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変なシリーズ:「不思議な家と僕がオバケになるまで」第三十四話

【前書き】

皆様、お疲れ様です。
カナモノさんです。

「悪魔と青年が紡ぐお話を、シリーズとして書いたら。」
三十四話です。

少しの間でも、お楽しみ頂けていることを願います。


【不思議な家と僕がオバケになるまで】第三十四話
「ホテル・フェアモンド・ミステリーメリー⑤」

作:カナモノユウキ


《登場人物》
・きつね 心の悪魔「アコ」と共に過ごしている青年。
・アコ  元夜更かしの悪魔、現在は心の穴を埋める心の悪魔としてきつねに寄り添っている。
・オバケ きつね達が度々見かける方、多分女性。
・コンシェルジュ 〝不思議の家〟のスタッフ。
・マルク 〝勿体ないオバケ〟のシェフ。

「ご馳走様でした…はぁ、美味しかった。…人の食べ残しとか廃棄食材って聞いたからどんなのかと思ったけど。普通と言うか、凄く美味しかったし…食べたことない料理ばっかりだったよ。」
「すっげえなぁ、ここのシェフの…何だっけ?〝マスク〟?…〝マイク〟?」
「〝マルク〟さんんでしょ…、こんなに美味しい料理を作ってくれたんだから。感謝だね。」
『アリガトウゴザイマース、ソレは嬉しいお言葉でスネ!』
「おわ!〝勿体ないオバケ〟じゃねーか!不思議の家にも居んのか!つーかお前がシェフなのか!」

あのレストランの料理長、〝勿体ないオバケ〟さんだったんですよ…。
確かに、合点がいきましたよ。人間の廃棄食材とかのリサイクルとか、何か人間ぽかったですからね。
あ、勿体ないオバケってみんな元人間らしいですよ?

『ハイ!〝レストラン・マルディシオン〟の総料理長の〝勿体ないオバケのマルク〟デス!本日はご利用頂きアリガトウゴザイマース!ココの料理はお口に合いマシタカ?美味しかったデスカ?」
「はい、もう〝残り物キャベツのパスタ89種〟とか、〝廃棄弁当で造る世界炒め〟とか。美味しすぎて、食べすぎちゃったぐらいです…凄いですね、人間の廃棄食材でこんな素敵な料理を作るって。」
『勿体ない精神で料理を考え続けて居たら、ココで料理長ヲ任せて頂ケテ。コンシェルジュさんに感謝ですネ。』

あのバリエーションの豊富さ、人間のホテルでもあんなに料理ならばないと思うんで…驚きですよね。
あ、〝あまりの生地で作ったフワフワパンケーキ〟おススメですよ。
あまりの生地って…あんなにあったんですね。

「へぇ~、コンシェルジュも勿体ないオバケの活動が勿体ないからリサイクルしたかったんだな!」
「…何かよく分かんなかったけど、そうだね。こういう場所があるのは幸せなことですよね。僕たちもマルクさんのお陰でこんなに美味しい料理を食べられたんですから。本当にありがとうございます。」
『イエイエ、ご滞在の際は是非ココの料理をお楽しみに来て下サイネ!』
「はい、また楽しみに来ます。ご馳走様でした。」
「美味かった!ありがとうな!マルク!」
『あ!勿体ないは減らしてくださいネ~。〝勿体ないオバケ〟が出ますからネ~エへヘ!』

〝勿体ないオバケが出る〟って、子供の時に聞きましたけど。
居るって分かったら、やっぱり気を付けないといけませんね…。



続く


【あとがき】

最後まで読んでくださった方々、
誠にありがとうございます。

最近、勿体ないオバケが出ると思って食べ過ぎたら…太りました。

では次の作品も楽しんで頂けることを、祈ります。
お疲れ様でした。

カナモノユウキ


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