津野 香奈美

社会学と心理学と医学と行動科学の狭間を行く社会疫学者。東京大学大学院医学系研究科博士課…

津野 香奈美

社会学と心理学と医学と行動科学の狭間を行く社会疫学者。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了、和歌山県立医科大学医学部講師、ハーバード公衆衛生大学院客員研究員等を経て、現在は神奈川県内の公衆衛生系大学院の教授。

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『パワハラ上司を科学する』幻の第6章を公開します

『パワハラ上司を科学する』、おかげさまで大変好評を頂いております。 以前下記の記事にも書いたのですが、実は『パワハラ上司を科学する』は当初20万字、そして「幻の第6章」がありました。しかし編集者から「この分量は多すぎる、ここままだと1000円以内に収められないので内容を半分にして欲しい」と言われたんですね。なので、削りに削り、最終入稿した時点で14万字まで削ったので、「6万字分の量」が当初の原稿から消えています。 その一環で丸々削除した「第6章」が、「職場でパワハラを発生

    • 地方公務員「精神疾患等の公務災害の認定基準」が一部改正(令和6年3月22日)

      令和6年3月22日、地方公務員「精神疾患等の公務災害の認定について」が一部改正されました。主な改正のポイントは下記の通りです。 改正の概要また、同日、「「精神疾患等の公務災害の認定について」の実施について」 の一部改正について(通知)も一部改正されています。主な改正内容は下記の通りです。 変更にあったハラスメント関連の項目

      • 国家公務員「精神疾患等の公務上災害の認定指針」にカスハラが追加

        国家公務員「精神疾患等の公務上災害の認定について」が令和6年2月14日に一部改正されました。 令和5年9月の労災認定基準改正と同様、いわゆるカスハラが追記され、パワハラに性的指向・性自認に関するものを含むことが明確化されています。 改正の概要 変更のあったハラスメント関連項目

        • 新入社員のメンタルヘルス不調を防ぐためにはどうすればよいのか

          ゴールデンウィークが近づいてきました。新生活を始めた皆さんの中には、早くも少し疲れてきた方もいらっしゃると思います。そこで本稿では、新入社員のメンタルヘルスに焦点を当て、なぜ新生活を始めることがストレスになるのか、そして会社側や上司・先輩側として何ができるのかについて解説します。 新しい世界に飛び込んだ新入社員4月。皆様の会社にも、新入社員が入社してきたと思います。厳しい就職活動を経て、期待を持って御社にやってきた若者達。あなたは、先輩として、上司として、彼ら彼女に何と声を

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          令和6年3月22日、地方公務員「精神疾患等の公務災害の認定について」が一部改正されました。主な改正のポイントは下記の通りです。 改正の概要また、同日、「「精神疾患等の公務災害の認定について」の実施について」 の一部改正について(通知)も一部改正されています。主な改正内容は下記の通りです。 変更にあったハラスメント関連の項目

          地方公務員「精神疾患等の公務災害の認定基準」が一部改正(令和6年3月22日)

          国家公務員「精神疾患等の公務上災害の認定指針」にカスハラが追加

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          国家公務員「精神疾患等の公務上災害の認定について」が令和6年2月14日に一部改正されました。 令和5年9月の労災認定基準改正と同様、いわゆるカスハラが追記され、パワハラに性的指向・性自認に関するものを含むことが明確化されています。 改正の概要 変更のあったハラスメント関連項目

          国家公務員「精神疾患等の公務上災害の認定指針」にカスハラが追加

          新入社員のメンタルヘルス不調を防ぐためにはどうすればよいのか

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          ゴールデンウィークが近づいてきました。新生活を始めた皆さんの中には、早くも少し疲れてきた方もいらっしゃると思います。そこで本稿では、新入社員のメンタルヘルスに焦点を当て、なぜ新生活を始めることがストレスになるのか、そして会社側や上司・先輩側として何ができるのかについて解説します。 新しい世界に飛び込んだ新入社員4月。皆様の会社にも、新入社員が入社してきたと思います。厳しい就職活動を経て、期待を持って御社にやってきた若者達。あなたは、先輩として、上司として、彼ら彼女に何と声を

          新入社員のメンタルヘルス不調を防ぐためにはどうすればよいのか

          フリーランスが受けているハラスメントの実態と防止対策の現状

          「スタンダードプラン」他に参加すると最後まで読めます

          本記事は、「産業保健法学会誌」第3巻第1号に掲載予定の原稿をメンバー向けに先行公開するものです。 要約一般的にハラスメントは、社会や組織の中で弱い立場に置かれた人々が被害を受けやすいことが明らかになっている。フリーランスもまた、その契約上の不安定な立場から弱い立場に置かれやすい状況にある可能性がある。そこで本稿では、フリーランスを対象に近年行われた調査結果を紹介し、フリーランスを対象としたハラスメント対策の現状と展望について考察する。 本文1.はじめに 一般的にハラスメ

