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幻想的なゴシックロック名盤 The Cure「Disintegration」

ゴシックロックを語るうえで、名盤と言われ語り継がれている作品は、いくつもあります。
Siters Of MercyやSiouxsie And The Banshees、BauhousやJoy Divisionなど、数々のバンドが名盤を世に出してきたわけですが、その中でも随一の知名度と売り上げを誇るのが、The Cureであり暗黒3部作2作目の「Disintegration」です。
今回は、儚くも暗い幻想的なゴシックロック的名盤、「Disintegration」を紹介します。

Disintegration

1989年発売の8thアルバムで、暗黒3部作2作目にあたるアルバム。
暗黒3部作とは、4th Pornography・8th Disintegration・11th Bloodflowersの3作品を総称した呼び名です。
The Cure作品の中でも特に暗く退廃的な雰囲気を醸し出す3作品ため、そう呼ばれています。
暗黒といってもそれぞれ特徴が分かれており、今作Disintegrationは、「幻想的で退廃的な、空間を漂うような暗さ」のような印象を抱きます。

メランコリックなサウンドと重厚なシンセサイザー、リバーヴの掛かったボーカルで、まるで空中を浮遊しているような幻想的な感情を抱かせる1.Plainsong
物憂いなギターサウンドのイントロから始まり、Plainsongとは違いはっきりとした口調で語り歌われる7分大作の人気曲2.Pictures of You
民族音楽的ドラムサウンドを鳴らしながら重厚なシンセが2分間続き、数分歌唱があるものの、ほぼインスト曲になっている幻想的な3.Closedown
4.Lovesongは、Vo.ロバートの妻メアリー・プールへの結婚祝いとして書いた曲になっており、人気のシングル楽曲になっています。気怠げで物憂げなサウンドにウィスパーボイスが合わさり、どこか切ない印象を与える曲に仕上がっています。

空間を漂うような、暗くも儚いサイケサウンドを鳴らす5.Last Dance
物憂げでどこか寂しげなギターサウンドを流しながら、囁くようなボーカルをかぶせることで進行する6.Lullaby 
Voロバートの幼少期に聞かされていた蜘蛛男の怪談と、それにまつわる悪夢について歌われている曲で、気味の悪さが上手く表現されているように思います。

今までと打って変わり、重厚なベースとノイジーなギターサウンドで緊迫感漂う、どこか4th Pornographyを思い出させる7.Fascination Street
重厚で壮大なシンセと寂しげなギター、存在感のあるベースで、重くも悲しい印象を与える8.Prayers for Rain
雷雨のSEと幻想的なシンセ&ドラムで始まり、憂鬱な悪天候の日を連想させる9分の大作、9.The Same Deep Water as You
切ないながらもグルーヴ感あふれる、切なく悲しくも楽しさが共存するダンサンブルな10.Disintegration
物憂げで切ないイントロから始まり、歪んだギターでどこかシューゲイザー感を漂わせながらキーボードでジャズ感も漂わせる憂鬱な11.Homesick
最後は、孤独で退廃的な印象が多い他曲とは対照的に、キーボードを随所の生かしつつも、切ないながらも暖かさ・ぬくもりが感じられる12.Untitledで締められます。

さいごに

暗黒3部作である、4th Pornography・8th Disintegration・11th Bloodflowersの3作品ですが、それぞれ特徴が分かれています。
4th Pornographyは、終始緊張感・緊迫感を感じる、言い表すならば「呪い・呪殺」とでも言い表せそうな作品です。
11th Bloodflowersは、2作に比べるとダークさは薄いものの、アルバムとして統一感のある、どこか陰のある印象のアルバムになっています。
そのため本作Disintegrationが、The Cureの入り口としてもゴシックロックの入り口としても聴きやすいのではないかと思います。
また、The Cure至上最高傑作とも言われています。
是非この機会に聴いてみてはいかがでしょうか?



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