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エッシャー通りの赤いポスト

映画の試写会に行って来ました。タイトルは「エッシャー通りの赤いポスト」。園子温監督の最新作です。

試写会に誘われたきっかけは、去年公開された映画「ミセス・ノイズィ」。この映画を見て「同じ現象でも見る角度によって全然見え方が変わるんだな」って感銘を受けたのがはじまり。

で、ツィッターとかblogに「ミセス・ノイズィ、面白いよー」って感想を書いて勝手に宣伝してたら、その映画の製作をしている「アクターズ・ヴィジョン」っていうところの方からお礼を言われました。そして今回「また新しく映画を作ったのでぜひ試写会に来てください」って誘われるという幸運。ツイッターって凄ぇ!

しかも、ずっと気になってた園子温監督の新作だよ。こりゃ行かない理由がないよ。という事で行ってまいりました。

この「エッシャー通りの赤いポスト」。どんな映画かというと「映画を作る過程を映画にした映画」です。映画って言葉が多すぎて分かりづらい?じゃあこれはどう?「映画のオーディションに集まった人たちの群像劇」これなら分かる?

しかも「映画のオーディションに集まった人たち」って言うのが実際に「映画のオーディションに集まった人たち」なんですよ。

え?また分かりづらい?

つまりこの「エッシャー通りの赤いポスト」っていう映画のオーディションが実際に行われて、そのオーディションで合格した人たちが、映画の中のオーディションに挑むそれぞれの役を演じてる。

しかもそのオーディションで選ばれた役者に合わせて台本が書き換えられ、役者の持ってる素の部分が生かされてる。

だんだん役なのか本人なのか分からなくなってくる。ノンフィクションのようなフィクション。ドキュメンタリーのようなドラマ。

前に、映画「由宇子の天秤」見た時も同じような事思ったなー。

こちらは「ドキュメンタリー番組のディレクターが、ある事件を追いながら、自分の身内にも事件が起きる」という話。

実際にドキュメンタリーを撮影するシーンもあり、撮影する側もされる側も本当にリアルで「あれ?今ドキュメンタリー見てるんだっけ?フィクションの映画見てるんだっけ?」って分からなくなっちゃう瞬間もありました。

ノンフィクションのようなフィクション。

ただこの二つの映画まったく印象が違う。「由宇子の天秤」がタイトル通り繊細にバランスを取り、倒れないように倒れないように進むのに対し、「エッシャー通りの赤いポスト」はバランス関係なく突っ走る。倒れる、転ぶ、落ちる、壊れる。

四方八方、めったやたら、思いのままに植物の種をまき散らした様な映画です。途中「こんなにまき散らしちゃって大丈夫なの?」って心配してたら、最後にはそれぞれの種が芽を出し、あちらこちらで花を咲かせ、実を結んでました。

オープニングも「映画のはじまり」って感じで良かったけど、エンディングがさらに良かった。「まだこの映画終わりじゃないよ。そんな簡単に終わらせないよ」って言われてる気がして。「さあ、お前はどうすんだ?」って問いかけられてる気がして。

どうする?走るのか?叫ぶのか?

くうううううううー!この映画に参加したかったー!一緒に走りたかったー!

って客席で映画見ながら思ったんだけど、出来るじゃん!まだまだ参加出来るじゃん!この映画見た事を誰かに伝えることで。まだ見てない人にこの映画を伝えることで。

それに気づいて、たった今、この文章書くことで映画に参加できました。さて、君はどうする?

映画「エッシャー通りの赤いポスト」12/25(土)~公開です。

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上映後、出演者の皆さんと。

こちらのページにコメントも載ってます。https://escherst-akaipost.jp/info/comment



金谷ヒデユキ

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