          フリーランスが受けているハラスメントの実態と防止対策の現状

          アカデミックハラスメント:最近大学で起こったハラスメント事例

          「スタンダードプラン」他に参加すると最後まで読めます

          最近、アカデミアにおけるハラスメントについて話す機会がありました。大学等の高等教育機関で起きるハラスメントは、アカデミックハラスメント(アカハラ)と呼ばれます。その中身はパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなど様々ですが、会社で起きるハラスメントとやや異なるところは、学生が被害者となるケースがあることです。 ただ2023年10月現在、学生が被害者になるハラスメントについて、学生が通う大学に防止対策を義務付ける法律等はありません。本稿ではまず、

          アカデミックハラスメント:最近大学で起こったハラスメント事例

          『パワハラ上司を科学する』幻の第6章を公開します

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          『パワハラ上司を科学する』、おかげさまで大変好評を頂いております。 以前下記の記事にも書いたのですが、実は『パワハラ上司を科学する』は当初20万字、そして「幻の第6章」がありました。しかし編集者から「この分量は多すぎる、ここままだと1000円以内に収められないので内容を半分にして欲しい」と言われたんですね。なので、削りに削り、最終入稿した時点で14万字まで削ったので、「6万字分の量」が当初の原稿から消えています。 その一環で丸々削除した「第6章」が、「職場でパワハラを発生

          『パワハラ上司を科学する』幻の第6章を公開します

        記事

          国立大学の学費を150万円にする問題

          慶應義塾長である伊藤公平氏が、2024年3月27日に開催された文科省中央教育審議会 高等教育の在り方に関する特別部会で提出した資料で、「国立大学の学費を150万円/年にすべきだ」という提案をしたとして話題になっています。 話題の資料はこちらです。 【資料2-1】大学教育の多様化に向けて(伊藤委員提出資料) 上記提出資料の1ページ目に、提案要旨として下記が記載されています。 慶應義塾長・伊藤公平氏の提案あまり話題になっていませんでしたが、「公立大も同様の扱いとする」と記載

          国立大学の学費を150万円にする問題

          フリーランスが受けているハラスメントの実態と防止対策の現状

          本記事は、「産業保健法学会誌」第3巻第1号に掲載予定の原稿をメンバー向けに先行公開するものです。 要約一般的にハラスメントは、社会や組織の中で弱い立場に置かれた人々が被害を受けやすいことが明らかになっている。フリーランスもまた、その契約上の不安定な立場から弱い立場に置かれやすい状況にある可能性がある。そこで本稿では、フリーランスを対象に近年行われた調査結果を紹介し、フリーランスを対象としたハラスメント対策の現状と展望について考察する。 本文1.はじめに 一般的にハラスメ

          フリーランスが受けているハラスメントの実態と防止対策の現状

          アカデミックハラスメント:最近大学で起こったハラスメント事例

          最近、アカデミアにおけるハラスメントについて話す機会がありました。大学等の高等教育機関で起きるハラスメントは、アカデミックハラスメント(アカハラ)と呼ばれます。その中身はパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティハラスメントなど様々ですが、会社で起きるハラスメントとやや異なるところは、学生が被害者となるケースがあることです。 ただ2023年10月現在、学生が被害者になるハラスメントについて、学生が通う大学に防止対策を義務付ける法律等はありません。本稿ではまず、

          アカデミックハラスメント:最近大学で起こったハラスメント事例

          就活ハラスメントの現状と対策

          就活ハラスメントの定義就活ハラスメントとは、「応募する企業やその採用担当者が優越的な立場を利用して就職活動中やインターンシップの学生等に対して行うセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントントのこと」を指し、立場の弱い学生等の尊厳や人格を不当に傷つける許されない行為です。 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/syukatsu_hara/enterprise/ 労働施策総合推進法及び男女雇⽤機会均等法に基づく指針においては、就活ハラス

          就活ハラスメントの現状と対策

          部下の長所をのばす方法【第4回 部下を持つ人のためのお悩み相談室】

          本マガジンは、1~2か月に1回ペースで更新します。 本連載の目的 ハラスメントはどの職場でも起きるものであり、そしてハラスメントの多くは、上司と部下との価値観の違いや認識の違いによって起こると感じています。そこで本連載では、上司の立場にいる皆様が自信をもって部下と関わることができるように、そしてハラスメントだと訴えられずに済むように、効果的な情報伝達の方法や部下との関わり方等について取り上げ、上司にとっても部下にとっても働きやすい職場の醸成に繋げることを目的とします。

