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BDKの何が問題か【女子校の先生になったら読むnote】

 私立高校(女子校)勤続10年のkanari_Pです。
女子校に勤務されている先生、あるいは勤務が決まった先生向けに、本日は「BDK」をテーマにお話しいたします。いや、今日は女子校に限らないテーマですが、よろしくお願いいたします。

「BDK」とは

 さて、「BDK」という言葉が使われるようになって久しくなってまいりました。「〈B〉部活〈D〉大好き〈K〉教師」の略なんだそうです。私はこの10年間で、前半は全国大会にまで行くような運動部を、後半は想像力が試されるような文化部を受け持ってまいりました。どちらもなかなか負荷が強く、しんどい思いばかりではありましたが、生徒が何か変化していく姿を実感できる場所でもあったので、楽しい思いもたくさんしてまいりました。したがって、私は部活動大好き教師の1人と言えます。

 ただ、この「部活動大好き教師」という言葉は、良い意味で使われているケースを私は見たことがありません。基本的には否定的な印象を持つ言葉のようです。

私の周りにいた「BDK」

 私の周りにも、部活動が大好きなんだろうと思われる先生方がたくさんいらっしゃいます。土日を返上でご指導なさる先生や、自身の専門性を発揮される先生、先生の私費をお使いになってまで指導なさる先生など、さまざまなタイプの先生が見られます。

 誰かに強制されているわけではなく、またそうしなければならないと責められているわけでもなく、ただ純粋に大好きでご指導されているのでしたら、それは結構なことだと思います。「部活動大好き教師」、それは本来結構なことのはずです。

 しかし、そのような先生方の行動の中に「それはいかがなものか?」と感じるものがいくつかありました。何点かご紹介いたします。

  • 朝練の指導に行ったっきり、朝の打ち合わせ等に参加しない。または遅刻してくる。学年主任がその点を指摘すると、「こっちは生徒を指導している。朝礼のタイミングに戻って来れるわけないし、そのような時間に打ち合わせをしている主任がおかしい」と発言する。

  • 部活関係の書類を出さない。または遅刻で提出してくる。係がそれを指摘すると、「何日も前に言われたことなんていちいち覚えてない。その都度言ってくれないと出せるわけがない」と発言する。生徒会の規則に載っていても、「それでもその都度周知するのが丁寧な仕事だ。そのような仕事レベルでやってたらダメだよ」と発言する。

  • 学校説明会などで施設をおさえることに快く協力できない。「うちはどこで部活したらいいの?」と替地の要求をし、無ければ「ホント迷惑な話やな」と罵る。

  • 生徒会や生徒指導部等との交渉が上手くいかなかった時に、ふてくされて態度に出る。そして、「生徒がかわいそう。」と、生徒を盾にした発言をする。

  • 分掌の仕事が回ってきた時に、「部活動で忙しいので、その仕事はできません」と発言する。

 と、事例は枚挙にいとまがありません。

「お陰様」と考えられない「BDK」に価値はない

 「BDK」の方々が陥りやすいのが、「私たちは生徒の指導をがんばっているのに、何が問題なのか」と自分のことしか見えていない思考です。このような考え方しかできない顧問の先生、あるいはその部活動は、たとえ全国大会に行ったとしても、金賞をとったとしても、何の価値もありません。また、そのような顧問や部活動や、やがて応援してもらえなくなります。私立学校の広報の先生方におかれましては、「全国大会○位!」と宣伝して回ることでしょうが、宣伝効果はすぐ切れます。生徒・保護者・外部の先生は、かなり細かいところまで質を見極めています。管理職の先生方におかれましては、先生の学校にそのような「BDK」がいないかどうかを見極め、しっかりとご指導なさることをお勧めいたします。

 誰のお世話にもならずに活動できる部活動は皆無です。したがって、顧問はそのことをしっかりと心得て、ルールを守り、周りの先生と協力していくべきですし、部活の生徒にも「何事もお陰様だ、感謝だ」と教えることができなければなりません。お陰様のケースはたくさんあります。

  • あなたがその施設で活動できているということは、誰かがその施設の利用を遠慮しているはずです。

  • あなたが土日に大会に出やすいように、1年前から行事予定に休校日を組み込んでくださっているはずです。

  • あなたの部活に充てられている部費は、あなたの部活に所属している生徒以外からの生徒会費のはずです。

  • あなたが部活指導から帰ってくるまで、電話を控えて職員室でずっと待ってくださっている先生がいるはずです。

 など、こういうことにすぐ気付き、お礼を言える謙虚な教師でありたいものです。

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