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時間切れ!倫理 146 社会運動 女性解放・部落解放

 次に、様々な社会運動家を見ていきます。
 女性解放運動としては平塚らいてう。「らいちょう」と読みます。漢字で書くと雷鳥です。『青鞜』という女性解放運動の雑誌を発行しました。今から150年前、明治の時代に女性として社会活動をするのですから、ものすごく行動力のある女性だったのだと思います。
 平塚らいてうのお母さんは、娘のために結婚資金を貯めていました。らいてうは女性解放運動を始めると、母親が自分のために貯めていた結婚資金をもとにして、『青鞜』を発行しました。この雑誌の巻頭の言葉が「元始、女性は実に太陽であった」という有名な言葉です。今、女性は虐げられているけれども、昔々は女性が世界の中心だったのだ、ということです。
 らいてうは、女性の自立を目指しますから結婚などしません。この時代、結婚は男に従属することですから、しません。パートナーもおり、一緒に暮らすのですが、絶対に入籍はしない。子供が生まれても入籍はしない。自覚的なシングルマザーの第1号だと思います。シングルマザーは今でこそ珍しくなくなりましたが、私が小さい頃は、まだまだ非難にさらされていました。彼女は、100年以上前ですから、すごく非難されたと思いますよ。しかしそんなことは気にしない。気にしてるかもしれませんが、自立の人生を貫いた人ですね。男には絶対頼らない。
 西光万吉は、『水平社宣言』を書いた。被差別部落の解放宣言です。
 江戸時代には、士農工商の下に「えた・ひにん」という身分があり、非常な差別に晒されていました。明治になって、解放令が出され、制度上はえた身分・ひにん身分はなくなったのですが、人々の生活の中ではまだまだ差別が続いていました。そこで、被差別部落の人々が、自ら解放を実現するために、水平社という全国的な組織を作ります。その宣言を書いたのが西光万吉です。部落差別だけではなく、抑圧されたすべての人の解放を訴える文章です。感動的な文章で、日本史の資料集などには載っていると思います。日本における『人権宣言』と考えても良いと思います。

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