          部下の長所をのばす方法【第4回 部下を持つ人のためのお悩み相談室】

          生成系AIを研究活動に使用することに対する見解

          所属している大学の研究委員会委員長を務めているのですが、生成系AIを研究活動に使用する際の注意点に関してアナウンスを出した方が良いだろうという議論になりました。 そこで今更ではありますが、下記のように委員長案をまとめましたので、ここに公開します。今後、学内で他の委員会等の案も含めた統合案が作成される予定です。 1.生成系AIとは人工知能の一種で、既存データを解析して新しいデータを生成することができる技術です。生成系AIには様々な種類がありますが、代表的なものに、自然言語処

          生成系AIを研究活動に使用することに対する見解

          過去にパワハラを注意した人からパワハラの講演依頼を頂いた話

          パワハラしていた方から「最近パワハラが多く発生しており、対応に苦慮している」と講演依頼のご連絡を頂きまして。改めてパワハラしている本人は自覚がないのだなと思うと共に、その方に関するエピソードを『パワハラ上司を科学する』最終稿からごっそり削除して、本当に良かったと思ったのでした。 なぜ良かったと思ったのかと言うと、自分がパワハラ行為者として描かれていることを知れば、恐らくその方は逆ギレするであろうことが予測できるからです。キレられるのが怖いのではなく、その対応にエネルギーを割

          過去にパワハラを注意した人からパワハラの講演依頼を頂いた話

          どのように、部下からニーズやキャリア展望を聞きだしたら良いのでしょうか?【第3回 部下を持つ人のためのお悩み相談室】

          本マガジンは、月に1回ペースで更新します。 本連載の目的 ハラスメントはどの職場でも起きるものであり、そしてハラスメントの多くは、上司と部下との価値観の違いや認識の違いによって起こると感じています。そこで本連載では、上司の立場にいる皆様が自信をもって部下と関わることができるように、そしてハラスメントだと訴えられずに済むように、効果的な情報伝達の方法や部下との関わり方等について取り上げ、上司にとっても部下にとっても働きやすい職場の醸成に繋げることを目的とします。 〇〇につ

          どのように、部下からニーズやキャリア展望を聞きだしたら良いのでしょうか?【第3回 部下を持つ人のためのお悩み相談室】

          パワーハラスメント対策の課題と対策

          本記事は、「労務事情」2023年5月1日号および5月15日号に掲載されたものに加筆修正を加えたものです。なお図表は、本記事用にオリジナルで追加しています。引用される場合は下記を記載下さい。 津野香奈美.パワーハラスメント対策の現状の課題.労務事情.2023;1469:2 津野香奈美.パワハラが起きる職場の特徴と発生防止策.労務事情.2023;1470:2 パワーハラスメント対策の現状の課題 2020年6月には大企業に、2022年4月には中小企業にパワーハラスメント(パワ

          パワーハラスメント対策の課題と対策

          戸籍の性別変更要件の改正とICD-11における性同一性障害の名称/概念変更

          本原稿は、「産業ストレス研究」30巻2号(2023年4月頃刊行)の「カレントトピックス」に執筆した内容に大幅な加筆を行ったものです。引用の際は下記を記載ください。 津野香奈美.戸籍の性別変更要件の改正とICD-11における性同一性障害の名称/概念変更.産業ストレス研究.2023;30(2):印刷中 ポイント 2022年4月に戸籍上の性別変更要件が改正された 性別変更には、5つの要件全て(年齢要件・非婚要件・子なし要件・手術要件・外観要件)を満たす必要がある ICD-

          戸籍の性別変更要件の改正とICD-11における性同一性障害の名称/概念変更

          カリスマ型の上司にはなれる気がしない【第2回 部下を持つ人のためのお悩み相談室】

          私は普段、メンタルヘルス、ハラスメント、リーダーシップ、労働時間、ジェンダー等に関する研究を行っています。そしてそれらの知見を活かし、某自治体では管理職向けにリアルお悩み相談室を開催しています。このマガジンでは、実際に管理職の方から寄せられた「お悩み」に、データや科学的知見に基づきながら回答していきます。 本連載の目的 ハラスメントはどの職場でも起きるものであり、そしてハラスメントの多くは、上司と部下との価値観の違いや認識の違いによって起こると感じています。一方で、ハラス

          カリスマ型の上司にはなれる気がしない【第2回 部下を持つ人のためのお悩み相談室】

          職場のハラスメントによる経済損失― 疾病休業・労働生産性・離職の観点から

          本記事は、産業医学ジャーナル44巻4号に掲載されたものです。引用の際は下記を明記ください。 津野香奈美.職場のハラスメントの経済損失―疾病休業・労働生産性・離職の観点から―.産業医学ジャーナル.2021; 44: 4-10. 要 約パワーハラスメント(以下,パワハラ)やセクシュアル・ハラスメント(以下,セクハラ)が労働者の健康に悪影響を及ぼすことは,これまで多くの研究で報告されてきた.我が国では2020年にパワハラ防止措置を義務付ける法律が施行され,より一層のハラスメント

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          職場のハラスメントによる経済損失― 疾病休業・労働生産…