがちかも…。)

もちろん書いている時はライター視点でOK。
しかしその後の推敲段階で、「編集視点」を持つと「伝えたいこと」が伝わりやすくなるというメリットがあります。
読者に伝わってこそ!ですね。

校正・校閲のポイント

校正・校閲をする場合は、大きく4つのポイントをチェック!

それぞれとても大切なポイントですが、ココでは最後の「違和感を大事にする」ということを少し書きます。

違和感を大事にする

基本の文法チェックや情報の正誤や鮮度のチェックができたら、最後に違和感の確認をします。
読んでいて引っ掛かる「違和感」を覚えたら、調べる癖をつけましょう。

文章だけでなく、表現や世の中の流れに合わせた言葉についてもアンテナをはることが大切です。

違和感・表現のひっかかり例
・この人はこの言葉・表現を使うか?
・この表現で傷つく人はいないか?
・この言葉は時流にあっているか?

 例)サラリーマン/OL → ビジネスパーソン
   主語が大きな表現(「女性特有の〜」「男性は〜だ」)

編集するときに気をつけるべきポイント8選

編集者としてがっつり働いている、えるもさんならではのTipsも含めて書いていきます!

1.記事の目的・ゴールの意識

記事には、目的・ゴールがあるはずです。

目的:なんのための記事か?(資料DLのため?入会のため?)
ゴール:読者にどんな行動をしてもらうか?どんな気持ちになってもらうか?

しかし、書いていると意外と忘れがち!
目的とゴールが曖昧になった文章は、完成したときもぼんやり文章になって面白みが半減します。
また編集者という立場上、ライターさんが目的とゴールを忘れないようにする工夫も必要。

<工夫点>
タイトル付近やコメント欄を活用して、目的とゴールを書いておく。
そして、常に気にかけながら作業する。
(ライターさんも確認できる)

上記は、ブログやインスタの文章を考えるときにわたしもよくやります。
これがあると、下記になる余分な文章をカットする判断もできるのでオススメですね。

2.情報の取捨選択をする

記事を書いていると、アレもコレも読者に伝えたい!と感じるときもあるでしょう。

しかし・・・。
情報が多すぎる文章は「伝わらん!」

不必要な話は思い切ってカットする。
すると、主張がわかりやすく、人に伝わりやすい記事となります。
(カットはもったいないかもしれないが、伝わらないほうがもったいない!)

3.構成から疑う

編集をしていると、文章や表現単位で記事チェックをしてしまうときもあります。
しかし、そんなときこそ「編集者視点」の意識を忘れずに

「そもそもこの構成でいいのか」
「こっちの話の流れの方がわかりやすいのでは?」
「この章はいらないかも」
と、構成からガラリと変えることも大いにあります!

4.見た目を整えるのも編集の仕事

パッと文章を見たときの印象を整えることも編集の仕事です。

  • 改行や空白、太字などが適切に使われているか(スマホ画面も意識)

  • 字面の白さと黒さ(漢字とひらがな)の割合

  • 写真の位置は適切か

こういった見た目の部分もチェックしましょう。

5.記事のサビを意識する

記事で「印象に残る場所」があるかを常に意識。

情報の取捨選択では「カット」にフォーカスしました。
しかし、ここではあえて肉付けをします。

誰に何を伝えたいかを考え、伝えたいメッセージを絞る。
その上で、読者が知っておくべき情報を肉付け(エピソードを付け加えるなど)する作業が大切です。

6.誰が読んでもわかる文章に

文章を書いていると、さまざまな知識が身につきます。
しかし、それはわたしの知識であって、読者にその知識があるとは限りません。

なので、常に中学生でもわかる文章を心がけましょう。
例)表記揺れをやめましょう
  →表記が統一されない、表記揺れをやめましょう

専門用語は特に注意が必要です。

7.読者目線を忘れない

記事を俯瞰してみるときは、読者目線も重要です。

  • 読者は面白いと感じるか?

  • 誰のための文章か?

  • この言葉、表現の使い方で読者理解できるか?

例えば取材記事を編集する場合、まずは「音源を聞かない」で読んでみると◎
というのも、音源にはさまざまな情報があります。(会話だからこそ伝わるニュアンス、”間”など)

そのため読者と同じ立場で、まずは音源を聞かないで読んでみることはチェックするときに有効です。

8.読者を引き込むタイトルや見出し・リードに

最後は、やはりココですね。
冒頭でも記載しましたが、どんなに良い記事でも、読まれなければ意味がないのです。
そのため、読者との最初の接点である「タイトル」は、編集者も1番時間を使う部分でしょう。

またタイトルのみでなく見出しやリードも、最後まで記事を読んでもらうためのメッセージを伝えるに重要な部分です。

編集者は、赤入れ(=修正)の基準をもつ

今回も、講義の最後に編集者としての大切なマインドを伝えてくれました。

ライターの表現や意図を大切にする ≠ 直さない

編集のスタイルはさまざまです。
しかし、プロライターさんとやり取りする時は可能な限りライターさんの表現や意図を大切にするとえるもさんは言います。
なぜなら、あまりに手を入れすぎるとライターさんの記事ではなく、編集の記事になってしまうから。

ただし、「直さない」わけではありません。
では、どういった基準で修正するとよいのでしょうか?

<えるもさんの赤入れ(=修正)基準は2点>
・修正理由を説明できること
・修正したほうが読者に読みやすい、伝わりやすい、わかりやすいこと

とてもシンプルですね。
冒頭で、編集とは「”良いコンテンツ”をライターさんと一緒に作り上げていく仕事」とあった通り、一貫性のあるメッセージだと感じました。

また同時に、自分がライターとして仕事をするときも「編集者視線」があることで、編集者さんとより良いコンテンツをつくることができると強く思いました。


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