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おぼんこぼん奇跡の和解酒

知ってました?夢って叶うんですよ。あきらめなければ。

漫才協会に入ってから5年。ずーっとこの日を夢見てました。周りの芸人たちにも「いつか絶対おぼんこぼん師匠を仲直りさせて一緒に飲みに行く!」と宣言し「無理無理」「そんなこと絶対ありえない」「いいかげん大人になれ!」と散々ののしられて来ました。

きっかけは水曜日のダウンタウン。「おぼん・こぼん THE FAINAL」が放送された2021年10月6日。その翌日、10月7日の浅草東洋館は大入り満員の大盛況。おぼんこぼん師匠の仲直りを祝うお客さんでいっぱいでした。

長年バラバラの衣装で舞台を務めていた二人が、その日は同じ衣装で登場。もうそれだけで、今までにはありえない奇跡の光景です。あの有名な「モーセの十戒」。海がまっぷたつに割れるシーンを目撃した人々のように、お客さんは大興奮!マスクを着け、大声が禁止されている状態にも関わらず、心の内側から感情があふれだすような熱気と拍手の嵐。

「おぼんこぼん仲直りしましたー!」

さらに大拍手。

「今日は目と目が合っております!」

笑いと拍手と嬉し涙と男と女。

そこからいつも以上に息のあった漫才を披露し「持ち時間過ぎたけど残業しよっか?」とお客さんのためにサービス残業。お客さん大満足の舞台を終えました。

そして舞台後、こぼん師匠に「今日久しぶりに飲みに行く?」と誘われ、若手メンバーたちと一緒に飲みに行くことに。

昔はおぼん師匠とも、こぼん師匠とも、よく飲みに行ってました。もちろん別々に。しかしコロナが流行り出してからは全然行けず、久しぶりの打ち上げに私も興奮してました。

こぼん師匠と連れ立って店に向かうと、先に行ったはずの芸人「カントリーズ」の「えざお」が険しい表情でこちらに戻って来ます。

「すいません…お店に行ったんですけど…。あのー…おぼん師匠が…今日来たお客さんたちと飲んでます」

今までなら「ほな、別んとこ行こか」という答えが返ってくるはず。ところがところが、その日のこぼん師匠の口から出てきた言葉は我が耳を疑うものでした。

「別に一緒でもかまへんで」。

「え?」今なんて言ったの?別に?一緒でも?かまへんで?

えええええええーーーーー!?

い、い、いいんですか?おぼんとこぼんが一緒の店で?そんな幸せなこと起こっちゃうんですか?

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