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【二級建築士】ズバリ私が出題するなら、○○○○を考慮した専用住宅

こんにちは、かねっつです。
本日もnoteをご覧いただきありがとうございます!

今回は、いつもと変わり二級建築士のお話です。
6月7日(水)に二級建築士の設計製図課題が発表されました。

昨年同様、サブタイトルがなくなり『専用住宅(木造)』となりました。
いろんなことが想定できる課題名です。

今回は一級建築士現役講師が、どのような専用住宅が出題されるのか?予想してみました。

※この無料記事を読み終えるのに、約7分かかります。

■専用住宅とは?

専ら居住を目的に建築され、店舗、事務所、作業場等の業務の用に供する部分がない住宅。一戸建て、共同住宅の別を問わない。

一般的には、このように定義されています。
簡単に言えば、『住民の家』ということです。

そう考えると、特に難しそうな課題ではなさそう…ですが、課題条件では、建築主がどのような家族構成なのか?どのようなライフスタイルを求めているのか?などによって、難易度が変わると思います。

また、専用住宅のプランニング自体は難しくないが、周辺環境にクセがあったり地盤面が傾斜していたりと、プランニング以外の部分で落とし穴があったりします。

■令和4年度に『住宅』の改正があった!

下記は、国土交通省のページです。

大きな目玉は、省エネ基準の適合義務化です。
一級建築士の設計製図試験においても、ZEHや脱炭素に関連した計画が求められています。
二級建築士では、令和4年度の保育所において、計画の要点等では【③建築物の環境負荷低減(省エネルギー等)について、配慮した点】が求められていることから、今年の課題も何らかの省エネルギーに関する計画が求められると思います。

もう1つ気になるのが、住宅の採光規程の見直しです。原則1/7以上としつつも、一定条件(照明器具等)の基で1/10以上まで必要な開口部の大きさを緩和することを可能とした法案です。設計製図の試験においては取り入れることが難しそうですが、改正があったことは頭に入れておくといいかもしれません。

■想定される専用住宅を考えてみた

私が考える課題条件は…

在宅介護を考慮した専用住宅】

かと思います。

内閣府が出している【令和4年版高齢社会白書】では、身体の障害者において施設介護者数が約10万人に対し、在宅介護者数が約428万人と在宅介護の方が圧倒的に高いです。また、認知症高齢者は2010年9月時点で、約280万人いるとされていますが、その内、約140万人もの認知症高齢者が在宅生活を送っているデータがあります。
両者とも、在宅介護を希望する人が多いのですが、その一方で、日本の住宅が在宅介護に適した住環境ではないのが現実です。多くの住宅は、既存の住宅を生かすため(低コストで整備するため)改修をしています。具体的には和式便器を洋式便器に変えたり、手摺をつけたりして、自立できる住環境や介護がしやすい住環境に整備します。それでも、910モジュールで設計されていることが多い日本家屋では、介護するには窮屈と感じてしまうのです。こういった問題を解決するために、新築時から将来のライフスタイルを見通した住環境整備というのが求められます。

実は二級建築士の過去問でも、2014年の課題で【介護が必要な親(車椅子使用者)と同居する専用住宅】と出題されています。この年は、介護保険制度改正や障害者総合支援法の一部見直しがありました。近年ではバリアフリー法の改正により、車椅子用便房(バリアフリートイレ)の寸法の見直しや小規模店舗における具体的な設計指針などが明確に位置付けされました。こういった時代の背景と共に、設計製図の試験にも組み込まれるのではないかと考えています。

■法令遵守も忘れずに

試験元HPの注意書きより【建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限等)とする。】とあります。この中でも、高さ制限は最重要事項です。
例えば、第1種・2種低層住居専用地域の場合、最高高さ10m以下にする必要があります。(法第55条第1項)
そしてもう1つは、北側高さ制限です。低層の場合、5mの基準の高さから、北側境界線までの距離の1.25倍以下(傾斜勾配)に建物の高さが制限されます。(法第56条第1項第3号)

法令不適合は、ランクⅣの要因です。ミスしないように注意しましょう。

■これからの勉強法

専用住宅と題された以上、想定できる課題はたくさんあり、何を勉強してよいのか不安になると思います。そういった場合は、どんな課題だったとしても共通しているもの、を勉強しておきましょう。

①過去問を振り返る

過去に、○○専用住宅として出題された課題は少なくありません。もしかすると、今年の課題は過去に出た課題と酷似して出題される可能性もあります。『彼を知り己を知らば百戦危うからず』。向かう相手の実情と自分の実力を正しく知ることで、負けない戦い方ができるという意味です。まずは相手(試験元)の特性や出題傾向を知り、自分がその課題をどこまで理解できているかを知りましょう。

②床伏図兼小屋伏図と矩計図をマスターする

プランは違えども、部材の名称や寸法は、ほぼ一律です。どんな課題が来ても書けるように下準備をしておくと良いと思います。また、作図練習で描き方についても練習しておけば、本番でも早いスピードで作図できます。過去問を使って練習するのも、かなりオススメです。

■総まとめ

  • 省エネ(環境負荷低減)の計画は、今年も問われておかしくない!

  • 改正されたバリアフリーに配慮した住宅が問われる可能性がある

  • 在宅介護に配慮した専用住宅ではないか?

  • 低層住居専用地域での、最高高さ北側高さ制限に注意

不安要素が多い課題発表となりました。そういうときこそポジティブに考えてみましょう。「自由度が多い試験かもしれない!」「意外と単純な課題条件かもしれない!」など、ワクワクする気分で勉強してみると、心に余裕が出来てモチベーションも保たれると思います。


最後まで、ご覧いただきありがとうございました!

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